東急東横線の特急は日吉には停車しない。平日の朝と夕方以降に運転されている「通勤特急」は止まるものの、日中と土日祝の終日は一切止まらない。武蔵小杉駅と菊名駅の間はノンストップとなっている。
現在、日吉駅は東急目黒線の終着駅となっている。目黒線と東横線の接続駅の1つともなっているが、現時点では武蔵小杉駅の方がその役割が大きい。
一方、横浜市営地下鉄グリーンラインとの乗換駅にもなっている。通勤特急が停車する理由もここにある。他の路線とも接続していることから、乗降客数は決して少ない小さな駅ではない。
特急も日吉駅に新規停車するか?
そんな日吉駅だが、今後は特急も新たに停車駅に追加される可能性がある。それに伴って、渋谷~横浜間の所要時間が伸びるかもしれない。
目黒線の終着駅となっているものの、今後は相鉄線へ直通する線路が延伸される予定となっている。具体的には、2022年度をめどに東急と相鉄の相互直通運転が開始される。
東横線の横浜方面と相鉄線方面へは日吉駅より分かれていく。新たに接続駅として止まる価値が高まるのは避けられない。
これによって、これまでは武蔵小杉~菊名間はすべて通過していた特急も日吉駅に停車するようになるかもしれない。
なお、相鉄線との相互直通運転が始まった場合に特急も相鉄線へ乗り入れるかどうかは変わらない。直通列車の種別が各駅停車だけなのか、それとも急行や特急などの優等列車になるかは不明。
ただ、距離が長いことから通過駅のある優等列車として運転される可能性が大きい。急行なら、日吉駅に止まることとなる。
そもそもなぜ特急は通過?
東急東横線の特急が当初から日吉駅は通過となっている理由は何か。乗り降りする人にとっては、このような疑問を感じるだろう。
東横特急が新設されたのは2000年のことである。当時はJR線で湘南新宿ラインの運転が始まったころである。JRへの対抗措置として速達列車を走らせたという経緯がある。
渋谷駅から横浜駅までの所要時間をなるべく短くするために、停車駅は極めて重要な主要駅に限定された。中目黒・自由が丘・武蔵小杉・菊名の4駅はいずれも他の路線との乗換駅である。
日吉駅も、そういう点では横浜市営地下鉄グリーンラインと接続しているため、重要な駅なのは否定できないだろう。
しかし、東横線からグリーンラインへ乗り換える人は少ない。東急東横線としてはそれほど重要な駅というわけではないのは確か。そんな背景から、特急は日吉駅には停車せず通過となっている。