東急東横線において全列車の10両編成化は行われる予定がないのか。各駅停車の8両編成のままの状態は今後も続くのか、それともいずれは廃止されるのか。
東横線では特急のみ副都心線との直通が始まった2013年3月より10両編成で運転されている。一方の各駅停車と急行は、8両編成で運転される場合が多い。
東横線内を走る各駅停車はすべて8両編成となっている。急行も一部を除いては各停と同じ数となっている。Fライナーを含む特急は、すべて10両編成となっている。
今のところ、東急東横線にてすべての電車を10両編成化させる予定はないようだ。
なぜ10両編成の予定はないのか?
東急東横線で運転されている種別ごとの車両連結数は以下のようになっている。急行以外は固定化されている。<参考元:東急電鉄『分散乗車とオフピーク通勤・通学にご協力ください』>
種別 | 連結車両数 | 概要 |
特急、通勤特急 | 10両編成 | 最も混雑する種別 |
急行 | 10両または8両編成 | 渋谷⇄自由が丘は混雑 |
各駅停車 | 8両編成 | 空いている |
8両編成で運転されている東横線の各駅停車は、今のところ供給不足には至っていない。
参照:【朝ラッシュ】東急東横線の混雑状況を時間帯・区間ごとに調査!
乗客の数は少なく、ラッシュ時に満員となる程度となっている。朝夕の通勤ラッシュの時間帯においても、極端に混雑するのは通過駅のある「通勤特急」と「急行」に偏っている。いずれも10両編成の運転が主流。
昼間や夜遅い時間帯となると、「特急」は立っている人が多いほど混雑している一方で、各駅停車では座席に空席があって座れることが多い。
下りの場合は渋谷駅から乗っても、各駅停車だと座れることが多い。副都心線からの直通列車でも各駅停車なら座れる。
上りの場合は、横浜駅でも昼間や夜遅くなら空席がある。みなとみらい線から直通する電車だが、座席に余裕があるほど空いているというわけだ。
各停はほとんどが自由が丘や元住吉、菊名にて後続の優等列車に抜かれる。そんな事情から、短距離利用者が中心となり、需要が少ない。
需要が少ないということで、供給もそれほどいらない。その結果、8両編成で間に合っているというわけだ。
すべての電車を10両編成化しない理由はここにある。なお、直通先の副都心線においても、各停は8両編成で間に合っていることが少なくない。
駅ホームも2両分足りない
特急と急行が停車する大きな駅では、ホームは10両編成分用意されている。しかし、各停しか停車しない小さな駅は8両分にしか対応していない。
現在は緊急時に10両編成の電車も小さな駅に止まれるように簡易型のホームが順次増設されている。
ただ、それでも完全なホームとはなっていない。あくまでも仮設設備のような形となっている。
小さな駅にも停車する各駅停車に10両編成の運用を充てる予定がないことには変わりない。今後も8両編成での運転が続くだろう。
なお、特急は他の種別と比べて大幅に混雑する。停車駅が少ない分、長い距離を移動する人はどうしても特急に殺到。そのため、需要が大きく8両編成では輸送力不足に陥る。
さらに、副都心線を介して直通する西武池袋線や東武東上線では、10両編成での運転が主流となっている。それに合わせるためにも、東急東横線の特急は10両化されたという背景がある。
副都心線との相互直通運転が始まった2013年3月より以前は、東急東横線は特急を含むすべて8両編成で運転されていた。当時はそれでも間に合っていたのは事実。