東急目黒線の朝ラッシュの混雑状況を時間帯および区間ごとに調査してみた。急行と各駅停車ではそれぞれどれくらいの混み具合になるのか。
国土交通省から公表されている鉄道路線ごとの混雑率の調査によると、目黒線では毎年約170%前後で推移している。1列車当たり6両編成と短いこともあって、首都圏でも上位レベルになる。
種別ごとでは「急行」が際立って混み合う。武蔵小杉→目黒で乗車率が最大値になる。非公式データによれば、その数値はおよそ200%にも達するとされている。
目次
時間帯ごとの混み具合
<目黒駅にて調査> | |||
時間帯 | 混雑度 | 時間帯 | 混雑度 |
---|---|---|---|
6:00-6:30 | 2 | 8:30-9:00 | 5 |
6:30-7:00 | 3 | 9:00-9:30 | 4 |
7:00-7:30 | 4 | 9:30-10:00 | 3 |
7:30-8:00 | 5 | 10:00-10:30 | 3 |
8:00-8:30 | 5 | 10:30-11:00 | 3 |
東急目黒線は目黒駅に到着する電車が一番混み合っている。そのため、調査する駅もここにした。
今回は朝ラッシュの7~9時とその前後を対象とするため、午前中いっぱいの混み具合を対象としたが、結果は東横線とほぼ同じ形になった。
参照:【朝ラッシュ】東急東横線の混雑状況を時間帯・区間ごとに調査!
6時台はガラガラ
早朝の時間帯になる6時台はまだガラガラ状態。
ほぼすべての電車が各駅停車のみの時間帯ということで、列車ごとの混雑差もない。
武蔵小杉駅までの乗車であれば、上り方面でも座席に座れる可能性がかなり高い。
まだ大半の沿線の住民で東急目黒線を使って都心部へ移動する人が電車には乗らない時間帯であるため、早朝はゆとりがあるといえる。
7時台が徐々に満員に
7時台の前半はまだまだ車内空間に余裕がある。首都圏上位クラスの混雑率の東急目黒線も、7時半以前は苦痛の満員電車ではない。
さすがに、武蔵小山→目黒間になると乗車率が100%かそれ以上になり、座れない人が大勢いることには変わりないものの、8時台よりは大幅に空いている。
乗客が集中しやすい急行でも、ドア付近であってもほかの人と接するような激しい混み具合にはまずならない。
各駅停車に至ってはさらに空いている。座っている人の方が立っている人よりも多いという状態も時々見かける。
7:45~8:30が混雑のピーク
朝ラッシュのピークは7時台後半8時台前半にやってくる。もっと詳細に言うと、7:45~8:30頃に目黒駅に到着する電車が最も混み合う。
この時間帯は1日の中で最も乗客数が多くなる時である。超満員電車となって、地獄の通勤ラッシュの典型的な画になる。
同じ東急電鉄の東横線や田園都市線と同じ時間帯になる。東急目黒線は都心直結型の路線で、しかも東京メトロ南北線・都営三田線の地下鉄2路線と相互直通運転を実施しているため、乗客の流れはこれらと同じである。
>>都営三田線の混雑率は!? 朝と夕方のラッシュの時間帯は?
>>東京メトロ南北線の朝ラッシュの混雑状況を時間帯・区間ごとに調査!
8:30を過ぎるとようやく朝ラッシュが落ち着いてくる。目黒駅に到着する上り電車も徐々に混雑が緩和されていく。
目黒線内は全駅ひたすら乗客が乗ってくる一方であるため、最初にまとまった数の乗客が降りていくのは目黒駅が最初である。
9時以降
9時過ぎになると、東急目黒線でも朝の混雑は徐々に解消へと向かう。
各駅停車であれば体も荷物も他の乗客へ触れることはほとんどない。
急行は多くの人達が殺到する性質から、9時台ではまだドア付近で荷物が他人へ触れるほどの混み具合ではある。
本格的に昼間の空いている時間帯がやってくるのは10時以降。
なお、急行でさえも全員が座れるほどのガラガラ状態の状態になるのは12時頃になってからの話。
区間・種別ごとの混雑
区間 | 急行 | 各駅停車 |
日吉~武蔵小杉 | ★★★ | ★ |
武蔵小杉~多摩川 | ★★★ | ★★ |
多摩川~田園調布 | ★★★★ | ★★★ |
田園調布~大岡山 | ★★★★ | ★★★ |
大岡山~武蔵小山 | ★★★★★ | ★★★★ |
武蔵小山~目黒 | ★★★★★ | ★★★★★ |
<参考元:東急電鉄『分散乗車とオフピーク通勤・通学にご協力ください』>
東急目黒線の駅間ごとの混雑状況は上記の表のようになる。
目黒駅に近づくほど乗車率が上がるのがわかる。
より詳しい区間毎の混み具合に関しては、次の項目にて取り上げる。
上り列車(目黒方面)
区間 | 急行 | 各駅停車 |
---|---|---|
日吉~元住吉 | ★★ | ★ |
元住吉~武蔵小杉 | ★★ | |
武蔵小杉~新丸子 | ★★★★ | ★★★ |
新丸子~多摩川 | ★★★ | |
多摩川~田園調布 | ★★★★ | ★★★ |
田園調布~奥沢 | ★★★★ | ★★★★ |
奥沢~大岡山 | ★★★★ | |
大岡山~洗足 | ★★★★★ | ★★★★ |
洗足~西小山 | ★★★★ | |
西小山~武蔵小山 | ★★★★★ | |
武蔵小山~不動前 | ★★★★★ | ★★★★ |
不動前~中目黒 | ★★★★★ | |
<東京メトロ南北線(さらには埼玉高速鉄道線)、都営三田線へ直通運転> |
各段階ごとの混雑率の目安
★★★★★:150%以上
★★★★:120%
★★★:100%
★★:80%
★:50%
朝ラッシュの上り方面の各種別の区間ごとの混雑状況を示した表。
急行・各駅停車では明らかに通過駅のある急行の方が混雑が激しい。
通過駅の数は6駅にとどまるものの、所要時間が短い電車に誰もが乗りたいという考えを持っているため、混雑差は大きい。
日吉駅の時点でもすでに立っている人が多い状態。武蔵小杉駅からすでに満員電車。ドア付近だと荷物が触れ合うレベルに達する。
そして、大岡山駅では大井町線からの乗り換え客が集まって、乗客同士が接するほどの乗車率に発展。
下り列車(日吉方面)
区間 | 急行 | 各駅停車 |
---|---|---|
目黒~不動前 | ★★★ | ★★ |
不動前~武蔵小山 | ★★ | |
武蔵小山~西小山 | ★★★ | ★ |
西小山~洗足 | ★ | |
洗足~大岡山 | ★ | |
大岡山~奥沢 | ★★ | ★ |
奥沢~田園調布 | ★ | |
田園調布~多摩川 | ★★ | ★ |
多摩川~新丸子 | ★ | ★ |
新丸子~武蔵小杉 | ★ | |
武蔵小杉~元住吉 | ★ | ★ |
元住吉~日吉 | ★ |
各段階ごとの混雑率の目安
★★★★★:150%以上
★★★★:120%
★★★:100%
★★:80%
★:50%
東急目黒線の下り方面の各種別の区間ごとの混雑状況を示した表。急行・各駅停車それぞれこのような結果になった。
上り方面と比べて大幅に空いている。急行でさえ目黒→大岡山は座れない可能性が高いものの、ここから先は座れる確率が高い。
立っている人よりも座れる人の方が多い。
全区間を通して、ドア付近で立っていたとしても荷物が他の乗客に触れることはまずなく、リュックを背負ったまま乗車できるレベルでもある。
各駅停車に至っては全区間座れる確率の方が高い。
全体的な傾向
東急目黒線の朝の混雑といえば
- 混雑率は「急行>各停」
- ほとんどの乗客は目黒駅または地下鉄内まで
- 武蔵小杉駅、大岡山駅から大量に乗車
東急目黒線の朝ラッシュの全体的な傾向はこのようになる。
朝ラッシュは急行が大混雑
東急目黒線の朝ラッシュの時間帯では、昼間と同じように各駅停車に加えて急行が運転されている。唯一の優等列車であるが、混み具合はかなりの激しさになる。
各駅停車の乗車率はピーク時では160%程度が上限であるが、急行に限った話では200%近くに達する。
<乗車率の目安>
- 各駅停車:160%(首都圏の標準レベル)
- 急行:200%(混雑率トップの鉄道路線レベル)
ドア付近では確実に隣りの人と体が接するほどの混雑のレベルである。車内奥の部分でさえ空間には余裕がなく、他人と接する可能性が結構高い。
急行の場合、関東地区でもひどい混雑になると有名な東急田園都市線よりもひどい数値になるといってもよいだろう。
田園都市線は混雑率180~190%でここ最近は推移しているが、二子玉川→渋谷間では朝ラッシュでは全種別各駅停車になるため、混雑が均一になる。(急行が準急として運転されるため)
それに比べて目黒線は種別ごとに偏りがある。圧倒的に急行が混み合うのが特徴と判断できる。
武蔵小杉駅と大岡山駅から大量乗車
目黒線は路線距離が短いため、乗車駅の数は限られる。武蔵小杉駅と大岡山駅からの乗車が特に多い。
これら2駅で集中的に混雑が一瞬にしてアップする場所である。これには大きな理由がある。
- 武蔵小杉:東横線・JR南武線からの大量の乗換客が殺到。
- 大岡山駅:大井町線からの乗換客が殺到。田園都市線からの乗客も多い。
武蔵小杉駅では駅周辺の住民に加えて東横線からの乗り換え客が目黒線に乗り換える。さらにJR南武線からも大量に人が流れてくる。
大岡山駅では東急大井町線からの乗り換えのため、一気に混雑度が増す。急行は目黒駅をはじめとする都心部まで最も所要時間が少ないため、乗客の集中が避けられない。
>>東急大井町線の通勤ラッシュの混雑状況を時間帯・区間ごとに調査!
そして、上記で述べた通り目黒駅に7:45~8:30前後に到着する電車が最も混んでいる。200%という数値が出てくるのもこのころになる。
他の路線の混雑状況
接続駅 | 路線 |
<相鉄新横浜線へ直通予定> | |
日吉 | 横浜市営地下鉄グリーンライン、東急東横線 |
武蔵小杉 | 横須賀線、湘南新宿ライン、南武線 |
多摩川 | 東急多摩川線 |
田園調布 | 東横線(渋谷方面) |
大岡山 | 東急大井町線 |
目黒 | 山手線 |
<東京メトロ南北線、都営三田線へ直通> |
参照:【首都圏編】関東地区の鉄道路線の混雑率をランキング化!
上記の表は目黒線と接続する各路線の混雑状況について。さらに首都圏エリアの他の鉄道網の朝ラッシュ時の混み具合についても取り上げる。
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★特集 | 【コロナ期間】首都圏の主要鉄道路線の混雑率の調査結果 |
JR東日本 | 山手線、京浜東北線、中央総武緩行線 東海道線、横須賀線、総武線快速、京葉線、常磐線快速、宇都宮線、高崎線、埼京線、中央線快速 武蔵野線、南武線、横浜線、内房線、外房線 (直通サービス:湘南新宿ライン、上野東京ライン) |
東京メトロ | 銀座線、丸ノ内線、日比谷線、東西線、千代田線、有楽町線、半蔵門線、南北線、副都心線 |
都営地下鉄 | 浅草線、新宿線、三田線、大江戸線、日暮里舎人ライナー |
京浜急行電鉄 | 京急本線 |
相模鉄道 | 相鉄本線、相鉄・JR直通線 |
東急電鉄 | 東横線、(みなとみらい線)、田園都市線、目黒線、大井町線、池上線 |
小田急電鉄 | 小田原線、江ノ島線 |
京王電鉄 | 京王線、井の頭線、相模原線 |
西武鉄道 | 新宿線、池袋線 |
東武鉄道 | 東上線、スカイツリーライン、アーバンパークライン |
京成電鉄 | 京成本線、押上線 |
横浜市営地下鉄 | ブルーライン、グリーンライン |
その他 | つくばエクスプレス、東葉高速鉄道、北総鉄道、新京成線、埼玉高速鉄道、東京モノレール、ゆりかもめ、湘南モノレール、江ノ島電鉄線 |
混雑の目安については『【レベル別】鉄道の混雑率の目安! 数値ごとの体感』にて解説。