上野東京ラインのグリーン車の混雑状況を時間帯・区間ごとに調査。平日、土日祝それぞれの結果を掲載。
全体的な傾向としては、朝夕の通勤ラッシュはもちろんのこと、午前中の上り列車、夕方以降の下り列車にて満席になる可能性が高い。
都心へ向かい通勤客が殺到する朝ラッシュの時間帯は、絶対に座りたいという人がグリーン車に殺到。夕方は仕事で疲れ切った人が座りたいということでグリーン車を使う。
土日の場合は、朝の時間帯に混雑するのは都心方面へ行く上り電車だけではない。都会から郊外の行楽地へと向かうレジャー客でグリーン車が満席に近い状態となることがある。夕方は逆に家に帰る人で上下線とも混み合う。
目次
平日:時間帯別の混雑状況
上野東京ラインのグリーン車も他の路線と同じように、午前と午後で時間帯ごとの混雑状況が大きく異なる。
朝を中心とした午前中は上り列車、夕方から夜を中心とした午後は下り列車が混雑しやすい。
平日は基本的に普通車の混雑状況に連動する。超満員電車の時間帯ではグリーン車も空席ゼロ。デッキに立っている人さえいる。
参考:上野東京ラインの混雑状況とは!? 朝ラッシュの時間帯の乗車率
なお、上り・下りの基準点は東京駅。ここを境に混雑の動向が180度変わる。
◎グリーン車の路線ごとの混雑事情
首都圏のJR東日本在来線のグリーン車の時間帯・区間別の混雑の傾向は、これらにて解説する。
上り列車
時間帯 | 混雑度 | 時間帯 | 混雑度 |
---|---|---|---|
6:00-6:30 | 3 | 8:30-9:00 | 5 |
6:30-7:00 | 4 | 9:00-9:30 | 4 |
7:00-7:30 | 4 | 9:30-10:00 | 3 |
7:30-8:00 | 5 | 10:00-10:30 | 3 |
8:00-8:30 | 5 | 10:30-11:00 | 2 |
※上記以外の時間帯は空席がある。
上野東京ラインの平日の朝は上りの東京駅方面の列車のグリーン車が満席になりやすい。
各路線によって実際の乗車率は異なってくるものの、遠方の駅を始発する列車ほど混雑しやすい。
南行は宇都宮始発(宇都宮線)、高崎始発(高崎線)、勝田始発(常磐線)が長距離列車に該当。
普通車の朝ラッシュの混み具合と同じで、各時間帯の混雑率に比例する形になる。
7時台に入るとグリーン車も満席になりやすくなる。7時台後半と8時台前半は乗車率100%になる。
グリーン券を購入して乗っても座れない。中には座れないことを覚悟で乗ってデッキに立っている人もいる。
空席が見られるようになるのは9時以降になる。通勤客の利用者がほぼいなくなってからの時間帯まで待たなければならない。
下り列車
時間帯 | 混雑度 | 時間帯 | 混雑度 |
---|---|---|---|
15:00-16:00 | 2 | 18:30-19:00 | 5 |
16:00-17:00 | 2 | 19:00-19:30 | 5 |
17:00-17:30 | 3 | 19:30-20:00 | 5 |
17:30-18:00 | 4 | 20:00-21:00 | 4 |
18:00-18:30 | 5 | 21:00-22:00 | 3 |
上野東京ラインの下り列車のグリーン車の混雑は夕方から夜にかけての時間帯にやってくる。
17時半ごろまでであればどの区間でもどの時間帯でも常に空席がある状態。
帰宅ラッシュが始まる18時頃からは一気に満席になりやすい。
18時台と19時台は東京駅を基準に考えて下り方面へ向かう電車のグリーン車は満席になりやすい。
この時間帯に東海道線側は品川駅や横浜駅から乗車、宇都宮線・高崎線では赤羽駅や大宮駅から乗車するとグリーン車でも座れないことがよくある。
朝と同じく普通車の帰宅ラッシュの混み具合に比例する。
上野東京ライン全体の夕方・夜の状況は「帰宅ラッシュの夕方・夜の混雑状況」の記事にて述べるが、18~20時頃は満員電車になる。これはグリーン車も例外ではない。
20時以降になれば空席が多くなる。
一方の東海道線・宇都宮線・高崎線にて通過駅の設定がある「通勤快速」に限っては最終までグリーン車は満席になりやすい。
土日祝:時間帯別の混雑状況
土日祝も午前と午後で時間帯ごとの混雑状況が大きく異なる。
午前中は上り列車、夕方から夜は下り列車が混雑しやすい。
ただし、平日よりも午前中の混雑しやすい時間帯はお昼ごろまで続く。
朝の通勤が少ない一方、行楽客が多くなる8時半~10時半頃までがピークになる。
上り列車
時間帯 | 混雑度 | 時間帯 | 混雑度 |
---|---|---|---|
6:00-6:30 | 2 | 9:30-10:00 | 5 |
6:30-7:00 | 2 | 10:00-10:30 | 5 |
7:00-7:30 | 3 | 10:30-11:00 | 4 |
7:30-8:00 | 3 | 11:00-11:30 | 4 |
8:00-8:30 | 4 | 11:30-12:00 | 3 |
8:30-9:00 | 5 | 12:00-12:30 | 3 |
9:00-9:30 | 5 | 12:30-13:00 | 2 |
土日祝の午前中は上り(東京方面)の列車のグリーン車が満席になりやすい。この点では平日と同じ。
最も混雑するのは8時半から10時半ごろまでの2時間。
一方で平日のピークに当たる7時台、8時台前半はまだ空席が残っている可能性がある。
上野東京ラインを構成する東海道線・宇都宮線・高崎線のいずれも同じ。
常磐線は特急列車の運転が充実していることもあって、普通列車グリーン車はあまり利用者数が多くはない。
下り列車
時間帯 | 混雑度 | 時間帯 | 混雑度 |
---|---|---|---|
15:00-16:00 | 2 | 18:30-19:00 | 5 |
16:00-17:00 | 2 | 19:00-19:30 | 5 |
17:00-17:30 | 3 | 19:30-20:00 | 4 |
17:30-18:00 | 4 | 20:00-21:00 | 4 |
18:00-18:30 | 5 | 21:00-22:00 | 3 |
上野東京ラインの休日ダイヤの土日祝の下り列車のグリーン車の混雑は、平日と同じく夕方から夜にかけての時間帯がピーク。
具体的には18~19時半ごろまでが下りのピーク。
休日は帰宅する人達の行動が比較的早い時間帯にやってくる傾向があるため、19時半以降は空席が見つかりやすい。
17時半ごろまでの時間帯は常に空席がある状態だが、それ以降は19時半までは満席の可能性が一気に上がる。
なお、東海道線の「快速アクティー」、宇都宮線の「快速ラビット」、高崎線の「快速アーバン」に関しては普通列車よりもさらに混雑する。
これらの快速電車においてはグリーン車の1階席でさえも満席で空席ゼロになることがかなり多い。
区間ごとの混雑状況
次に区間ごとのグリーン車の混雑状況について。今回は上野東京ラインとして重要な大宮~大船間に着目。
上りは朝ラッシュ、下りは夕方の時間帯での区間毎のレベルを★印5段階で示すと以下のようになる。
なお、朝ラッシュの下り方面の電車はグリーン車でも満席になるほどではない。
逆に夕方の上り(東京方面)列車も朝ほどの混み具合ではない。空席がどこかには残っていると考えてよい。
南行(横浜方面行)
駅間 | 宇都宮線からの直通 | 高崎線からの直通 |
---|---|---|
~大宮 | ★★★★★ | ★★★★★ |
大宮~さいたま新都心 | ★★★★ | ★★★★ |
さいたま新都心~浦和 | ★★★★ | ★★★★ |
浦和~赤羽 | ★★★★ | ★★★★ |
赤羽~尾久 | ★★★ | ★★★ |
尾久~上野 | ★★★ | ★★★ |
上野~東京 | ★★★ | ★★★ |
東京~新橋 | ★★ | ★★ |
新橋~品川 | ★ | ★ |
品川~川崎 | ★★ | ★★ |
川崎~横浜 | ★★ | ★★ |
横浜~戸塚 | ★★ | ★★ |
戸塚~大船 | ★★ | ★★ |
大船~ | ★★ | ★★ |
朝の時間帯を中心に区間ごとのグリーン車の混雑状況を見ると、南行(横浜方面)では上記のような形になった。
宇都宮線・高崎線内の区間にてピークに達する。
最混雑なのは大宮駅に到着する電車。その後はひたすら降りていく一方。
その後、品川駅、横浜駅、戸塚駅からやや乗車客が多くなるものの、満席になるほどのレベルではない。
上野東京ラインという括りでは同じでも、宇都宮線の方が高崎線よりも若干乗車率が高いと感じた。
北行(大宮方面行)
駅間 | 宇都宮線直通 | 高崎線直通 |
---|---|---|
~大船 | ★★★★★ | ★★★★★ |
大船~戸塚 | ★★★★★ | ★★★★★ |
戸塚~横浜 | ★★★★★ | ★★★★★ |
横浜~川崎 | ★★★★★ | ★★★★★ |
川崎~品川 | ★★★★★ | ★★★★★ |
品川~新橋 | ★★★★ | ★★★★ |
新橋~東京 | ★★★ | ★★★ |
東京~上野 | ★★ | ★★ |
上野~尾久 | ★ | ★ |
尾久~赤羽 | ★ | ★ |
赤羽~浦和 | ★★ | ★★ |
浦和~さいたま新都心 | ★★ | ★★ |
さいたま新都心~大宮 | ★★ | ★★ |
大宮~ | ★★ | ★★ |
同じく朝の時間帯に着目した場合の区間ごとの混雑状況。北行(大宮方面)は上記のような結果になった。
グリーン車の混雑区間は東海道線内。茅ヶ崎駅辺りから満席になり、品川駅は高い乗車率が続く。
品川駅からようやく空席が出てくるようになる。
その後、赤羽駅、大宮駅からやや乗車客が多くなるものの、満席になるほどのレベルではない。
上野東京ラインでも一部列車は上野止まりになるが、混雑は宇都宮線・高崎線直通列車とほぼ同じで変わりはない。
まとめ:各路線ごとの傾向
最後に上野東京ラインを構成する東海道線・宇都宮線・高崎線ごとのグリーン車の混雑の傾向について。
時間帯ごとの乗車率こそはほぼ同じだが、満席が考えられる区間に違いがあるのは避けられない。
東海道線
上野東京ラインでも東海道線の神奈川県方面の場合、平日の朝は7~9時頃までは上りの東京方面へ行く普通電車のグリーン車が混雑して満席になる。
熱海駅・小田原駅始発の場合は遠距離ユーザーが多く利用することもあって、特にグリーン車の空席がほとんどない状態とおなる。途中駅からの座席の確保は難しい。
満席の状態は平塚駅から品川駅まで続く例がほとんどである。空席が再び出てくるのは山手線と並行する都心部のエリアに入っていからであると考えてよい。
夕方から夜間にかけての平日は、下り線が通勤客で混雑して満席になる。行き先によって混雑度は異なる。
平塚止まりは多少空いているが、小田原・熱海行の場合は東京駅より南側ではまず席を取るのは難しい。通勤快速となるとさらに困難である。
土日に関しては、朝夕ともに平日ほどは混雑しない。探せば空席も若干はあるケースがほとんどである。とはいえ、平日とは違って上下線ともに混み合う時間帯があるのも特徴だといえる。
宇都宮線・高崎線
上野東京ラインの首都圏北部へ延びる宇都宮線と高崎線の場合、グリーン車の混雑状況は東海道線よりも激しいといえる。
平日の朝ラッシュ時について、宇都宮線は古河以北、高崎線は熊谷以北でしか座席を取るのは困難な状態。空いてくるのは8:30以降である。
夕ラッシュに関しても、東海道線と同じくらい空席がまったくない状態になるケースが多い。遠距離を移動する人が多く乗る通勤快速の場合、始発駅の上野駅から乗らない限り空席はないと考えてよい。赤羽からでは満席で座れないことも十分に考えられる。
土日については、宇都宮線は黒磯駅と都心を直通する電車が特に多くの人がグリーン車を使う。また、上りは宇都宮・高崎線ともに午前中を中心に満席になりやすい。
8時~11時頃までは大宮駅に近づくほど座席の残り数が少なくなる。宇都宮線は久喜駅や白岡駅、高崎線は鴻巣駅や北本駅辺りでグリーン車の空席がほとんどなくなることがある。
特に宇都宮駅始発・高崎駅始発は長い距離を移動する人が多くなるため、小金井駅始発や籠原駅始発の電車よりもグリーン車が埋まりやすい。
下りの宇都宮線は、乗り継いで福島県方面へ行く乗客が乗る電車となるため、快適なグリーン車を使う人が多い要因となっている。
宇都宮行についても、同じく遠距離ユーザーが殺到するため、小金井止まりに比べるとグリーン車の乗車率が高い。
高崎線については、宇都宮線ほど平日・土日の混雑度は高くない。こちらは特急列車も走っているため長距離を移動する人があまり普通列車には乗らないためであると考えられる。
とはいえ、通勤ラッシュの場合は混雑度の違いは見られない。空席はないという前提を持っているのがよいだろう。