京王電鉄で導入された座席指定型の有料列車「京王ライナー」の都営新宿線へ乗り入れは行われないのか。
京王線の朝夕の激しい混雑による満員電車を避ける方法こそが、追加料金を白南風場確実に座れるシステムになる京王ライナーである。
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今のところは平日も土日祝日の休日も京王新宿駅始発となっているが、京王線そのものが相互直通運転を行っている都営新宿線でも京王ライナーを運転してほしいという声がある。
似たような事例として、小田急のメトロホームウェイや西武池袋線と東京メトロ有楽町線・副都心線のS-Trainがある。
京王ライナーはこれらとは違って、あくまでも自社線内だけの区間で運転されている。
京王ライナー仕様の5000系は地下鉄対応済
都営新宿線に乗り入れられる車両は限られている。京王線だけでなく、都営地下鉄へ直通できる設備がなければ、自社線内しか走れない。
そんな中、京王5000系はすでに導入の時から都営新宿線への直通運転に対応している。
しかも、ロングシートとなる日中の普通列車として運転される場合は都営新宿線と京王線の相互直通運転用の車両としても使われている。
都営新宿線内でもロングシートから転換クロスシートに座席の配置を変えれば、いつでも京王ライナーとして走らせることができる状態である。
地下鉄への直通運転非対応のため自社線だけでしか走っていない東武鉄道のTJライナーやスカイツリーライナー、京急ウィング号などとは大きく違う。
夕方の便の始発駅を新宿駅ではなく、本八幡駅などにすることができるシステムはすでに整っている。
需要は圧倒的に新宿駅
ただし、都営新宿線内でも京王ライナーの需要が本当にあるのかは不明であるのも否定はできない。
京王線そのものの乗客のほとんどは都営新宿線よりも新宿駅を乗り降りする人が圧倒的に多い。
長距離の移動となると新宿駅が起点となる。特急や準特急などの優等列車がすべて京王新宿駅発着となっている理由はここにある。
都営新宿線は急行、快速、各駅停車のような近距離型の電車だけが乗り入れているのはそのためであろう。
京王ライナーは有料特急という形になっているため、完全に長距離利用者向けの電車である。京王新宿駅を発着とするのが需要に合っているのかもしれない。
なお、都営新宿線への乗り入れとなると座席指定券の料金も上がる可能性がある。乗車券の計算方法が京王電鉄+都営地下鉄というように別々になっている。
座席指定券の料金体系も別々に計算されて、より値段が高くなるかもしれない。そうなると乗客の数が集まらない可能性が出てくる。
こうした事情から、京王ライナーの都営新宿線への直通運転は難しいと考える。