JRの鉄道で学割が使えるのは乗車券のみに限られている。特急券は対象外で残念ながら使えない。
中学生、高校生、大学生でも自由席・指定席・グリーン車を問わず通常の大人運賃となる。
あくまでも乗車券だけが片道101km以上になる場合に限って2割引の特典が受けられる。
新幹線でも在来線の特急でもシステムは同じである。長距離の乗車券の部分だけが学割で安くなる料金だ。
なぜ特急券では学割が使えないのか。それにはちょっとした理由があるようだ。
学割=学生の移動を支援する制度
そもそも学割は学生の移動を支援する制度となっている。長距離になると運賃が高くなるため、なるべくその交通費の負担を減らすために20%の割引をJRが提供している。
乗車券とは基本運賃に当たる切符である。普通列車や快速ならどれでも乗れる。そして、移動のための必要最低限の料金でもある。新幹線や特急とは性質が全く別物。
乗車券を購入できなければどこにも行けない。しかし、学生はどうしても収入が無いもしくはものすごく少ない身分である。
鉄道は生活に欠かせない公共交通機関であり、収入が少ない学生にとっても欠かせない公共サービス。
ちょっとした弱者である学生の負担を軽減させる処置であるのが「学割」ではないか。
特急券は贅沢列車という扱い?
普通列車が必要最低限の交通手段であるのに対して、新幹線や特急は所要時間を短縮化させることを重視した速達サービスである。
快適さと時間短縮を対価に支払うお金が特急券の料金である。普通列車に付加価値を付けた移動手段ということで、生活に必要な最低限の移動手段ではない。
学割は最低限の出費に対する補助を行うことを目的に取り入れられている制度ということで、特急券が除外されているわけだ。
要約すると、
「新幹線や特急は快適さと時間短縮を重視した贅沢列車だから学割が使えない」
といっても過言ではないだろう。表現の仕方が汚いものの、実質的にこのような扱いとなっている。
学生は普通列車(鈍行)で十分なのか?
学割が新幹線や特急列車に必要な特急券で割引を受けられないということは、中学生や高校生、大学生は長距離移動でも普通列車(鈍行)を使うべきなのか。
優等列車が贅沢となると、このような考えに至るのは必然的だろう。
確かに、もし時間に余裕があるのであれば学生の身分であれば乗車券のみで乗れる普通列車でも問題ないだろう。
各駅停車・快速だけで移動して交通費を節約するという手段は大いに「あり」だと考える。
浮いた交通費で他のことにも使えるというメリットがある。移動に長い時間をかけられるのは社会人にとってはちょっと厳しい。学生だけが実行に移せるところでもある。
なお、学割と似たような性質のある企画乗車券として「青春18きっぷ」がある。全国のJR路線の在来線普通列車(快速含む)なら乗り放題となるお得な切符である。
名前の通り、もともとは所得が少ない学生をターゲットとした商品だった。今となっては社会人の人からも人気の乗り放題切符となっている。
それでも、ルーツは学割と似ている。低所得者層のためのサービスではある。