京王井の頭線の最高速度は90km/hに設定されている。通過駅のある急行でも全体的にゆっくり走り、他の路線と比べると遅い。都心直結の幹線というよりは、地域の支線のような特徴を持つ。
新宿から八王子方面へ走る京王線の場合、最高速度は110km/hとなっている。これに比べると、井の頭線の速度は遅いと判断できる。
また、線内では最速列車である「急行」についても、表定速度は渋谷~吉祥寺間で47.0km/hとなっている。他の路線では、各駅停車か準急並みである。
なぜ速達性に乏しいのか?

京王井の頭線の場合、駅間距離が全区間に渡って非常に短い。隣り合う駅の間隔が1キロ未満のところも多数あり、各駅停車となれば加速を終えたら即減速に入るという運転が繰り替えされる。
駅間距離が2km以上になる区間はまったく存在しない。郊外の私鉄というよりも、都心部を走る地下鉄に似たような運行体系となっている。
急行については、停車駅は主要な駅に限られているため、1つの駅を発車したら次の駅まではしばらく時間を要する。しかし、それでも2、3分程度の区間が多い。
駅間距離が短いだけでなく、線形もあまり良くはない。さらに、武蔵野台地と呼ばれる地形を走ることから、勾配も多い。
こうした点から、急行でも最高速度は90km/hとなっている。仮に路線の最高速度はを100km/h以上にしようとしても、物理的にそれほどスピードが出せない環境といえ、速達性を重視している京王線とは対照的といえる。
本数はかなり多い
一方、運行本数は多いのが井の頭線ならではの特徴だ。各駅停車も急行も毎時7.5本の運転となっている。
小さな駅においても、普通電車が8分間隔でやってくるため、乗車機会が多いといえる。他路線だと、各駅停車は毎時4~6本程度のところが主流となっている。
ダイヤが高密度になっている一方、遅延は少ない傾向にある。人身事故や信号トラブルが起こる頻度は決して高くなく、定時運行に優れた路線という印象を持っている人は多いのではないだろうか。
京王井の頭線では、都心直結の路線としては珍しく、地下鉄との相互直通運転は一切行っていない。他の都心と郊外を結ぶ路線だと、山手線の内側のエリアを走る東京メトロまたは都営地下鉄に乗り入れているケースが非常に多い。
井の頭線は完全に単体で運営されている。同じ自社線である京王線とも、線路幅が異なるため乗り入れは実施されていない。京王線は1372mm(馬車軌間)なのに対して、井の頭線はJRなどと同じ1067mm(狭軌)となっている。
おすすめ記事
- 京王井の頭線の「急行」、朝は運転していない理由とは何!?
- 京王井の頭線の朝ラッシュの混雑状況を時間帯・区間ごとに調査!
- 京王井の頭線のホームドア、全駅に設置するはいつになる!?
- 【論点】京王線の笹塚~調布の複々線化、計画は白紙化!?
- 【帰宅ラッシュ】京王線の夕方・夜の混雑する時間帯・区間を調査
- 【京王線】混雑状況はどう? 満員率は首都圏トップクラス!
東京都江東区在住。1993年生まれ。2016年国立大学卒業。主に鉄道、就職、教育関連の記事を当ブログにて投稿。新卒採用時はJR、大手私鉄などへの就職を希望するも全て不採用。併願した電力、ガス等の他のインフラ、総合商社、製造業大手も全落ち。大手物流業界へ入社。
》筆者に関する詳細はこちら