JR埼京線の朝ラッシュ時の混雑はかなり激しいことで評判が悪い。上り・下りそれぞれ区間別での混み具合のレベルについて、6~9時の時間帯を調査した。
中でも混雑が激しいのは赤羽→新宿の区間。車内はギューギュー詰めで息苦しいと感じるほどのレベルだ。
埼京線の場合、朝ラッシュ時に混み合うのは大崎・新木場方面に向かう上り線である。6時台からすでに満席になりつつある。7時台後半に入れば超満員で積み残しも起こることがあるレベルになる。
大宮から赤羽・池袋・新宿駅を経由して渋谷や大崎の方向に向かう電車の乗車率は区間によっては200%近くに達する。8時台前半がピークになる。
東京メトロ東西線や中央総武線ほどではないものの、埼玉県方面からの電車としては一番ひどい。並行して走る上野東京ラインや京浜東北線、それに東武東上線の方が緩やかだ。
中でも午前8:30前後に新宿駅に到着する電車が一番混雑している。この時間帯は都心部に通勤する人が集中するためすし詰めの車内になる。
朝ラッシュの駅間別の混雑度
区間 | 上り(大崎方面) | 下り(大宮方面) |
大宮~武蔵浦和 | ★★ | ★ |
武蔵浦和~赤羽 | ★★★★ | ★★ |
赤羽~池袋 | ★★★★★ | ★★★ |
池袋~新宿 | ★★★★★ | ★★★ |
新宿~渋谷 | ★★★★ | ★★★★ |
渋谷~大崎 | ★★ | ★★ |
参考記事:埼京線の混雑の時間帯とは!? 通勤ラッシュのピークと乗車率を調査
埼京線には2つの性質がある。1つは埼玉県南部と都心を結ぶ通勤路線で、並行する京浜東北線や宇都宮線・高崎線(東北本線)のバイパスという役割である。
もう1つは都心部間のアクセスである。渋谷、新宿、池袋という副都心3地点を結び、小さな駅にも停車する山手線の快速という役割も果たしている。
通勤ラッシュのピークである朝の時間帯では、乗客がどうしても埼京線へ殺到しやすい条件が整っている。
赤羽~新宿が最も混雑する
- 大宮~赤羽:まだまだ許容範囲内
- 赤羽~池袋:超満員の地獄
- 池袋~新宿:まだまだ混雑続く
埼京線そのものの始発駅は大宮駅であり、赤羽駅や池袋駅を経由して新宿駅方面へ延びる。
そんなわけであるが、乗り換え駅である赤羽駅以南の区間に入ると一気に混雑が激しくなるのが埼京線ならではの特徴である。
乗り換え駅に停車すると、ほとんどの路線では満員電車が少なからず緩和されるケースが多い。朝の時間帯の上り電車であれば特にそうなる。
しかし、埼京線の場合は京浜東北線や宇都宮線・高崎線から赤羽駅にて乗り換えて乗ってくる人が多い。
上野駅方面には行かずに副都心方面へ向かう人が殺到するため、意外にも東京都内の区間が混雑する。
そして、十条や板橋からも都心部へ向かう通勤通学客が乗ってくるため、池袋駅の手前の区間が最も混雑率が激しくなる。そして山手線が走る範囲になると緩和される。
なお、休日ダイヤで運転される土日祝日は平日のような混雑が激しい通勤ラッシュが存在しない。
それでも上り・下りともにピークになれば満員に近い状況には達する。
最後尾が一番混雑?
ただし、埼京線の場合は他の路線とは違って車両によって混雑する場所に差がある。上り電車の場合は大宮寄りの最後尾が一番混雑度が激しく、新木場寄りの先頭車が空いている。
新宿駅や渋谷駅などの乗降客が多い駅の階段・エスカレーターの場所が最後尾の車両付近に集中するため多くの人が狙って電車に乗る。それにより、車両によってバラバラになっている。
もし、埼京線を使うが比較的すいている場所を狙うのであれば新木場寄りの車両に乗るのがよい。
もちろんラッシュ時はほとんど座れる可能性は低い。それでも人と人の間に余裕があるため、最後尾と比べると大分楽である。
新宿駅止まりが空いている
埼京線の場合、上り電車の行き先はりんかい線直通の新木場行、大崎行、そして新宿行の3つがある。前者2つは渋谷駅まで運転するためかなりの人が利用したい電車である。
大宮や赤羽方面から渋谷駅へ行く手段としては埼京線と湘南新宿ラインしかない。後者は運行本数そのものが少ないため、あまり乗車機会がない。
大崎駅やりんかい線直通の電車は、降車駅がどこであっても誰もが乗れる。そんなこともあって、渋谷駅に止まる埼京線には乗客が多く殺到する傾向にある。
一方、新宿止まりであれば利用するのは赤羽、池袋、新宿駅で降りる人だけである。そのため、ラッシュの時間帯であっても進んで乗る人はあまりいない。結果として他の電車よりも混雑度がゆるくギューギューにはならない。
さらに、新宿止まりの電車は前を走る電車との間隔が短い傾向にある。りんかい線直通新木場行の電車が発車した後すぐに到着するようなダイヤが多いことからも空いている理由だ。
大宮~赤羽間の混雑のレベルは?
東北新幹線の開業の際に同時に建設された大宮~赤羽間の混雑に関しては、赤羽以南の区間と比べるとそこまでは乗車率が高くはない。
この区間だと、乗っているのは埼京線沿線に住んでいる住民がほとんどいうこともあって、途中駅からの乗り換え客は武蔵野線と接続する武蔵浦和駅からの乗車客がほとんど。
大宮駅も乗り換え駅なのは確かな事実であるが、埼京線のホームが地下に位置するため、乗り換えが不便ということで避ける人が少なくない。
大宮→赤羽の所要時間も、宇都宮線・高崎線の方が埼京線よりも早い。しかもホームは地下ではなく地上にある。
池袋・新宿・渋谷方面へ向かうという点では同じである湘南新宿ラインもホームは地上にある。地下ホームへ行くには3~5分程度かかるため、かなり不便なのは確か。
そんな事情から、大宮駅で他路線から埼京線へ乗り換える人は多くはない。本格的に混雑が激しくなるのは赤羽駅から先の新宿寄りの部分となる。