ヤマト運輸の「宅急便」で時間指定をしてもその希望通りに届かない可能性はどれくらいあるのか。配達が遅れる確率は決してゼロではない。
最悪の場合は日付指定も遅れて、届けられるのが当初の予定日の次の日以降になるケースもよくある。「絶対に時間指定に間に合う」という輸送商品ではない。
発送地から届け先までの距離が長いと時間指定に間に合わない可能性が高まる。東京発だと大阪・京都・神戸などの近畿地区だと翌日の午前中の配達には間に合わない確率がアップする。
宅急便が遅れやすい条件と確率
条件 | 遅れる確率 |
午前中の指定 | 5~10% |
首都圏→関西(遠距離) | 翌日午前中=10~15%
翌日午後=5%未満 |
繁忙期 | 午前指定=20%程度
午後以降=10%程度 |
ヤマト運輸の「宅急便」は他の運送会社と比べると定時配達率はかなり高い。すなわち、遅延率は最も低い業者とも言える。
時間にはかなり正確で、日付・時間指定をすればその希望通りに届けられるというイメージがかなり強い。そのため、できるだけ最短で届けたい時はヤマト運輸を使うという人や企業がかなり多い。
とはいえ、ヤマト運輸でも日付指定や時間指定に間に合わない時もある。そして、上のような条件になるとさらに配達が遅れる確率が上がる。
輸送距離が長い
輸送距離が長いと配達が遅れる可能性が高まる。同一の地方だと翌日午前中の指定でも遅れる可能性はそう高くはならない。
しかし、発送地とは別の地方へ送るとなると途中で何かのトラブルが起きる可能性が大きくなる。
高速道路の渋滞や通行止め、トラック(運行車)の交通事故などで所要日数の通りには届きにくくなる。経由地での仕分けミスなども遅れる理由になる。
これは個人宛でも法人宛でも状況は同じである。どんな荷物であれ、遅延率は決してゼロとは言い難い。
午前中の指定は全体的に遅れやすい
配送業者において、荷主が一番希望する配達の時間帯が午前中である。8~12時までに届けることを求めるケースがかなり多い。
個人でも法人でも、届け先が不在の時間帯が長い場合でない限りは午前中を好む。平日だと会社宛ての法人で午前中を希望する。
特にヤマト運輸の宅急便は運賃の料金が他の運送会社と比べて割高になっている一方で時間に正確というイメージが強いため、急ぎで送る荷物をヤマト運輸に託す傾向が見られる。
リードタイムの面で翌日午前からの配達が可能なエリアであれば、「翌日午前中」の指定をする荷主が自然と多くなる。
みんながみんな午前中を希望するするため、どうしても貨物量が過剰になりやすい正午までの希望だと遅れる確率が上がる。
特に繁忙期(3月・7月後半・8月前半・12月)は午前中には配達に来ないことが目立ってくる。
ゆうパック・佐川急便はさらに遅れる
ヤマト運輸の宅急便でも遅れる可能性が10~20%程度になることもあるが、ゆうパックや佐川急便などのライバル他社ともいえる宅配業者ではさらに遅れやすい。
個人向けの配送を行っているのはヤマト・佐川・日本郵便の3社が中心となっている。日付および時間指定に届かない確率の順番は以下のようになる。
日本郵便>佐川急便>ヤマト運輸
日本郵便が最も遅れやすい傾向が見られる。午前中の時間指定をしてもその通りに配達できないことが結構多い。
さらに、リードタイムの面でもヤマト運輸と比べると輸送状況が悪い。首都圏→関西への所要日数では、ヤマト運輸では翌日午前中から配達が可能。
一方のゆうパックは翌日午後以降になる。どんなに速くても発送日の翌日の午前中が不可能な地域となってしまう。
佐川急便は首都圏→関西でも一応は翌日の午前中からの配達ができるとなっているものの、荷物が配達担当の営業所へ届くのが午前中の配達には間に合わない時間になりやすい。
どこの業者でもヤマト運輸の「宅急便」に勝てるところがない。