東北新幹線において遅延の主な原因とは、混雑による停車時間超過、大雨・大雪・強風等の天候不順、線路・車両点検、接続待ちなど。
さらに東京~大宮間にて上越新幹線、北陸新幹線との線路共有による過密ダイヤも挙げられる。
遅延の理由となるこれら5つと考えてよい。
目次
東北新幹線の遅延の主な理由
遅延の原因 | 頻度 | 詳細な内容 |
---|---|---|
混雑による乗降時間超過 | ★★★★ | 途中駅での停車時間超過 |
天候不順 | ★★★ | 大雨、大雪、強風 |
線路点検、車両点検 | ★★★★ | 京橋駅の配線によるダイヤ調整 |
接続待ち | ★★★★★ | 山形・秋田新幹線が枝分かれ、増解結作業 |
他線区の影響 | ★★★★★ | 東京~大宮間にて上越・北陸新幹線との線路共有 |
東北新幹線にて遅延の原因となるのは、上記の5つが当てはまる。
大規模な遅延(運転見合わせ等)
東北新幹線にて運転見合わせになるような大規模な遅延とは、以下のような内容。
- 天候不順による徐行運転または運転見合わせ
- 線路設備・車両故障(線路内点検、車両点検)
- 人身事故
いずれも在来線でも起こる内容。
人身事故だけは在来線と比べると頻度は少ない。
山形新幹線と秋田新幹線では在来線を走ること、山岳部を走ることから、天候不順による運転見合わせが「新幹線」という分類では多い傾向。
これに伴うダイヤ調整で東北新幹線も遅れやすい。
小規模な遅延
数十分程度の遅れは小規模な遅延。以下のような内容が挙げられる。
- 乗降時間超過
- 若干の徐行運転
- 接続待ち
これらも在来線でも起こり得るが、新幹線の場合は特に時期によって乗客数の差があるため、遅れやすいときは必ず遅れる。
接続待ちとは、乗り換え対象の列車(在来線含む)によるもの。
東北新幹線の場合は、福島駅での山形新幹線との増解結、盛岡駅での秋田新幹線との増解結が多い。
混雑による停車時間の超過
まずは乗降時間超過。
平日は乗降時間超過による遅延は比較的少ないものの、土日祝になると起こりやすい。
三連休以上の大型連休(年末年始・GW・お盆など)となれば、必ずどこかの駅にて混雑によって乗客の乗り降りに時間がかかって停車時間が延長。
これによって新幹線全体にて遅延が発生する。
1駅だけであれば1,2分程度の遅れにとどまるが、複数の駅に渡って続くと10分以上の遅延につながる。
やまびこ号で停車時間超過が起こりやすい
特に乗降時間超過が起こりやすいのはやまびこ号。
東北新幹線内でもやまびこ号は自由席の設定がある。
はやぶさ号は全車指定席のため、帰省ラッシュでも立ち席客による混雑が比較的少ないものの、やまびこ号は自由席の制度を利用して、デッキや通路上まで混雑する姿がよく見られる。
特に自由席で乗車率100%以上となるような繁忙期では必ずと言っていいほど起こる。
下り列車は上野駅、大宮駅、宇都宮駅、上り列車は福島駅、郡山駅、宇都宮駅にて停車時間超過がよく見られる。
天候不順
新幹線は高速運転を行う性質上、天候不順の場合は徐行運転をよく行う。
大雨、大雪、強風時がこれに該当。
そのほか、地震や落雷などの自然災害による運転見合わせもある。
山形・秋田新幹線の積雪
冬季の大雪による徐行運転は東北新幹線では意外と少ない。
それとは対照的に、途中まで連結される山形新幹線と秋田新幹線では大雪による運転見合わせまたは徐行運転がよくある。
奥羽山脈の山越えの区間にて積雪が多いとダイヤが乱れる。
いずれも日本海側の天候になる地域へ乗り入れることから、大雪による悪影響を受けてしまう。
線路の規格もフル規格の新幹線ではなく、あくまでも在来線という点でも大雪に対する対策が十分ではない。
雪に強い上越新幹線や北陸新幹線と比べても山形・秋田新幹線は「雪に弱い」と言わざるを得ない。
線路点検、車両点検
東北新幹線でも遅延の原因に「線路点検」「車両点検」が出てくることがある。
線路点検とは、ポイント故障などの設備の不良から、ホーム上の乗客または荷物の線路への転落・落下がよくあるパターン。
車両点検とは、不審物が発見された場合の対応、何らかの物体との衝突等、ドア挟まりの対応のことを指す。
いずれも運転距離が長い新幹線では発生しやすい内容。
他線区の影響
他線区の影響も遅延の理由となる。
そもそも東北新幹線は北海道新幹線とも連続していることで距離が長い。
このことが、遅延の発生のしやすさを後押ししている。
路線名 | 列車名 | 距離 |
---|---|---|
東海道・山陽新幹線 | のぞみ | 1174.9km(東京~博多) |
山陽・九州新幹線 | みずほ、さくら | 911.2km(新大阪~鹿児島中央) |
東北・北海道新幹線 | はやぶさ | 862.5km(東京~新函館北斗) |
北陸新幹線 | かがやき・はくたか | 450.5km(東京~金沢) |
東海道・山陽・九州新幹線でも片道1,000km超となっている列車が存在するが、東北新幹線・北海道新幹線も決して短いわけではない。
路線距離が長ければ、それに比例して途中にて何かのトラブルが生じる可能性が上がる。
しかも東北・北海道新幹線の場合は、在来線貨物列車と線路を共有する青函トンネルの存在、上越・北陸新幹線と線路を共有する重複区間があることで、定時運行の支障になりやすい箇所を持つ。
山形新幹線と秋田新幹線が途中から枝分かれしていることもまた、東北新幹線そのものの遅延の原因になりやすい。
他の新幹線の遅延状況
全国の各新幹線にて遅延の頻度や起因について解説。