JR川越線の本数は少ないと感じている人は多いだろう。日中の時間帯は20分に1本しか走っていない。直通先の埼京線と比べて大幅に運転間隔が長いため、もっと増発してほしいという声も多い。
なぜ川越線はこれほど本数が少ないのか。それには重大な理由があり、ほかの路線にはない独特の性質が存在する。
確かに大宮~川越間の利用者数は多い。ローカル線というわけでは決してなく、埼京線や東武東上線と同じように首都圏の通勤路線という性質を持っている。
単線だから増発できない
川越線の場合、全線に渡って単線となっている。複線区間は1か所も存在しない。上下線の電車がすれ違いできる場所は途中の停車駅のみとなっている。これは「列車交換」と呼ばれる。
単線の場合、どんなに本数を多く使用としても1時間あたり4本くらいが限界となっている。埼京線や東武東上線のように複線になっていれば、川越線でももっと本数を増やすことはできるようになる。
川越線を複線化するという計画は存在するものの、その実行には至っていない。現状では今の時刻表に書かれてあるもの以上に運行本数を増やせない。
埼京線内は快速として運転される電車も川越線内は各駅停車となるが、快速運転ができないのも該当する区間が単線になっているからでもある。
通過駅のある速達列車を運転するためには、通過する駅を乗降する人のために各駅停車の電車も充実させなければならない。今の設備ではそれが難しい。これにより、すべて各駅停車にするしかない。
川越~高麗川間は需要がない
同じJR川越線でも西半分の川越駅から高麗川駅の区間はそもそも需要がそれほど多くはない。通勤路線というよりもローカル線という性質が大きい。
本数も30分に1本程度であり、4両編成で運転されている。東半分は埼京線と同じ運用になっている関係上10両編成で運転されている。西半分はそれとは対照的であるのは言うまでもない。
なお、高麗川駅側については八高線と同じ運転系統になっている。一部の電車は八王子駅まで乗り入れている。ただし、乗客の数は少ない傾向にある。朝や夕方であっても激しい混雑はあまりない。