ガソリン価格には地域差がある。例えばレギュラーガソリンでも、値段が安いエリアもあれば逆に高いエリアもある。
原油が高騰するとニュースや新聞では「小売価格の平均が…」とよく報道されているが、この値段の目安はあくまでも全国の平均値である。実際にはこれより低いところもあれば高いところもある。
なぜこのように地域によってガソリンの価格に違いが見られるのか。その理由についてみてみよう。
ガソリン価格の地域差の要因
主な要因 | 詳細 |
価格競争の激しさ | ガソリンスタンドが多く立地すると安い |
輸送コストの大きさ | 製油所から近い地域ほど安い |
需要の大きさ | 人口が多い都市部ほど安い |
燃料価格資料:現在のガソリン価格(gogo.ss)
価格競争が激しい地域は安い
ガソリンスタンドが多く立地するエリアは価格競争になりやすい。レギュラーもハイオクも経由も灯油も燃料の質はどこの会社であってもほぼ同じであるため、競合する根拠は価格のみになる。
ポイントカードなどを導入しているところもあるが、結局のところは値段の安さを争うしかない。
ガソリンスタンドが多く立地する場所とは、交通量が多い幹線道路であることが多い。郊外のバイパスで良く目立つ。
街中は土地がないことからあまりガソリンスタンドがない。ちょっと郊外の住宅地と田畑が入れ乱れる地域に多い。
輸送コストが安い港の近くは安い
製油所からの輸送コストが少なくて済むような地域ではガソリンが安い傾向にある。
例えば、首都圏では千葉県や中部では愛知県、関西では和歌山県、兵庫県南部、大阪府南部が安い傾向にあるが、それは製油所が近くにあるからである。
逆に内陸部の県ではガソリン価格が高い傾向にある。例えば、滋賀県、岐阜県、長野県、山梨県は全国的に見てもガソリン価格が高い。
製油所が立地する港から遠いことに加え、交通の便も良くない。高速道路が通っていても、港から見て山間部を超える地域だとその分輸送コストが高くなりやすい。
需要が多い都市部は安い
ガソリンの消費量が多いのは田舎よりも都市部になる。交通量の絶対値が多ければ、その分ガソリンスタンドが多く立地し、価格競争が進展しやすい。
首都圏や東海地方、関西圏、山陽地方、福岡県北部は全体的に人口密度が高い。そのため、交通量も多くてガソリンの需要が大きい。
ガソリン価格を掲載したサイトを見ても、安値ランキングではこれらの地域が上位にランクインするのはそのためだ。
ただし、需要が多くても東京都内や鉄道社会が浸透した市街地ではガソリン価格が高い。これは、そもそもガソリンスタンドの数が少ないためである。
都心に行くとわかるが、ガソリンスタンドはあまり見かけない。供給側が市場を独占できるような性質ができる。結果としてガソリン価格が高くなりやすい。