東京メトロ副都心線の混雑状況について、各駅停車と急行では差が大きいのだろうか。また、朝ラッシュ時の満員電車の激しさはどのくらいなのか。
2013年3月の東急東横線との直通運転開始に伴い、利用者数は大幅に増加。渋谷駅を通しで乗ることができるようになったため、新宿や池袋方面から武蔵小杉、横浜方面に向かう人が利用し始めたことにより、副都心線全体の混雑度は一気にアップした。
急行はいつも満席
副都心線は地下鉄の中では珍しく優等列車である「急行」が走っている。停車駅は大きな駅に限定され、速達性に優れた電車であることは間違いない。日中の時間帯では1時間に4本、15分間隔で運転されている。
2本は西武池袋線に直通し、残りの2本は東武東上線に直通する。小竹向原駅からそれぞれ分岐し、東武線へ行く電車は引き続き副都心線内を和光市まで走る。西武線へ行くものは、西武有楽町線に入って練馬駅から池袋線内に合流する。
直通先からの利用者で副都心線内に用事がある人の多くは急行を利用する。そのため、各駅停車よりも混雑するのは間違いない。
各停であれば、日中の閑散とした時間帯であれば座席が空いていて座れる可能性はかなり高い。しかし、急行の場合はほぼ満席となっている。座りたくても座れないことが多く、せきとりはかなり難しい。
朝ラッシュはどう?
朝ラッシュの場合、すべての電車が満員なのはもはや避けられない。ただし、その混雑度の規模は地下鉄の中では緩いほうではある。
副都心線の場合、全線に渡って並行して走る鉄道がある。渋谷から池袋にかけてはJR山手線と埼京線が走っている。
運行本数もJRの方が多く、駅の利便性も地下鉄より良い。池袋から和光市までは東武東上線が並行して走っている。
副都心線にわざわざ乗らなくても代替手段があるのが他の地下鉄路線とは異なる点である。また、郊外から都心へアクセスするというよりは、都心間をむすぶという性質の方が大きい。
そんな独特の特徴から、ラッシュの時間帯でも混雑はあまり激しくはないといえる。
和光市~小竹向原は有楽町線ユーザーで混雑
ただ、和光市駅~小竹向原駅までの区間は混雑する傾向にある。東武東上線と並行する区間だが、東武線内からの利用者や途中駅から都心へ向かう人が多く乗ってくる。
ただ、副都心線の単独区間新宿三丁目や渋谷まで行く人よりも、有楽町線で新木場方面へ向かう人で多くなる。和光市~小竹向原間は有楽町線と線路を共有している。そして、小竹向原駅にて西武池袋線から有楽町線へ直通する電車と接続する。
有楽町線を使う人は、小竹向原駅にて乗り換える。副都心線の渋谷方面へ向かう電車は、この駅では乗ってくる人よりも降りていく人の方が多いため、小竹向原~渋谷間は朝ラッシュとしてはそれほど混雑しない。
東急東横線内からの副都心線直通列車についても、渋谷から先の区間では一気に混雑が和らぐ。多くの人が渋谷駅で下車するためだ。
新宿三丁目駅や池袋まで行く人は、渋谷駅と比べると少ない。特に、新宿に関してはJR新宿駅の方が便利な場合が多い。副都心線はあくまでも「新宿三丁目」であり、JRや小田急、京王の駅とは離れている。
そのため、渋谷駅にてJR山手線に乗り換える人も少なくないようだ。これにより、北行きも、朝ラッシュでも混雑はそれほど激しくはない。