京王線の混雑のピークを迎える時間帯とは何時ごろなのか。そして、混み具合の具体的な目安として乗車率はいくつに達するのか。朝と夕方のラッシュをはじめ、各時間ごとに上り・下りそれぞれを調査してみた。
終日に渡って優等列車の運転があり、代表的な種別といえば特急・準特急だといえる。速達性が高い一方で、長距離利用者が殺到することから、特に満員になりやすい。
午前中いっぱいは新宿方面の上りが、夕方以降は京王八王子・橋本方面の下りの電車の混雑が目立つ。他の首都圏の通勤型路線と同じ。
目次
上りのピークは7:00~8:30
時間帯(AM) | 混雑度 | 時間帯(PM) | 混雑度 |
6-7時 | ★★★★ | 12-16時 | ★ |
7-8時 | ★★★★★ | 16-17時 | ★★ |
8-9時 | ★★★★★ | 17-18時 | ★★★ |
9-10時 | ★★★★ | 18-20時 | ★★★ |
10-12 | ★★★ | 20-22時 | ★★ |
京王線の上り線の混雑のピークは7:00~8:30の時間帯である。平日の朝ラッシュの90分ということで、どの列車もものすごく混み合う。
最混雑区間こそは上北沢→笹塚となっているものの、調布~新宿では全区間で超満員電車となる。
<各時間帯の混雑の目安>
- 6時台:座席はすべて埋まり、立っている人がいる
- 7時台:次第に朝ラッシュのピークの混雑へ向かう
- 8時台:混雑のピークで超満員
- 9時台:まだまだ混雑が続く
- 10時台:日中のオフピークの時間帯に突入
優等列車の特急・急行という名前が付く列車は特に長い時間帯に渡ってすし詰め状態が続く。「特急」と「準特急」がこれに該当する。乗車率は180%は超えるだろう。
各駅停車は混雑のピークは千歳烏山→明大前の区間に限られる。急行以上は調布→明大前で区間が長い。しかも、混雑そのものは調布駅よりはるか手前から続く。
区間急行もその次に停車駅が少ないため、すし詰め状態になる区間はやや短いものの、それでも最終的には超満員になるのは避けられない。同じく乗車率は180%近くになるのは確実。
8:30以降になれば次第に朝ラッシュの混雑が和らいでくる。それでも9時台いっぱいまでは上り列車の特有の激しい混雑は続く。
10時台になるとようやく閑散とした日中のオフピークの状態が始まる。
6時台はまだ空いているが
京王線の始発から6時台までの電車は新宿方面へ向かう列車でも比較的空いている。
この時間帯はまだ早朝であるため、通勤通学の人たちがまだ本格的に移動する時ではない。
他の路線と比べても、早朝の時間ではまだ混み具合は「ふつう」に当たる。通過駅がある急行などの優等列車でも、ドア付近で乗客同士が触れ合うようなものにはならない。
ただし、調布→新宿の区間では立っている人の方が数的に多い状態にはなる。
全員が座れるのは京王線(本線)だと府中駅付近までが限界。ここより先の都心に近い部分は優等列車ではまず座れない。
緩急接続を行った直後の各駅停車、京王相模原線の区間くらいに限られる。
7時台はもう満員
7時台になるとどこの路線でもいよいよ朝ラッシュがスタートする。
京王線は都心から郊外へ放射状に延びる路線のため、ピークはすでに7時台後半からスタートして8時台で最高値を記録するような感じになる。
準特急、急行、区間急行では、明大前駅に到着する上り電車を見ると、ドア付近ではかなり人口密度が高い状態になっている。
乗客同士が接するかどうかは微妙だが、荷物は確実に他人に触れるほどの乗車率には達している。
リュックを背負ったまま乗るのは100%不可能なほどの混み具合。
車内でできることは、スマホの操作がギリギリというところだ。
新聞や雑誌を読む人は最近は少ないが、これは京王線の7時台の電車では、準特急、急行、区間急行は不可能。できるとしたら各駅停車くらいだろう。
8時台は朝ラッシュのピーク
8時台はもはた朝ラッシュのピークである。上りの新宿方面へ行く電車はどの種別も例外なく完全に満員電車。
急行・区間急行の優等列車では、明大前駅に到着する上り電車を見ると、ドア付近では乗客同士が完全に接する状態になっている。
車内奥は若干緩やかだが、それでもスマホの操作がギリギリできるかできないか微妙な程度ではある。
ドア付近でのスマホ操作は不可能。ただひたすら次の駅に到着するのを我慢するしかない。
各駅停車は乗客同士が触れ合う最悪のレベルではないものの、荷物は他の人に接するくらいにはなっている。
最も乗車率が低い各停でさえ、ドア付近でスマホの操作がギリギリとできるかできないかといった水準である。
国土交通省が毎年公表としている鉄道路線ごとの混雑率のデータ上では、京王線は最大で160~170%(下高井戸→明大前)という結果が出ている。
だが、これはあくまでもすべての種別を総合的にみた場合の数値に過ぎない。
他の路線と共通する点だが、実際には優等列車と各駅停車で大きな乗車率の差が見られる。
準特急・急行・区間急行に混雑が偏っている。ゆえに、少なくとも体感では混雑率200%台が1つの目安になるだろう。
下りのピークは18:00~20:00の2時間
時間帯(AM) | 混雑度 | 時間帯(PM) | 混雑度 |
6-7時 | ★ | 12-16時 | ★ |
7-8時 | ★★★ | 16-17時 | ★★★ |
8-9時 | ★★★ | 17-18時 | ★★★★ |
9-10時 | ★★ | 18-20時 | ★★★★★ |
10-12 | ★ | 20-22時 | ★★★★ |
京王線の下り列車の混雑のピークは帰宅ラッシュに当たる夕方の18:00から夜の20:00までの時間帯である。
都心部から郊外の沿線の自宅まで帰る人で混み合うのは言うまでもない。朝ラッシュの逆バージョンと考えて問題ない。
各列車の乗車率については、特急と準特急は180%になることがある。急行以下は150%程度と考えてよい。激しい混雑が続くのは調布駅までである。
それを過ぎても座れない人の数は依然として多い車内が続く。京王線の八王子方面も相模原線の橋本方面も同じ。
停車駅が多い種別ほど混雑が続く時間は短い。各駅停車になると短距離利用者が大半となるため、乗客の入れ替えが激しい。
新宿駅などの始発駅では座れなかった場合でも、どこか途中の駅で座れるチャンスがやってくる。
>>【帰宅ラッシュ】京王線の夕方・夜の混雑する時間帯・区間を調査
20時を過ぎると帰宅ラッシュのピークは落ち着いてひと段落する。しかし、帰宅する乗客で駅や電車が混んでいることには変わりない。
夜遅い時間帯へ入っても下りの乗車率は上りよりも大幅に高い。終電までは座れない電車内が続くのも事実である。
区間ごとの混雑状況
次に京王線の区間ごとの混雑状況について表にまとめた。
上記で述べた通り、最初に満員電車になるのは準特急・急行、その次に区間急行となる。
最後まで空いているのは各駅停車。しかし、それでも千歳烏山駅からは大混雑に発展し、空いている穴場ではなくなる。
<参考元:国土交通省の混雑率等の統計情報、大手民鉄データブック(日本民鉄協会)>
上り列車(新宿方面)
<上り電車> | |||
区間 | 急行(特急・準特急) | 区間急行 | 各駅停車 |
---|---|---|---|
高尾山口・八王子~北野 | ★★ | ★ | ★ |
北野~高幡不動 | ★★★ | ★★ | ★ |
高幡不動~聖蹟桜ヶ丘 | ★★★ | ★★★ | ★★ |
聖蹟桜ヶ丘~分倍河原 | ★★★★ | ★★★ | ★★★ |
分倍河原~府中 | ★★★★ | ★★★ | ★★★ |
府中~調布 | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
調布~つつじヶ丘 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★ |
つつじヶ丘~千歳烏山 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
千歳烏山~明大前 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
明大前~笹塚 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
笹塚~新宿 | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
各段階ごとの混雑率の目安
★★★★★:150%以上
★★★★:120%
★★★:100%
★★:80%
★:50%
聖蹟桜ヶ丘から高尾山口・京王八王子側の区間は東京都心である新宿駅からは離れているため、どの列車も乗車率は比較的低い。
一方で聖蹟桜ヶ丘駅から東側は混雑しやすい。特に京王相模原線と合流する調布駅~新宿駅の区間においてはどの列車も例外なく大混雑になる。
下り列車(京王八王子・高尾山口・橋本方面)
<下り電車> | |||
区間 | 特急・準特急・急行 | 区間急行 | 各駅停車 |
---|---|---|---|
新宿~明大前 | ★★★ | ★★ | ★★ |
明大前~千歳烏山 | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
千歳烏山~つつじヶ丘 | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
つつじヶ丘~調布 | ★★★★ | ★★★ | ★★★ |
調布~府中 | ★★★ | ★★★ | ★★ |
府中~分倍河原 | ★★★ | ★★ | ★★ |
分倍河原~聖蹟桜ヶ丘 | ★★ | ★★ | ★ |
聖蹟桜ヶ丘~高幡不動 | ★★ | ★ | ★ |
高幡不動~北野 | ★ | ★ | ★ |
北野~高尾山口・八王子 | ★ | ★ | ★ |
各段階ごとの混雑率の目安
★★★★★:150%以上
★★★★:120%
★★★:100%
★★:80%
★:50%
下りの京王八王子・高尾山口・橋本方面へ向かう電車では、特急・準特急などでも調布駅までが混雑区間。
それ以降は着席できる乗客の方が多い状態になる。
新宿→調布の部分でも上りのような満員電車にはならず、あくまでも立っている乗客が他の人とは触れ合うことなく乗車できるレベルに収まる。
特急・準特急だけ突出して混雑が続く
- 特急・準特急:激しい混雑+距離が長い
- 急行・区間急行:激しい混雑ーただし短い
- 各駅停車:空いている
ところで、京王線の中でも混雑がひどい種別は特急・準特急の2つだ。本数は優等列車としては決して少なくない。
朝ラッシュのピークである7時台後半から8時台前半は最上位種別が「急行」になるものの、それ以外の時間帯では終日特急・準特急が運転されている。
長い距離を移動する乗客向けの速達サービスであるが、これに混雑が集中する傾向が見られる。
10両編成での運転ということで決して短くはないものの、それでも輸送力不足の感じが漂うことは否定できない。
帰宅ラッシュの夕方と夜の時間帯も下りは輸送力不足といってよい。各駅停車なら空間に余裕が見られる。それに対して特急・準特急はまったく供給が追いついていない。
他の路線の混雑状況
接続駅 | 路線 |
八王子・高尾 | 中央線快速 |
高幡不動 | 多摩都市モノレール |
分倍河原 | 南武線 |
武蔵台 | 西武多摩川線 |
調布 | 京王相模原線 |
下高井戸 | 東急世田谷線 |
明大前 | 京王井の頭線 |
笹塚 | 京王新線(→都営新宿線へ直通) |
新宿 | 山手線、中央線快速、中央総武緩行線、埼京線、湘南新宿ライン |
参照:【首都圏編】関東地区の鉄道路線の混雑率をランキング化!
京王線以外の首都圏の鉄道路線の混雑の傾向について。都心直結するところほどひどい。
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鉄道事業者 | 路線名 |
---|---|
★特集 | 【コロナ期間】首都圏の主要鉄道路線の混雑率の調査結果 |
JR東日本 | 山手線、京浜東北線、中央総武緩行線 東海道線、横須賀線、総武線快速、京葉線、常磐線快速、宇都宮線、高崎線、埼京線、中央線快速 武蔵野線、南武線、横浜線、内房線、外房線 (直通サービス:湘南新宿ライン、上野東京ライン) |
東京メトロ | 銀座線、丸ノ内線、日比谷線、東西線、千代田線、有楽町線、半蔵門線、南北線、副都心線 |
都営地下鉄 | 浅草線、新宿線、三田線、大江戸線、日暮里舎人ライナー |
京浜急行電鉄 | 京急本線 |
相模鉄道 | 相鉄本線、相鉄・JR直通線 |
東急電鉄 | 東横線、(みなとみらい線)、田園都市線、目黒線、大井町線、池上線 |
小田急電鉄 | 小田原線、江ノ島線 |
京王電鉄 | 京王線、井の頭線、相模原線 |
西武鉄道 | 新宿線、池袋線 |
東武鉄道 | 東上線、スカイツリーライン、アーバンパークライン |
京成電鉄 | 京成本線、押上線 |
横浜市営地下鉄 | ブルーライン、グリーンライン |
その他 | つくばエクスプレス、東葉高速鉄道、北総鉄道、新京成線、埼玉高速鉄道、東京モノレール、ゆりかもめ、湘南モノレール、江ノ島電鉄線 |
混雑の目安については『【レベル別】鉄道の混雑率の目安! 数値ごとの体感』にて解説。