鉄道事業者ごとの「発車メロディ」の導入状況を調査

発車メロディ

全国の鉄道事業者での発車メロディの導入状況について調査。各社局ごとに使用の有無とその積極性を一覧化。

「駅メロ」とも呼ばれることがあるが、電車が発車する際の音楽として使用されているのが「発車メロディ」の特徴。

最近では駅が立地する地域にゆかりのある曲が使用される事例が増えているが、あえて取り組まない事業者も少なくない。

一部の事業者では発車サイン音といわれているところもある。性質的にはいずれも同じ。


全国の鉄道事業者の「発車メロディ」の実績

地域 実績あり(積極的) 実績なし(消極的)
北海道・東北 JR北海道、札幌市営地下鉄
関東・甲信越 JR東日本東京メトロ都営地下鉄、横浜市営地下鉄

東武鉄道西武鉄道東急電鉄京成電鉄、つくばエクスプレス、埼玉高速鉄道、東京臨海高速鉄道、横浜高速鉄道、横浜シーサイドサイン

京王電鉄、小田急電鉄、京浜急行電鉄、相鉄、北総鉄道、東葉高速鉄道
中部 JR東海、名鉄、名古屋市営地下鉄

名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線)、愛知環状鉄道

近畿・中国 JR西日本大阪環状線など)、大阪メトロ、京都市営地下鉄

京阪電鉄阪急電鉄阪神電鉄近鉄、泉北高速鉄道、能勢電鉄

南海電鉄、神戸市営地下鉄、山陽電鉄、神戸電鉄、北大阪急行電鉄
四国・九州 JR九州、西鉄 JR四国

発車ベル・ブザーは「メロディ」には当たらないため、今回の対象外とする。

接近メロディ、入線メロディは電車の発車時に鳴るものではないため、今回の対象外。

>>鉄道事業者ごとの「接近メロディ(入線音)」の導入状況を調査

どちらも駅メロという点では同じだが、列車到着時と発車直前時で分類が異なる。

全体的な動向

地域ごとだと首都圏の関東地区で特に積極的な傾向がある。

発車メロディに特に積極的なのはJR東日本、東京メトロ。全体の半数以上の駅にて異なるオリジナル性のある音源を使用している。

名古屋都市圏の中部、関西の近畿地区では、発車時よりも電車の接近時・入線時になる接近メロディや入線メロディだと力を入れる鉄道事業者が目立つが、発車メロディは少ない。

あったとしても、一部の主要駅で導入しているだけ、あるいは全駅共通の音源を使用している程度にとどまる。

首都圏(関東地区)

発車メロディへの姿勢 鉄道事業者
オリジナル性が高い JR東日本、東京メトロ、東武鉄道、西武鉄道、東京臨海高速鉄道、横浜シーサイドライン
中立 京成電鉄、東急電鉄、つくばエクスプレス、埼玉高速鉄道、横浜高速鉄道、横浜市営地下鉄
導入なし 京王電鉄、小田急電鉄、京浜急行電鉄、相鉄、北総鉄道、東葉高速鉄道

首都圏エリアに当たる関東地区の各鉄道事業者ごとの発車メロディへの取り組み姿勢は上記のようになる。

JR東日本

JR東日本

JR東日本は全国の鉄道事業者の発車メロディの中でも特に種類数が多くてバラエティー豊かであることで有名。

>>【路線別】JR東日本の発車メロディーの一覧

汎用メロディーから地域ゆかりのご当地メロディーまで幅広く使われている。

首都圏エリアのほとんどの駅、東北地方の一部の駅にて発車メロディが導入されていることで、発車メロディの代名詞ともいえる鉄道会社だろう。

しかも、1コーラスの長さも10~15秒程度と長い。

また、東京臨海高速鉄道(りんかい線)もJR東日本のグループ会社ということで、似たような放送設備を使っている関係から、JR東日本の汎用メロディーを使用。

さらに、りんかい線も一部駅ではご当地メロディーもある。

東京メトロ

東京メトロ

営団地下鉄の時代は「営団ブザー」が主役であり、発車メロディは南北線以外では全く使用されていなかった。

しかし、東京メトロへ移行後は発車メロディをすべての路線にて順次導入。

各駅ごとに異なるメロディーを使用していて、オリジナル性が高い鉄道事業者と見られるようになった。

一部の駅では「ご当地メロディー」も導入されている。

>>【路線別】東京メトロの発車メロディーの一覧

東武鉄道

東武鉄道

>>東武鉄道の路線ごとの「発車メロディ」の一覧! 導入状況も

東上線、スカイツリーライン、伊勢崎線、日光線、アーバンパークライン(野田線)を中心に導入されている。

5秒程度の路線および方面ごとで決まった汎用メロディーがほとんどだが、一部駅ではご当地メロディーを使用。

古くから発車メロディを導入している鉄道会社でもある。

西武鉄道

西武鉄道

>>西武鉄道の駅ごとの「発車メロディ」の一覧! 導入状況も

秩父線以外のほぼすべての駅にて発車メロディが導入。

同じように、3秒程度の路線および方面ごとで決まった汎用メロディーがほとんどだが、一部駅ではご当地メロディーを使用。

首都圏でも私鉄では発車メロディに力を入れている。

中京(中部地区)

発車メロディへの姿勢 鉄道事業者
オリジナル性が高い
中立 近鉄
導入なし JR東海、名鉄、名古屋市営地下鉄、名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線)、愛知環状鉄道

中部エリアの各鉄道事業者ごとの発車メロディへの取り組み姿勢は上記のようになる。

名古屋市をはじめ愛知県・岐阜県・三重県などに本社を置く鉄道事業者で発車メロディを導入しているところがない。近鉄は本社が大阪市のため、中部地区にも路線を持つが、どちらかというと関西として捉えたい。

JR東海

JR東海

JR東海であるが、駅には発車メロディーが設置されていない。

JRグループでも東日本とは対照的。首都圏ではどんな駅でも使われている駅メロも、名古屋や静岡地区ではまったく使われていない。

JR東海の在来線普通列車の主役である313系には「乗降促進メロディ」という車外から流れる音響設備がつけられている。

これはメロディー形式ではあるが、駅のホームの放送設備から流れるものではなく、発車メロディーには該当しない。

ただし、東海道新幹線の東京駅では「旧のぞみチャイム」が発車ベル代わりに使用されていて、JR東海の唯一の発車メロディといえる。

>>【駅メロ】JR東海には発車メロディーがない! それはなぜだ?

名鉄

名鉄

名鉄もまた、発車メロディは一切導入していない。

電車の発車を知らせるために、一部駅ではベルまたはブザーを使用しているが、音楽を使ったメロディーはない。

大手私鉄としては経営状態はそれほど良くはなく、発車メロディにコストがかけられないなどの事情が考えられる。

名古屋市営地下鉄

名古屋市営地下鉄

名古屋市営地下鉄では接近メロディが導入されているが、電車の発車時にはブザー音のみが使用されている。

2005年の一時期には、接近メロディの試験導入としてJR東日本で使用されている発車メロディが使用された。

ただし、市営地下鉄はあくまでも接近放送の予告音としてのみ使用。発車時には鳴らさなかった。

関西(近畿地区)

発車メロディへの姿勢 鉄道事業者
オリジナル性が高い 京阪電鉄、大阪環状線(JR西日本)
中立 JR西日本(一部地域)、大阪メトロ、京都市営地下鉄、阪急電鉄、阪神電鉄、近鉄、泉北高速鉄道、能勢電鉄
導入なし 南海電鉄、神戸市営地下鉄、山陽電鉄、神戸電鉄、北大阪急行電鉄

関西エリアに当たる近畿地区の各鉄道事業者ごとの発車メロディへの取り組み姿勢は上記のようになる。

JR西日本

JR西日本

関西の京阪神地区では、大阪環状線を除いて発車メロディを導入していない。

>>JR西日本で「発車メロディ」の導入駅が少ない理由とは!?

メロディが鳴るのはあくまでも接近時だけ。

国鉄時代から発車ベル(電車の出発を知らせる音)がなかったことなどがこの理由という見方が大きい。

金沢駅や福井駅、敦賀駅、加賀温泉駅など北陸地方の主要駅では導入例がある。

なお、大阪環状線は例外で、車両の置き換えや駅のリニューアル工事事業の「大阪環状線改造プロジェクト」の一環として発車メロディが導入された。

大阪環状線のみ駅ごとに異なるオリジナルの音源を使用していて、各駅にそれぞれ何らかの導入理由が存在。

京阪電鉄

京阪電鉄

京阪電鉄では主要駅にて列車種別ごとに異なる発車メロディを導入している。

同一駅で同一ホームでも、快速特急・特急・その他の3種類の種別それぞれで流れる音源が異なるところが他社とは異なるところ。

音楽館の向谷実が制作。一方向の発車メロディをつなぐと1つの曲に成り立つ仕組みになっている。(東京メトロ東西線と類似)

小規模な駅では停車時間が短いことや、乗降客数が少ないことで今のところ導入には至っていない。

>>京阪電鉄の駅ごとの「発車メロディ」の一覧

阪急・阪神・近鉄

阪急電鉄、阪神電鉄、近鉄では都心部ターミナル駅をはじめごく一部の駅にて発車メロディが導入されている。

阪急は大阪梅田駅、十三駅、宝塚駅にて、阪神は大阪梅田駅、近鉄は大阪難波駅、大阪阿部野橋駅、けいはんな線の全駅で導入。

阪神は接近メロディだとオリジナル性が高いが、発車時はブザーがほとんど。

京都市営地下鉄

京都市営地下鉄では東西線にて発車メロディが導入されている。

御陵駅以外は方面ごとに共通音源となっているが、古都京都をイメージした曲を使用。

京都らしく和風をモチーフにしたとされている。



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