東京メトロ有楽町線においてワンマン運転が開始されるのはいつになる見通しなのか。ホームドアはすでに全駅に設置されているため、いよいよ車掌が乗らない日が近づいているのは確かだろう。
ワンマン運転の例としては、東京メトロだと丸ノ内線、南北線、副都心線で完全実施している。他にも都営三田線、大江戸線も同じ事情にある。
全駅ホームドア設置は完了済だが
同じく和光市~小竹向原は線路を共有している副都心線ではワンマン化が完了している。
全駅にホームドアの設置工事が終わり、ホーム上から線路へ乗客が転落する危険性が大幅に下がったためだ。
ドアの開け閉めは先頭に乗っている運転士が運転席についているホーム監視モニターを見ながら行う。車掌はいないため、最後尾には誰も乗務しない。
有楽町線でも和光市~小竹向原間ではワンマン運転を行っている。しかし、小竹向原~新木場ではまだすべての電車が車掌常務で走っている。
ドアの開け閉めやホーム上の監視は最後尾に乗っている車掌が行っている。発車合図のブザーも鳴らしている。
だが、有楽町線の小竹向原~新木場を含めた全駅でホームドアの設置工事が完了している。車両も副都心線とすべて共有しているため、ワンマン運転には対応済となっている。
ワンマン運転が可能な状態になっているが、あえて運転士に加えて車掌が乗務している状態が続いている。
なぜ車掌がいるのか?
車掌の役割とは、ドアの開け閉めと電車の発車時にホーム上の安全確認を行うことである。特に電車が動き出す際にはホーム上を歩く乗客と接触する可能性があるため、常に車掌はそれがないかどうかを確認し、危ないと感じたら即非常ブレーキをかける。
しかし、それはホームドアがない駅の場合である。ホームドアがついているのであれば物理的に電車と接触する可能性がほとんどゼロになる。そうなれば、運転士のみで運行しても問題ない。それが実行されているのがワンマン運転である。
ではなぜ有楽町線には車掌が乗務しているのか。それは、もともとホームドアが設置されていなかったからである。
東京メトロ有楽町線が全線開業したのは1988年のことだが、当時はそもそもホームドアという発想はほとんどなかった。
全駅への設置が完了したのは2014年のことであるため、まだホームドアができてからそれほど月日が経っていない。
ワンマン化するためには、ホームや線路上の信号設備も改良しなければならない。また運用に就く車両をすべてワンマン運転に対応した設備に改造しなければ走れない。これらの準備がまだ整っていないため、車掌が乗務しているものと考えられる。
いつワンマン運転開始される?
2015年3月には、有楽町線でも和光市~小竹向原に限ってはワンマン運転が開始された。残っているのは小竹向原~新木場のみである。
先に述べた通り、有楽町線は全駅にホームドアが設置されているため、ワンマン化は2、3年以内を目安に実施されるだろう。
中にはホームが湾曲していて見通しの悪い駅が存在する。しかし、そういう駅のホーム監視は駅員が行っているため、車掌なしでも問題ないとされる可能性がかなり高い。
副都心線・丸ノ内線・南北線でのワンマン運転の実績を持っている東京メトロは、全国の都市型鉄道事業者の中でも特にその実績が多い。有楽町線内の全線に渡るワンマン運転は近い将来行われるだろう。