相鉄本線の朝ラッシュの混雑状況を時間帯および区間ごとに調査。ピークに達するのは7時半~8時台後半。
国土交通省は混雑率は最大135%(2018年データ)と公表。該当区間は西横浜→平沼橋。1日の中で最も電車が満員になり、このコアタイムにおける通勤通学は地獄になる。
横浜方面へ向かう電車が一番混雑する。下りの海老名・湘南台方面の電車も座席は満席となって混雑することには変わりないが、上り電車と比べると緩やかである。
混雑率の統計は全列車を総合的にみた場合のものだが、実際には列車種別(特急・急行・快速・各停)によって大きく異なる。
目次
時間帯ごとの混雑度
<横浜駅到着列車にて調査> | |||
時間帯 | 混雑度 | 時間帯 | 混雑度 |
---|---|---|---|
6:00-6:30 | 2 | 8:30-9:00 | 5 |
6:30-7:00 | 3 | 9:00-9:30 | 4 |
7:00-7:30 | 3 | 9:30-10:00 | 3 |
7:30-8:00 | 4 | 10:00-10:30 | 3 |
8:00-8:30 | 5 | 10:30-11:00 | 2 |
各段階ごとの混雑率の目安
5:150%以上
4:120%
3:100%
2:80%
1:50%
相鉄本線のターミナル駅である横浜駅で朝ラッシュの混雑度を観察すると、平日は概ね上のような結果になった。
言うまでもないが、7:30~9:30が朝ラッシュのコアタイムになる。
もっと局所的に視点を絞ると、午前8:15~8:45頃までの約30分間が時間帯が最も混み合うピークの時間帯になる。
朝夕を含めると1日の中での通勤ラッシュのピークとなるのは以下になる。
- 朝:7:30~9:30
- 夕方・夜:18:00~20:00
このおよそ2時間の時間帯はそれぞれ通勤通学で最も乗客が殺到するときになる。
相鉄本線自体は東京都心へ直結する路線ではないものの、非直結の路線の割にはかなり混み具合が激しい路線。首都圏でも意外と上位にランクインするほど。
6時台|空いている
早朝に当たる6時台ならまだ満員電車ではない。まだ出勤・登校のために家を出ていない人がほとんど。
7時前の時間帯であれば立っている人よりも座っている人の方が多いレベル。
特に海老名・湘南台→二俣川の区間は空いている。
ただし、本数そのものも少ないため、ガラガラなほど空いているわけではない。
7時台|ドア付近で荷物が触れ合う
7時台になるといよいよ朝ラッシュがスタートする。後半になるとピークの頂点に達し始める。
7時台の前半でも満員電車の要件は満たすほど。
<7時台の混み具合の目安>
- ドア付近は荷物が他人に触れるかも
- 車内奥は余裕あり
- スマホの操作は可能
相鉄本線、いずみ野線の沿線に住んでいて、東京都心や横浜市中心部へ向かう人はこの時間帯に電車に乗る(特に特急・急行などの優等列車へ)。
横浜行の電車は二俣川→横浜で混雑がひどい。
ドア付近でも窮屈感を感じるほどではない。他の人と接したり、スマホの操作が困難なほどではない。
ただし、リュックは背負ったまま乗るのは難しいレベルではある。
手荷物は他の乗客に触れる可能性が大幅に上がる。ドア付近では特に他人に荷物が当たることが多い。
そして、8時頃はドア付近では他の乗客に触れる程度に達する。
8時台|乗客同士が押し合う
8時台に入ると前半は1日のピークに到達。東神奈川方面へ向かう電車を中心に、ドア付近では必ず乗客同士が触れ合うほど。
<8時台の混み具合の目安>
- 手荷物は車内奥でも他人に触れる
- 優等列車はドア付近で押し合う
- ドア付近はスマホの操作は不可能
ちょうど9時出勤の人が通勤手段として相鉄本線を使う。
ドア付近は完全に窮屈感と圧迫感を感じるほどになる。ドア付近ではスマホの操作が困難。
ポケットやバッグからスマートフォンを取り出せる余裕がないほど、何も身動きが取れないほどと考えてよい。
車内奥でさえも手荷物は他の人に触れるほど。全員が吊革または手すりにつかまれるほどではない。
区間ごとの混み具合
相鉄本線の区間ごと混雑状況は上りと下りで全く異なる。<参考元:国土交通省の混雑率等の統計情報、交通関係資料集(神奈川県)>
朝ラッシュの場合だと、横浜方面の方が乗車率が高い一方、海老名・湘南台方面の電車もかなり混み合う。
ただ、下り列車でも沿線の工場へ出社する人達で一定は混雑する。
上り(横浜方面)
<上り:駅間別の混雑度> | ||||
区間 | 混み具合 | |||
---|---|---|---|---|
特急 | 急行 | 快速 | 各駅停車 | |
海老名~かしわ台 | ★★ | ★ | ★ | ★ |
かしわ台~さがみ野 | ★★ | ★★ | ★ | |
さがみ野~相模大塚 | ★★★ | ★★★ | ★★ | |
相模大塚~大和 | ★★★ | ★★★ | ★★ | |
大和~瀬谷 | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
瀬谷~三ツ境 | ★★★ | ★★★ | ★★★ | |
三ツ境~希望ヶ丘 | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ | |
希望ヶ丘~二俣川 | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ | |
二俣川~鶴ケ峰 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★ |
鶴ケ峰~西谷 | ★★★★ | ★★ | ||
西谷~上星川 | ★★★★★ | ★★★ | ||
上星川~和田町 | ★★★★★ | ★★★ | ||
和田町~星川 | ★★★★★ | ★★★ | ||
星川~天王町 | ★★★★★ | ★★★★ | ||
天王町~西横浜 | ★★★★ | |||
西横浜~平沼橋 | ★★★★ | |||
平沼橋~横浜 | ★★★★ |
各段階ごとの混雑率の目安
★★★★★:150%以上
★★★★:120%
★★★:100%
★★:80%
★:50%
横浜市行の電車は、基本的には乗ってくる一方である。
途中の大和駅、二俣川駅などでは一定数が降りていくものの、あくまでも路線または列車種別の乗り換えが目的。
終点の横浜駅まで満員電車が続く。西谷駅では相鉄・JR直通線が分岐するものの、過半数の乗客は横浜方面へ行く。
列車種別ごとでは、各駅停車はまだ比較的余裕が残っている一方、特急・急行・快速は通過駅が設定されているため、長距離利用者はこれらの列車種別に殺到。
混雑がこれらに集中することで、優等列車に限って混雑が激しいものになる。二俣川→横浜が最混雑区間。
下り(海老名・湘南台方面)
<下り:駅間別の混雑度> | ||||
区間 | 混み具合 | |||
---|---|---|---|---|
特急 | 急行 | 快速 | 各駅停車 | |
横浜~平沼橋 | ー | ★★★ | ★ ★★ ★★★ |
★★★ |
平沼橋~西横浜 | ★★★ | |||
西横浜~天王町 | ★★★ | |||
天王町~星川 | ★★★ | |||
星川~和田町 | ★★★ | ★★ | ||
和田町~上星川 | ★★ | |||
上星川~西谷 | ★★ | |||
西谷~鶴ヶ峰 | ★★ | |||
鶴ヶ峰~二俣川 | ★★ | |||
二俣川~希望ヶ丘 | ー | ★★★ | ★★ | |
希望ヶ丘~三ツ境 | ★★ | ★★ | ||
三ツ境~瀬谷 | ★★ | ★★ | ||
瀬谷~大和 | ★★ | ★★ | ||
大和~相模大塚 | ー | ★★ | ★ | |
相模大塚~さがみ野 | ★ | ★ | ||
さがみ野~かしわ台 | ★ | ★ | ||
かしわ台~海老名 | ★ | ★ |
各段階ごとの混雑率の目安
★★★★★:150%以上
★★★★:120%
★★★:100%
★★:80%
★:50%
海老名方面へ向かう下り電車は全区間に渡ってそれほど満員にはならない。比較的空いている傾向がある。
横浜駅からは郊外へ向けて出勤・登校する乗客は確かにいるものの、圧倒的に上りの方が混んでいる。
いずみ野線との分岐点である二俣川駅を過ぎると混雑が緩和。
基本的には始発から終点までひたすら降りていく一方。
優等列車はどれくらい混雑する?
相鉄線の特急と急行は、二俣川~横浜間はノンストップである。この間には8駅あるが、すべて通過となる。快速も途中の鶴ヶ峰と星川に停車するが、それ以外は通過となっている。
遠距離利用者が殺到する種別ということで、近距離利用者がほとんどである各駅停車よりも乗客の数が多い。乗降客数が多い海老名駅や大和駅のような主要駅を乗り降りする人も特急・急行・快速のいずれかに乗る。
乗車率は各駅停車よりも大きいのは確かだ。特に特急と急行については、二俣川~横浜間となると、朝ラッシュでは必ず満員電車になる。
6時台から9時台にかけては、間違いなく座れないと考えてよい。座席の空席に余裕が出てくるのは10時台になってからの日中の時間帯である。
私の感想ではあるが、特急と急行の朝の時間帯の乗車率は150~180%程度になる。相鉄線単独では東京都心へ乗り入れていないため、首都圏の他の私鉄と比べると混雑度が低いのは確かだが、それでも満員電車で不満を感じてしまうことには変わりない。
JR・東急線への直通後はどうなる?
相鉄では2019年からJR線との相互直通運転を開始。
西谷駅からは相鉄新横浜線の線路が分岐。混雑状況は横浜方面の本線とJR直通列車では大きな違いがある。
>>相鉄・JR直通線の朝ラッシュの混雑状況を時間帯・区間ごとに調査!
また、東急東横線・目黒線とも2022年度から直通運転を行う予定がある。
いずれも連絡線を建設して東京都心へ乗り入れる見込みとなっているが、これが完成すれば今の相鉄線の混雑状況に変化が起きる可能性が非常に高い。
今のところ、相鉄線の朝ラッシュは横浜方面へ向かう電車が混んでいる。上り電車の利用者の最終目的地は横浜駅である割合が大きい。
しかし、JR・東急との相互直通運転が始まれば、都心方面を目指して直通先へ乗客が流れると考えられる。そうなると、横浜方面へ向かう人は相対的に減少する。
今は混雑が激しいとはいえ、JR・東急側へ人の流れが移ることで、横浜方面の電車は混雑が緩和されるだろう。通勤通学のラッシュの規模は緩やかになると考えられる。
他の路線の混雑状況
接続駅 | 路線 |
---|---|
海老名 | 小田急小田原線、相模線 |
大和 | 小田急江ノ島線 |
二俣川 | 相鉄いずみ野線 |
西谷 | 相鉄新横浜線(相鉄・JR直通線) |
横浜 | 東海道線(上野東京ライン)、横須賀線(湘南新宿ライン)、京浜東北線、横浜線、根岸線 |
参照:【首都圏編】関東地区の鉄道路線の混雑率をランキング化!
上記の表は横浜線と接続する各路線の混雑状況について。首都圏エリアの他の鉄道網の朝ラッシュ時の混み具合についても取り上げる。
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JR東日本 | 山手線、京浜東北線、中央総武緩行線 東海道線、横須賀線、総武線快速、京葉線、常磐線快速、宇都宮線、高崎線、埼京線、中央線快速 武蔵野線、南武線、横浜線、内房線、外房線 (直通サービス:湘南新宿ライン、上野東京ライン) |
東京メトロ | 銀座線、丸ノ内線、日比谷線、東西線、千代田線、有楽町線、半蔵門線、南北線、副都心線 |
都営地下鉄 | 浅草線、新宿線、三田線、大江戸線、日暮里舎人ライナー |
京浜急行電鉄 | 京急本線 |
相模鉄道 | 相鉄本線、相鉄・JR直通線 |
東急電鉄 | 東横線、(みなとみらい線)、田園都市線、目黒線、大井町線、池上線 |
小田急電鉄 | 小田原線、江ノ島線 |
京王電鉄 | 京王線、井の頭線、相模原線 |
西武鉄道 | 新宿線、池袋線 |
東武鉄道 | 東上線、スカイツリーライン、アーバンパークライン |
京成電鉄 | 京成本線、押上線 |
横浜市営地下鉄 | ブルーライン、グリーンライン |
その他 | つくばエクスプレス、東葉高速鉄道、北総鉄道、新京成線、埼玉高速鉄道、東京モノレール、ゆりかもめ、湘南モノレール、江ノ島電鉄線 |
混雑の目安については『【レベル別】鉄道の混雑率の目安! 数値ごとの体感』にて解説。