JRの学割の使用目的には制限あり! 遊び・旅行は禁止?

学割

JRの乗車券の学割には使用目的の制限がある。教育活動、就職・進学のための受験や調査、保護者の旅行への随行などでしか使えないとされている。

そもそもJR線にて存在しているのは「学生の経済的負担を軽減し、学校教育の振興に寄与すること」を目的しているため。

旅行や遊びなどの単なる娯楽のために学割を使用することは認められていない。

もっとも、現実的には建前と実態はかけ離れている。


学割の目的・理由に関する条件

学割の使用目的に関する内容は文部科学省が公式に公表している。

◎学割の使用目的(全7項目)

  • 休暇、所用による帰省
  • 実験実習などの正課の教育活動
  • 学校が認めた特別教育活動または体育・文化に関する正課外の教育活動
  • 就職または進学のための受験等
  • 学校が修学上適当と認めた見学または行事への参加
  • 傷病の治療その他修学上支障となる問題の処理
  • 保護者の旅行への随行

「学生・生徒個人の自由な権利として使用することを前提としたものではなく、修学上の経済的負担を軽減し、学校教育の振興に寄与することを目的として実施されている制度」と文部科学省のホームページに記載。

学校行事や部活などの課外活動の他にも、就職・進学のための目的にも使用が可能とされているため、学校とは関係のないことでも使うこと自体は確かに可能ではある。

とはいえ、あくまでも学校または将来のための活動目的に限られていて、「遊び」目的では決してない。

学校においても、生徒・学生には上記の内容で使用するという場合に「学校学生生徒旅客運賃割引証」を発行している。

参考:JRきっぷの「学割」のルールと条件

割引証発行の際にも理由を記載する

学割を使えるのは中学生・高校生・大学生・専門学校生・予備校生だが、いずれの場合も学割の割引証の発行申請をする際には理由を問われる。

多くの場合は、上記の7項目のうちのどれかを選択する形式をとっている。

中学校や高校では、学校の先生から「何に使うの?」とか「どこへ行くの?」と目的を口頭で質問されることがある。

大学などでは学割証の発行は自動証明書発行機で行っているところが多いが、その際にも使用目的を選択することが求められる。

使用目的の多い事例としては、中学校では保護者の随行、高校では受験やそれに関連する内容、大学生は帰省や就職に関する内容が多い。

娯楽目的では禁止(建前上)

学割の禁止事項

上記の点から、単なる娯楽を目的とした学割の利用は認められていない。

したがって、旅行や遊びでの学割使用は禁止ということになる。

東京ディズニーリゾートやユニバーサルスタジオジャパンへ行くために学割を使用することは、本来ならNG。

いずれも教育活動、就職・進学、保護者の旅行への随行とは無関係であるためだ。

使用目的の禁止の事例

禁止内容 補足
個人旅行 学校の活動とは無関係のため不可。研究調査目的はOK。
ライブ、ショー、講演参加 進路講演会など学習目的ならOK。
買い物 学校の活動とは無関係のため不可。
テーマパーク訪問(TDR、USJなど)
スポーツ観戦
※部活、サークル活動は「課外活動」に当たるためOK。

JRの乗車券にて学割を使用することが一応禁止に当たる主な例は上記になる。

文部科学省はこれらの目的で使うことは想定していない。

現実的には無視されている実態

ただし、実際問題としては学割を娯楽目的で使用している人が多いのは確か。

特に大学生や専門学校生では、旅行などで学割を利用しているケースが目立つ。

このような娯楽のための場合でも、割引証の発行申請の際には「帰省」、「就職活動」、「受験」などの項目を選んでいる人が多いように感じる。

「学校学生生徒旅客運賃割引証」の発行を認めるか認めないかは各学校の裁量にゆだねられているため、学校側が発行すればそれで学割は完全に使用可能になる。

したがって、実際には学割の使用が却下されることは皆無と考えてよい。

JRの旅客営業規則でも学割の使用目的に関しての記載は特にない。上記の指針はあくまでも文科省の方針にとどまる。

駅では目的・理由は問われない

みどりの窓口

さらに、学割に関して使用目的または理由を聞かれるのは「学校学生生徒旅客運賃割引証」の発行を自分が通う学校にて申請する場合に限られる。

駅や旅行代理店の窓口にてその割引証を使って購入する際には目的・理由を問われることはほとんどない。

JRグループ直営の「みどりの窓口」(JR全線きっぷうりばの表記も)でも、JTB、HIS、日本旅行、近畿日本ツーリスト、JR東海ツアーズなどの旅行代理店でも、「何に使うのか?」と質問されることはないと考えてよい。

身分証明書として学生証の提示を求められるくらいに限られる。

割引証には降車する目的地の駅名を記入した上で購入することになるが、娯楽目的があからさまな場合でも問題ないことがほとんど。

行先(目的地)の駅名で一瞬でわかる事例が「〇〇駅→舞浜駅」だろう。舞浜駅といえば東京ディズニーリゾートへ行く人がほとんどのため、学割で目的地を舞浜駅で購入すると怪しいのは確か。

ただ、ここでも「サークル活動」や「保護者の旅行の随行」なら認められた範囲になるため、販売を拒否されることにはまずならない。


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