一時不停止の取り締まりで捕まった時、もし否認するとそのあとはどうなるのか。検察に起訴されて裁判になることはあるのだろうか。異議や不服がある場合にはどんな主張をすればいいのか。そんな疑問を今回は解決したい。
乗用車や原付、二輪車、大型車で「止まれ」の標識があるところで速度がゼロになるまで止まらなかった場合は警察に検挙されることがある。そもそも「一時不停止」は何のためにあるのか。
道路における法律は道路交通法という法律で定められている。これは、交通事故などの危険を防止するために「安全」を図るのと同時に車や人の流れである交通の滞りを防ぐために「円滑」を図ることを目的としたものである。つまり、何かの交通事故が起きないように制定された法律であるというわけだ。
「止まれ」の標識がある場合、車両は必ず停止線の手前で一旦止まらなければならないと法律では決められている。徐行で左右確認などでは違反になってしまう。そして、安全確認をしたとしても徐行程度では一時不停止で警察に捕まってしまうわけだ。
一時不停止を否認すると?
一時不停止で捕まった時、交通違反をあっさり認めるのであれば青切符にサインして反則金を納付すればそれでおしまいである。それ以降、何かの罪で問われることは一切ない。
とはいえ、実際には事情はさまざまである。完全に停止したにも関わらず警察に「完全に止まっていない」と言われて交通違反の切符を切られる例もある。この時は直ちに自分が完全に停止したと言って否認するべきである。
否認する=嘘をつくというイメージを持っている人は決して少なくない。嘘をつくのは良いことではないが、やってはいないことに関しては強くやっていないということが重要であるのもまた事実だ。
なお、否認したからと言って逮捕されるといった不利益を被ることは一切ない。交通切符への署名を拒否したからといって罪が重くなることもない。
サイン拒否した場合、該当する事件は警察から検察に書類が送られる。送検されると検察や簡易裁判所からいくつか質問したいことがあるということで出頭を要請される場合があるが、ここで何か心配する必要はない。
あくまでも、「いついつ・どこどこで本当に止まったのか?」などを聞かれたり、警察がとった長所の内容を確認するだけである。再度いうが、否認したことで不利益を被るということはない。検察と聞くと悪質な犯罪などを想像するかもしれないが、そんなことはまったくない。
見通しが良い交差点なのに!
見通しが良い場合でも悪い場合であっても、法律上は「止まれ」の標識がある限り完全に停止しなければならない。減速しただけでは違反は違反となってしまう。
とはいえ、法律の趣旨は「交通事故の防止」と「交通の円滑化」であることも忘れてはいけない。見通しの良い交差点であれば、徐行程度であっても周囲の安全確認をしっかり行えば交通事故は起きない。これは法律と実情が食い違う内容といえる。
また、警察の取り締まりの目的もまた交通事故の阻止である。広島県警のホームページにも「交通取締りの目的は,道路における危険を防止し,交通の円滑を図り,道路の交通に起因する障害を排除すること」と書かれてある。
しかし、見通しの良い交差点で一時不停止の取り締まりを行っているのが現状である。当然ながら、こうした実情に合わない取り締まりは趣旨に反するといえる。
こうした場合、もし納得がいかないのであれば違反行為を否認しても、それが非合理的であるとは言えないという見方もある。否認したり不服を申し立てたりする行動は誰にでも認められている正当な権利であることも忘れてはならないだろう。