つくばエクスプレスの8両編成化はここ最近になって時々議論されている内容となっている。今の6両から追加で車両を増結して長編成化させる需要はすでにあるようだ。
2005年に秋葉原~つくば間で新規開業したつくばエクスプレスでは、沿線の人口が増えたことで利用者数が毎年増加している。年々混雑もその分激しさを増している。
都心直結路線のため、通勤や通学で利用する乗客が多いが、今の6両編成のままでは輸送力不足に陥りはじめているといっても過言ではない。
首都圏では10両編成が主流となっていることを考えると、つくばエクスプレスの現行の6両というのはかなり短い部類に入る。山手線との接続駅へ乗り入れる路線としては稀なのは確か。
そんなつくばエクスプレスだが、実際に8両編成化される時期はいつ頃になる可能性が有力とされているのか。
2020年以降になると予想
今のままのペースで乗客が増加していくとなると、2020年頃には朝ラッシュの混雑率の最大値が180%くらいにまで達するとされている。
6両編成のままだと次第に首都圏の中でも有数の混雑率の高い路線となると予想されている。そんな事情から、8両編成化は大きな課題となっているのは事実。
つくばエクスプレスでは、1000系・2000系の電車を長編成化させる計画が持ち上がっている。直流・交流のどちらの区間でも車両連結数を増やして供給力を増そうとしている。
ただ、8両編成に対応した設備を導入するためには、車両を追加で連結させるだけでなく、駅のホームの延伸や信号設備の改良を行わなければならない。
そのための工事を行うとしても、すぐにできるわけではない。特にホームの延伸はすべての駅で実施しなければならなく、工期は最低でも2、3年はかかると思われる。
そうなると、東京オリンピックが開催される2020年までの完成には間に合わない。したがって、つくばエクスプレスの8両化が実施されるとしても、2020年以降になると予想される。
直流区間の秋葉原~守谷間だけを暫定的に8両化させるという案もあるようだが、こちらも工期が大幅に短縮できるわけではない。
将来的には人口が減少?
ところで、首都圏においても将来的には人口が減少するという見方が強い。つくばエクスプレスの沿線も決してその例外ではない。
まだ新規開業してからそれほど長い月日が経っていなくて歴史が浅いため、沿線の人口は増加傾向にあるものの、いずれは開発が落ち着いて人が少なくなっていく。
そうなると、乗客の数も少なくなる。今は8両編成が好ましいとされているが、今後は現行の6両編成のままで十分対応できるくらいの利用者数になる可能性も考えられる。
また、同じ8両編成といっても列車種別によって混雑度には大きな違いがみられる。各駅停車は比較的空間に余裕があることが多い一方、快速などの優等列車では激しく混む。
各停は6両のままでも快速・通勤快速・区間快速では8両編成にするのが好ましい。人口が減ったとしても、優等列車はいつまでも混雑度が高い水準に留まることも考えられる。