JR東日本が管轄する東北新幹線の特急券の運賃は割高に設定されている。JR東海・西日本の東海道山陽新幹線と比べると距離に対する料金が高めになっているのがわかる。
距離は同じでも高い東北新幹線
自由席でも指定席でもこの傾向は変わらない。はやぶさ号やはやて号になると、やまびこ号などよりもさらに高額な値段になっている。どうして、東北新幹線は他の新幹線路線と比較して割高な特急料金となっているのか。
東北新幹線の指定席特急券の料金は、東京~仙台間の351.8kmをはやぶさ利用で5,940円、やまびこ利用で4,950円となっている。一方の東海道新幹線の場合は、東京~名古屋の366.0kmをのぞみ利用で4,830円となっている。
同じくJR西日本の管轄となっている山陽新幹線においても、新大阪~広島間の341.6kmをのぞみ利用4,820円となっている。
いずれも同じ指定席での値段であるが、同じ距離でも東北新幹線の方が高い結果となっているのがわかるだろう。
速達性がそれほど高くないやまびこでさえもJR東海側ののぞみの特急料金より高く設定されていることがわかる。
まだ出来て新しいから!
JR東日本の東北新幹線の特急券の料金が高めに設定されている理由としては、路線自体が比較的新しいためであると考えられる。大宮~盛岡間が開業したのは1982年のことであり、東京~大宮間ができたのは1985年と、完成したのは結構新しい。
さらに、八戸まで延伸したのは2002年、新青森までは2010年のことである。いずれも21世紀に入ってから開通したということで、まだできて歴史は浅い。
新幹線の建設に当たって発生した借金はまだ完全に返済は終わっていない。これは、東海道新幹線とは違う。JR東日本の負担となるのはランニングコストだけでなく、ローン返済もあるというわけだ。
東海道新幹線と山陽新幹線の場合は開業したのが高度経済成長期のころであったため、もうすでに建設費の借金は返済し終えている。鉄道会社側にとっての負担は車両製造費や線路メンテナンス費などのランニングコストのみである。
北陸新幹線の特急券の料金も同じように割高になっている。こちらはさらに新しく、開業したのが2014年のことである。大宮~富山間の361.6kmの距離でも指定席で6,040円もかかる。
東北新幹線の最速列車であるはやぶさ号よりも距離に対しては高額な値段となっているのがわかる。JR東日本の管轄下にある新幹線はいずれもできてからあまり年月が経過していないのが最大の理由といえるのではないだろうか。