出張でのグリーン車利用のOK/NG、それぞれの対象者とは?

グリーン車

仕事の出張にて新幹線や在来線特急のグリーン車を利用しても良い人、ダメな人とは、自身の役職と職場の方針によって分けられている。

大きく分けると、以下の2パターンに分かれる。

  • 役員のみ新幹線・在来線特急での利用が認められている
  • 一切認めない

部長級以下の役職、つまり「従業員」に該当する人達はグリーン車に乗ることが認められていない職場がほとんど。

仮に乗ったとしても、全額自腹または普通車との差額分のみの支給となる。


国内出張でグリーン車乗車を認める企業の割合

役職 認める割合
新幹線 在来線特急
社長 74.5% 74.7%
専務 62.8% 66.1%
常務 62.8% 64.0%
取締役 57.4% 59.1%
部長級 8.2% 12.8%
課長級 4.5% 8.2%
係長級 3.2% 4.6%
一般(平社員) 3.2% 4.6%

調査結果:労務行政研究所「国内・海外出張旅費に関する実態調査」より(2014年6月3日掲載)https://www.rosei.or.jp/research/pdf/000062691.pdf

上記の表は、国内出張におけるグリーン車の利用の利用等級基準を示したもの。

新幹線および在来線特急において、通常の昼間の出張でグリーン車の利用を会社経費として認めているかを尋ねた際の回答結果が上記のようになる。

参考:【比較表】新幹線のグリーン車と普通車の違い! 各項目ごとに調査

会社役員は過半数でグリーン車がOK

会社役員

会社役員のグリーン車の利用可否の傾向

  • 社長:3/4はグリーン車乗車可
  • 専務:2/3はグリーン車乗車可
  • 乗務:2/3はグリーン車乗車可
  • 取締役:過半数はグリーン車乗車可

会社役員と従業員の差が歴然としているのがわかる。

社長は全体の4分の3、専務と常務は3分の2、取締役は過半数を維持する程度ということがわかる。

「取締役」でさえ全体の4割ちょっとの職場では、グリーン車の利用が認められていない。

バブル経済だった1990年初頭では8~9割がグリーン車の利用が一般的だった。

しかし、近年は経費削減が積極的に行われている会社が多くなっている中、「偉い人」であっても普通車を利用することが一般的になっている。

>>通勤でグリーン車を利用する人とは、こんな人たち!

部長級・課長級はグリーン車NG

普通車の対象になる部長以下の役職

中間管理職のグリーン車の利用可否の傾向

  • 部長:1割程度はグリーン車乗車可
  • 課長:5~10%はグリーン車乗車可

部長級、課長級になると一気に出張でのグリーン車の利用が認められている会社の割合が少ないことが読み取れる。

新幹線に至ってはいずれも1割を切っている。

基本的に部長級以下の「従業員」に該当する役職の社員は普通車での移動が当たり前。

「○○km以上はグリーン車OK」といった条件付の利用が認められている会社もあるが、その数もかなり少ない。

平社員は完全にNG

平社員

労働者のグリーン車の利用可否の傾向

  • 係長:5%程度はグリーン車乗車可
  • 一般:5%はグリーン車乗車可

一般社員、つまり「平社員」も国内出張でグリーン車の利用が認められている会社はほぼゼロに近い。

係長級以下の社員にてグリーン車の利用が認められる会社は全体の4.6%。

20社に1社あるかないかのレベル。

本当に経費にコストをかけられる会社ならグリーン車の利用が認められているが、そうではない会社がほとんど。

一般社員の出張では、新幹線や在来線特急では普通車が大原則といえる。

なお、一般社員とは主任級、担当者級のことを指す。

特例条件は上記には含まれない

なお、労務行政研究所によるグリーン車の利用可否の対象は通常期の昼間の国内出張の場合に限ったもの。

実際には、時期や時間帯によっては新幹線や在来線特急にてグリーン車の利用が認められているケースも見られる。

出張という括りでは同じでも、疲労感の度合いや空席状況によってはグリーン車をOKとする場合がこれに該当する。

具体的な特例条件

「昼間は普通車のみ、早朝や夜間の移動を伴う場合はグリーン車可」といったように柔軟な対応をしている場合がある。

「普通車指定席が満席の場合はグリーン車を認める」といった条件も想定される。

年末年始・GW・お盆のような時期だと普通車指定席は確実に満席になる。一方でグリーン車には空席が残っていることがよくある。

参考:【路線別】新幹線のグリーン車の混雑状況の調査結果

このような場合に限って一般社員でもグリーン車を認める会社も存在するのは確か。

在来線グリーン車はまた別

在来線グリーン車

ところで、「グリーン車」という名前がつく特別車両は新幹線や在来線特急などの特急料金が必要となる列車だけにあるわけではない。

在来線の普通列車(快速含む)にも、JR東日本が運行する首都圏ではグリーン車が用意されている。

東海道線・宇都宮線・高崎線・常磐線・総武線快速・中央線快速・横須賀線がこれに該当。

これらのグリーン車の利用を出張で認めているかどうかも各企業で異なる。ただし、新幹線・在来線特急の国内出張の規定とはまったく違う。

就業規則に記載なしがほとんど

在来線グリーン車はそもそも就業規則などには記載されていないところがほとんどと考えられる。

あくまでも普通列車であるため、出張で普通列車グリーン車の利用は想定されていない。

これの可否に関しては、各職場の上長または総務・経理の部署による判断で左右される。

会社としてはの取り決めがなく、従業員の在来線グリーン車の利用が絶対的にNGとは言い切れない。

長距離は新幹線・在来線特急の利用が基本

もっとも、鉄道での出張で長距離になる場合は新幹線・在来線特急の利用が基本になる。

在来線普通列車のグリーン車を乗る人は長距離利用が主流。

短距離ではまずグリーン車の利用が完全100%不可になることが想定されるが、それが認められる長距離利用だと今度は普通列車ではなく新幹線・在来線特急を選択して移動時間を短縮されるように促されるのが通例。

そもそも出張にて普通列車グリーン車という選択肢が出てくることがない。