東武スカイツリーラインの複々線、延伸する可能性は?

東武スカイツリーライン(伊勢崎線)は私鉄の中では最も複々線区間が長い路線となっている。北千住駅から北越谷駅の18.9kmにおいて、上下線がそれぞれ2本の線路が整備されている。

東武スカイツリーライン単体での複々線化事業はすでに完了している。現在進められているのは、竹ノ塚駅付近の連続立体交差事業に伴う線路の高架化である。

しかし、将来的に北越谷駅以北の複々線化が行われる可能性はあるのか。せんげん台駅や春日部駅まで線路が増える見込みはあるのだろうか。


複々線化より高架化が優先

竹ノ塚駅

北越谷駅以北になると、電車の運行本数は大幅に減少する。日比谷線直通の各駅停車は、朝や夕方の時間帯はほとんどが北越谷駅にて折り返している。

この駅よりも北側の地域では、越谷市内や草加市内と比べて沿線の人口は多くはない。駅の乗降者数も決して大きいわけではない。

このため、電車の運行本数を増やす必要性は今のところない。すなわち、複々線化の需要は小さいのが現状だ。

ただ、北越谷駅以北の地域は踏切が多い。複々線区間とは違って高架化が進んでいなく、線路はほとんど地上を走っている。

道路が自ら線路をオーバーパス・アンダーパスしていない限りは、すべて踏切で交差している。ラッシュの時間帯では、電車の行き来が激しくなるため、踏切の待ち時間による渋滞が深刻な問題となっている。

複々線の需要はないとしても、線路の高架化は必要な事業だ。今後、東武スカイツリーラインでは高架化が積極的に行われていく可能性が大きい。

北千住以南の複々線化は?

北千住駅よりも南側は、従来の複線のままとなっている。線路の高架化や地下化も行われていなく、地上を走る。

この区間の複々線化の計画も一時期は持ち上がっていたものの、現在は白紙の状態に戻ったようだ。

背景にあるのが、日比谷線との直通運転である。東武スカイツリーラインの北千住駅以南の区間では、運転本数は北千住駅以北の7程度となっている。

複々線区間を走る各駅停車のほとんどは、東京メトロ日比谷線に乗り入れるため、北千住駅にて東武スカイツリーラインから分離する。

しかも、北千住~浅草の区間はカーブが連続しているため、通過駅の設定がある電車でもスピードが出せない。急行線と緩行線を分ける必要性が薄い点もまた、複々線化が進められなかった理由だろう。

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