東京メトロ副都心線の朝ラッシュにおいてはどれくらいの混雑になるのか。具体的に満員電車の中でもレベル別ではどの位置に入るのか。
通勤ラッシュの時間帯は7時台の後半から8時台前半にかけてがピークを迎える。乗車率が最も混雑する区間でおよそ140%に達する。
首都圏の各路線と比較すると緩やかな混み具合と言えるレベルになる。ただし、東京メトロの中では最も混雑度が低い路線となっている。
都営地下鉄を考慮しても、最も空いている路線が副都心線だ。
ただし、副都心線単独で電車に乗るという人はあまりいない。埼玉県内と神奈川県内では私鉄と相互直通運転を行っている。
副都心線内だけに限れば激しくない混雑でも、混み合った車内は長く続く。
目次
時間帯ごとの混雑度
<新宿三丁目駅にて調査> | |||
時間帯 | 混雑度 | 時間帯 | 混雑度 |
6:00-6:30 | 2 | 8:30-9:00 | 5 |
6:30-7:00 | 3 | 9:00-9:30 | 4 |
7:00-7:30 | 3 | 9:30-10:00 | 3 |
7:30-8:00 | 4 | 10:00-10:30 | 3 |
8:00-8:30 | 5 | 10:30-11:00 | 2 |
各段階ごとの混雑率の目安
5:180%
4:120%
3:100%
2:80%
1:50%
新宿三丁目駅で副都心線の朝ラッシュの混雑度を観察すると、上のような結果になった。
言うまでもないが、7:30~9:00が朝ラッシュのコアタイムになる。もっと局所的に視点を絞ると、午前8時00分から8時45分頃までの時間帯が最も混み合うピークの時間帯になる。
朝夕を含めると1日の中での通勤ラッシュのピークとなるのは以下になる。
- 朝:8:00~9:00
- 夕方・夜:17:30~18:30
この1時間の間の時間帯はそれぞれ通勤通学で最も乗客が殺到するときになる。
東京メトロの中では混雑率が140%台と最下位で比較的空いている副都心線でも、さすがにこのようなピークにおいては満員電車になるのは避けられない。
路線名 | 混雑率 | 最混雑区間 |
---|---|---|
銀座線 | 157% | 赤坂見附→溜池山王 |
丸ノ内線 | 161% | 新大塚→茗荷谷 |
日比谷線 | 164% | 三ノ輪→入谷 |
東西線 | 199% | 木場→門前仲町 |
千代田線 | 178% | 町屋→西日暮里 |
有楽町線 | 159% | 東池袋→護国寺 |
半蔵門線 | 170% | 渋谷→表参道 |
南北線 | 153% | 駒込→本駒込 |
副都心線 | 146% | 要町→池袋 |
浅草線 | 129% | 浅草橋→日本橋 |
新宿線 | 158% | 西大島→住吉 |
三田線 | 156% | 西巣鴨→巣鴨 |
大江戸線 | 155% | 中井→東中野 |
東京23区内を走る地下鉄路線については上記で解説。
<参考元:国土交通省の混雑率等の統計情報、大手民鉄データブック(日本民鉄協会)>
6時台は空いている
早朝に当たる6時台ならまだ満員電車というほどではない。副都心線はもともと比較的空いている路線のため、7時前であれば立っている人よりも座っている人の方が多いレベルである。
副都心線の延長部分である東急東横線、西武池袋線、東武東上線だと6時台でもやや混んでいるが、副都心線単独で見るとあくまでも都心部を中心に走っていることもあって、まだ混雑のピークからは程遠い。
この時間帯からすでに通勤通学のために電車に乗っている人は決して少ないわけではないとはいえ、朝ラッシュとしてみるならまだ本格的な「ラッシュ」ではない。
さらに、和光市→小竹向原の区間のような都心方面へ向かう電車ではすでに混み合っている。
7時台は若干混雑
7時台になるとどこの路線でもいよいよ朝ラッシュがスタートする。ピークこそは8時台が主役だが、7時台でも満員電車の要件は満たすほど。さすがに副都心線でも7時以降だと空いているとは言い難い。
南行の電車は和光市→小竹向原で混雑がひどい。北行は渋谷→新宿三丁目までが乗車率が高い区間になる。
各駅停車はそれほど高い乗車率にはならないが、通過駅の設定がある「通勤急行」だと激しい混み具合になる。
総合的にみると、7時台前半はドア付近でも窮屈感を感じるほどではない。他の人と接したり、スマホの操作が困難なほどではない。ただし、リュックは背負ったまま乗るのは難しいレベルではある。
7時台後半になれば、ドア付近ではスマホの操作すら難しくなってくる。手荷物は他の乗客に触れる可能性が大幅に上がる。特に通勤急行になると、すし詰め状態になり、ドア付近では他の乗客に触れる程度に達する。
8時台は朝ラッシュのピーク
8時台に入ると副都心線でも1日のピークに到達する。各駅停車・通勤急行のいずれも例外なく乗車率がひどい状態に達する。混み具合の目安は以下のようになる。
<8時台の副都心線の混み具合の目安>
- 通勤急行はドア付近は他の乗客と接する、スマホの操作は不可能
- 各駅停車なら車内奥なら比較的空間に余裕がある
- 手荷物はいずれの種別でも他人に触れる
- 積み残しは発生しない
ちょうど9時出勤の人が通勤手段として副都心線を使う。
西武池袋線・東武東上線内からは新宿三丁目駅や渋谷駅を目指す人たちが大量に乗ってくる。東急東横線内からは新宿三丁目駅、池袋駅へ向かう人が殺到する時間帯に当たる。
渋谷方面(南行)へ向かう電車は新宿三丁目駅まで、小竹向原・和光市方面(北行)へ向かう電車は池袋駅まで朝ラッシュならではの混雑が続く。
ドア付近は完全に窮屈感と圧迫感を感じるほどになる。スマホの操作が困難で、何も身動きが取れないほどと考えてよい。
通勤急行はかなり高い乗車率になる。混雑率=140~150%では済まないほど。ドア付近では完全に他の乗客と接する。最後に電車に乗りこむ人は無理矢理他の人たちを押し込んで乗らないといけないほどだ。最混雑区間だと乗車率は180%以上には達しているだろう。
各駅停車もドア付近ですし詰め状態とはならなくても、全員が吊革または手すりにつかまれるほどではない。ブレーキ制動時などで生じる電車の揺れに対して自分の足で我慢するしかない状態にもなる。
いずれの種別でも手荷物は他の人に触れるくらいの混み具合にはなる。それが8時台の副都心線の現状である。
区間ごとの混み具合
渋谷方面 | 和光市方面 | |||
通勤急行 | 各駅停車 | 通勤急行 | 各駅停車 | |
和光市~小竹向原 | ★★★★★ | ★★★★ | ★★ | ★ |
小竹向原~池袋 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★ | ★★ |
池袋~新宿三丁目 | ★★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★ |
新宿三丁目~渋谷 | ★★★★ | ★★ | ★★★★ | ★★★★ |
地下鉄副都心線は、朝ラッシュ時間帯は「通勤急行」という種別が走っている。小竹向原~渋谷間で通過駅の設定がある。
途中の停車駅は、池袋・新宿三丁目・明治神宮前の3駅のみ。速達性が高いことから、長距離移動の乗客はこの通勤急行に殺到する。
各駅停車はそれが止まらない駅を乗り降りする人と近距離利用者が多く、混雑度も低い。車内空間に余裕がある。
<直通先の混み具合の事情>
<参考元:国土交通省の混雑率等の統計情報、交通関係資料集(神奈川県)、大手民鉄データブック(日本民鉄協会)>
渋谷方面(南行)
<渋谷方面の混み具合> | ||
区間 | 通勤急行 | 各駅停車 |
和光市~地下鉄成増 | ★★★★ | ★★ |
地下鉄成増~小竹向原 | ★★★★★ | ★★★★ |
小竹向原~池袋 | ★★★★★ | ★★★★★ |
池袋~東新宿 | ★★★★★ | ★★★★ |
東新宿~新宿三丁目 | ★★★ | |
新宿三丁目~明治神宮前 | ★★★★ | ★★★ |
明治神宮前~渋谷 | ★★ |
各段階ごとの混雑率の目安
★★★★★:150%以上
★★★★:120%
★★★:100%
★★:80%
★:50%
渋谷方面へ向かう南行の副都心線は、種別による違いが特に大きい。小竹向原→渋谷で通過駅の設定がある「通勤急行」に混雑が偏っている。
各駅停車は小竹向原駅や池袋駅辺りまでが混雑のピークである。池袋駅から先は乗り降りが激しくなる。
小竹向原駅では西武池袋線からの直通列車も合流。同時に副都心線と有楽町線が枝分かれする分岐点でもある。ここで一定の乗客の乗り降りが生じる。
東新宿駅や新宿三丁目駅からは空いてくる。座れる人も多くなり、朝ラッシュのピーク区間は通り越している。
小竹向原・和光市方面(北行)
<渋谷方面の混み具合> | ||
区間 | 通勤急行 | 各駅停車 |
渋谷~明治神宮前 | ★★★★★ | ★★★★★ |
明治神宮前~北参道 | ★★★★★ | ★★★★ |
北参道~新宿三丁目 | ★★★★★ | ★★★★ |
新宿三丁目~東新宿 | ★★★★ | ★★★ |
東新宿~池袋 | ★★★ | |
池袋~小竹向原 | ★★★ | ★★ |
小竹向原~和光市 | ★★ | ★ |
各段階ごとの混雑率の目安
★★★★★:150%以上
★★★★:120%
★★★:100%
★★:80%
★:50%
小竹向原・和光市方面へ向かう南行の副都心線を見ると、混雑が長く続くわけではない。「通勤急行」に混雑が偏っている点は同じだが、新宿三丁目駅とその前後までと短い。
各駅停車は明治神宮前駅からはひたすら降りていく一方になる。
小竹向原駅では西武池袋線へ直通する列車と和光市方面へ行く電車が分岐する。有楽町線からの電車も合流するが、朝は下り列車という性質から空いている。
小竹向原駅からは西武線の練馬・所沢方面も和光市方面のいずれも座れる確率が高い。
要町→池袋間が最混雑区間
国土交通省によると、東京メトロ副都心線の混雑が最も激しいのは要町→池袋の区間とされている。
混雑率は145~150%程度で毎年推移している。朝の時間帯は郊外から都心部へ向かって人が流れていく。池袋駅が乗り換え駅で最初の大きな降車駅である。
これによって、都心部と郊外部の境界となる要町→池袋間が最混雑区間となっている。ただ、実際には小竹向原→池袋間で最大値に達すると考えてよい。
渋谷側に関しては、北行の電車の最混雑区間は渋谷→明治神宮前間である。こちらは、それほど激しい混雑にはならない。
東急東横線からの直通列車がそのまま副都心線へ乗り入れているが、東横線内からの乗客は渋谷駅で降りていく人が多数派。
しかも渋谷から池袋へかけての部分はJR山手線などと並行する区間。JRと東京メトロで流れが分散している。極端に混まない理由になっている。
通勤急行が激混み
他の地下鉄とは違って、副都心線では急行が運転されている。朝の通勤ラッシュの時間帯でも「通勤急行」が運転されている。
乗客の多くはこの通勤急行に集中する。このため、通勤急行は確実に乗車率が140%になる。池袋駅ではある程度の乗客が降りていくものの、乗ってくる乗客も多い。
新宿三丁目駅や渋谷駅を最終目的地とする乗客が少なくない。こうした大きな駅で降りる人は通勤急行を選ぶ。
各駅停車であれば、最初は満員電車という点では同じで座れないとしても、途中駅で座れる可能性が高い。座れる希望が持てないのは、あくまでも池袋以北のみ。
池袋駅を過ぎて渋谷方面へ向かえば、駅に停車するたびに着席のチャンスが到来する。
通勤急行は回転が悪く、しかも停車駅が少ないため、座れるチャンスがほとんどない。西武池袋線からでも和光市始発、あるいは東武東上線からの電車でも違いはない。
他の路線の混雑状況
接続駅 | 路線 |
<西武秩父線へ> | |
和光市 | ⇒東武東上線へ直通 |
小竹向原駅 | 有楽町線
⇒西武池袋線へ直通 |
池袋 | 山手線、埼京線、湘南新宿ライン |
雑司ヶ谷 | 都電荒川線 |
新宿三丁目 | 丸ノ内線
<新宿駅> |
明治神宮前 | 千代田線 |
渋谷 | 東急田園都市線、京王井の頭線、半蔵門線、銀座線 |
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鉄道事業者 | 路線名 |
---|---|
★特集 | 【コロナ期間】首都圏の主要鉄道路線の混雑率の調査結果 |
JR東日本 | 山手線、京浜東北線、中央総武緩行線 東海道線、横須賀線、総武線快速、京葉線、常磐線快速、宇都宮線、高崎線、埼京線、中央線快速 武蔵野線、南武線、横浜線、内房線、外房線 (直通サービス:湘南新宿ライン、上野東京ライン) |
東京メトロ | 銀座線、丸ノ内線、日比谷線、東西線、千代田線、有楽町線、半蔵門線、南北線、副都心線 |
都営地下鉄 | 浅草線、新宿線、三田線、大江戸線、日暮里舎人ライナー |
京浜急行電鉄 | 京急本線 |
相模鉄道 | 相鉄本線、相鉄・JR直通線 |
東急電鉄 | 東横線、(みなとみらい線)、田園都市線、目黒線、大井町線、池上線 |
小田急電鉄 | 小田原線、江ノ島線 |
京王電鉄 | 京王線、井の頭線、相模原線 |
西武鉄道 | 新宿線、池袋線 |
東武鉄道 | 東上線、スカイツリーライン、アーバンパークライン |
京成電鉄 | 京成本線、押上線 |
横浜市営地下鉄 | ブルーライン、グリーンライン |
その他 | つくばエクスプレス、東葉高速鉄道、北総鉄道、新京成線、埼玉高速鉄道、東京モノレール、ゆりかもめ、湘南モノレール、江ノ島電鉄線 |
混雑の目安については『【レベル別】鉄道の混雑率の目安! 数値ごとの体感』にて解説。