秋田新幹線のこまち号には自由席がまったくない。全車指定席となっていて、グリーン車だけでなく普通車でも指定席特急券が必要となる。
つまり、システム的にははやぶさ・はやてと同じになっている。特急料金も安い自由席がない分確実に高くなる。
在来線を走る盛岡~秋田間においても自由席はまったくない。東北新幹線の区間も不向けて、こまち号はすべての列車が指定席のみで運転される。
指定席だけの理由=速達だから
秋田新幹線のこまち号は、東京~盛岡間では速達列車として運転される。停車駅ははやぶさ号またははやて号と同じ駅にだけ止まる。
最も大きな特徴は大宮~仙台間がノンストップとなる点である。さらに、仙台~盛岡間もノンストップとなる列車がほとんどである。
こまち号はすべてはやぶさ・はやてと連結して東北新幹線の区間を走る。したがって、東北新幹線内では速達型の種別に当たる。
停車駅が多いやまびこ号には自由席がある。特に東京~仙台・盛岡間で所要時間と料金に違いを持たせるために、速達型の種別は全車指定席として、割増料金が適用されている。
JR東日本としては、遅い列車の料金を安くして速い列車を高くしたいという思惑がある。これにより、盛岡以南は速いこまち号に値段が安い自由席がない理由となっている。
盛岡~秋田間は在来線特急料金
秋田新幹線は、盛岡~秋田間は在来線を走る。具体的には、田沢湖線と奥羽本線を走る。「ミニ新幹線」と呼ばれ、新幹線の車両であるE6系がそのまま走るが、線路は完全に在来線でフル規格の新幹線ではない。
特急料金の体系も盛岡~秋田間ではふつうの在来線特急(A特急)と同じ金額に設定されている。
踏切がある地上を走り、最高速度も130km/hしか出さないため、新幹線のような割高な運賃にはならない。
すべて指定席で割安な値段になる自由席がまったく付いていないことには変わりないものの、東北新幹線などよりは安い。
東京~盛岡間はやまびこ号なら自由席あり
ところで、東北新幹線内のこまち号が走る区間は東京~盛岡間である。この区間では、連結するはやぶさ・はやて以外にもう1つ種別がある。
それが「やまびこ」である。停車駅が多い代わりに、自由席の設定が必ずある。指定席特急券でもはやぶさ・はやて・こまちよりも割安になっている。
所要時間は東京~盛岡間ではやぶさ・こまちが2時間15分程度である一方、やまびこでは3時間20分近くかかる。
約1.5倍くらい所要時間が長くなるというデメリットがある。ただ、その分財布にはやさしい。交通費を節約したい人にはぴったりだろう。
どうしても自由席にこだわるのであれば、盛岡以南ではやまびこ号を選ぶことをおすすめする。