東武東上線では池袋~志木のすべてに駅にホームドアが設置される予定となっている。国土交通省が利用者の多い駅への整備を推奨していることによるものである。これらの工事が終わるのはいつ頃になるのか。
2017年現在、東武東上線については和光市駅のみにホームドアが設置されている。それ以外は何もない従来のプラットフォームになっている。
優先4駅は2020年度までに
人身事故が多かったり利用者数が10万人を超えている東上線内の3駅については、2020年度までにホームドアが設置される見込みとなっている。
具体的には池袋・朝霞・志木・川越の4つである。池袋駅は都心のターミナル駅ということで利用者数が多いのは言うまでもない。朝霞と志木については、複々線区間であり、人身事故が多い駅でもある。また、利用者数が1日当たり10万人を超える大きな駅でもある。
これらの駅はホームドアの設置が最優先となっているため、東京オリンピックが開催される2020年までに完成する予定となっている。特に朝霞駅は東京オリンピック・パラリンピック競技会場の最寄り駅でもあるため、バリアフリー化が欠かせない模様だ。
川越駅については、2017年度内に整備される見通しとなっている。JR川越線との乗換駅であることや、郊外では一番乗降客数が多いことがその理由に挙げられる。同じく1日当たりの乗降者数はホームドアの整備が強く推奨されている目安となっている10万人を超える。
それ以外は2021年以降
それ以外の池袋~志木の区間の駅については2021年以降に順次工事が行われる予定となっている。ホームドアがあれば物理的に線路へ転落するリスクを限りなくゼロにできて人身事故が減るが、どうしても優先される駅と比べると後回しになってしまう。
ただ、それでも目の不自由な人などを考慮すると将来的には必要な設備であるのは事実であるため、優先4駅への設置が終われば順次付けられることになる。
さらに、1日の利用者数が1万人を超える中規模の駅においては、「内方線付き点状ブロック」の設置が予定されている。これにより、目の不自由な人でも点字ブロックでホームの端を把握できるようになる。
ホームドアに比べると、物理的に線路への転落を防止するとまではいかないが、それでも阻止できる確率を上げることができる。暫定的な処置としては有効的なのは間違いない。
この内方線付き点状ブロックは2018年度末までに該当する駅にて整備される予定だ。ホームの強化工事なども不要なため、比較的早期に完成する。
志木以北のホームドアはどう?
さて、東武鉄道では公式にホームドア設置の予定が発表されていない志木駅以北についてであるが、こちらは未定だ。
そもそも本当にホームドアができるかどうかは分からない。東急電鉄のように自社線内すべての駅への設置を予定しているような場合でない限り、すべての駅への整備は不透明と言わざるを得ない。
東武鉄道は利用者数がかなり少ない郊外にも路線を延ばしていることもあり、すべての駅へのホームドアの設置はかなり難しいのが現状だ。
国土交通省などが「すべての駅への設置を強く推奨」しない限り、東上線の北部の駅にまでもホームドアが作られる可能性は低いといえる。