圏央道(首都圏中央連絡自動車道)のほとんどの部分が開通したことで、交通量は過去にはないほど増加した。混雑する区間も発生し始め、主要な高速道路と同じように渋滞ができることも少なくない。
道幅が狭くてスピードも遅くて渋滞が多い首都高のある東京都心部のバイパスの役割を果たしているのが圏央道である。都内を通過する人のための迂回ルートとして建設された自動車専用道路というわけだ。
最近では茨城県区間が開通した。これによって、東名高速道路・中央自動車道・関越自動車道・東北自動車道・常磐自動車道・東関東自動車道の間の移動を首都高を使わずに移動できるようになった。
便利になった半面、混雑は以前よりも激しくなった。ノロノロ運転になるところも増え、未開通部分が多かった時期よりは所要時間が増えたのは間違いない。
鶴ヶ島JCT~八王子JCTが最混雑区間
中でも混雑が激しいのは関越道との接続部である鶴ヶ島JCTから中央道と接続する八王子JCTまでの区間である。
ここは、東北地方や関東北部と東京より中部・近畿地方方面を行き来する車の多くが通る区間となっているため、交通量が他の区間より多くなっている。
さらに、この区間は山間部を走る部分でもある。トンネルが多いところであるが、勾配も多い。アップダウンが多数存在することで、特に登坂になるとどうしても走行速度が落ちてしまう。これが、渋滞へと発展することが少なくない。
年末年始、ゴールデンウィーク、お盆の行楽シーズンとなると、圏央道ではまずこの区間が渋滞の名所となる。ここ以外の圏央道が比較的空いていたとしても、関越道~中央道までの部分ではスムーズには通過できない可能性が高い。
暫定2車線区間も混雑する
一方の茨城県・千葉県区間もまた混雑しやすい環境にある。こちらは交通量そのものが多いわけではない。暫定2車線となっていることが所要時間が長くなる原因となっている。
通常の圏央道は完成4車線で開通している。東北自動車道の久喜白岡JCTから神奈川県内の終点まではすべて4車線となっている。制限速度も80km/hまたは100km/hと設定されている。
しかし、久喜白岡JCTから東側の区間では対面交通の暫定2車線で開通されている。もともと交通量が少ないと見越して4車線では建設されなかった。建設費を抑えられるというメリットがある反面、追い越し車線がないために巡航速度が遅くなる。
制限速度も70km/hとなっている。さらに、渋滞も起きやすい。少しでも交通量が通常期よりも増えると渋滞もしくはノロノロ運転となりやすい。混雑度が大きくなりやすい環境となっているのは避けられない。