静岡県内のガソリン価格は全国的に見ても高い方になる。<静岡県内のガソリン価格(gogo.ss)>
太平洋側の地域であるのに、なぜもっと安くならないのか。理由は2つあることが分かった。
残念ながら、静岡県内にはまず製油所が存在しない。政令指定都市である静岡市と浜松市がある県だが、石油精製のための施設がない。
また、大規模な港が存在しない。大きなタンカーが入港できるのは、最寄で名古屋港か横浜港になる。つまり、中京圏か首都圏から運んで来なければならないというわけだ。
これら2つの事情から、静岡県のガソリン価格が高い水準となっている。山梨県や長野県の事情と似ている。
静岡県ならではの事情
ガソリン価格が地域的に安くなるために必要な要素は、次の3つになる。
ガソリンが安くなる要因 | 詳細 |
人口が多い | ガソリンが売れるため、ガソリンスタンドが多く立地して競争が生まれる |
自動車社会が定着 | 鉄道中心ではガソリンの需要がそもそも出ない |
交通の便が良い | 港からの交通アクセスが良いと輸送費が下がる |
参照:ガソリン価格、なぜ地域差があるのか!? 安い・高いエリアの理由
静岡県はこれら3つすべてを満たしているのは確かである。政令指定都市が2つもあるということで、決して僻地の田舎ではない。
地図を見ると、静岡県は交通の便が非常に便利な良い。東京~名古屋の中間に位置し、日本の大動脈である東名高速道路なども走っている。
東京、名古屋、大阪とも行き来がしやすい土地になるのが静岡というところであるのは言うまでもない。
人口も結構多く、交通量も多い。一方で大都市部というわけではないため、自動車社会が定着している。ガソリンが安くなる条件を満たしている。
最近は特に「格安ガソリンスタンド」が増えている。ENEOSや出光、コスモ石油、シェルなどのブランドSSと比べると値段が割安になっている。
参照:格安ガソリンスタンド、なぜ周辺より低価格を実現できる!?
複数の製油所で精製されたガソリンや軽油、灯油を安く仕入れていることで、最終的な値段も低くなるが、それでも静岡県内は格安でも高い。
静岡県は輸送費がかかる
ただし、静岡県は付近の大都市と比べると圧倒的に輸送費がかかるのは避けられない。ガソリンスタンドまで精製した石油を運ぶためにはタンクローリーを使う。
製油所から運ぶことになるが、静岡県の全域はそこから片道10km以上は離れている。数十kmの道のりでガソリンスタンドがある神奈川県や愛知県と比べるとはるかに離れている。その分輸送費もかかる。
静岡エリアよりも首都圏内・中京圏内のガソリンスタンドへ石油を運ぶ方が、輸送費が安くなり、結果的にガソリン価格も安い値段となる。
しかも、東京・横浜近辺の地域の方が静岡県内よりも人口も多い。交通量も圧倒的に多い。ガソリンがどちらの方が売れるかというと、より大きな都市圏になる神奈川県内や愛知県内になる。
こうした背景から、静岡県内のガソリン価格は周辺の都道府県よりも高い傾向にあると考えられる。
まとめ
静岡県内 | 神奈川・愛知 |
ガソリンが高い | ガソリンが安い傾向 |
港・製油所から距離が遠い | 港・製油所が立地 |
相対的に人口が少ない | 圧倒的に人口が多い |
静岡県には周辺の地域(首都圏・中京圏)よりもガソリンが高くなる事情がある。