近鉄大阪線の急行・快速急行のトイレの設置状況について。その見分け方と運用編成について取り上げる。
結論を言うと、青山町駅から伊勢中川方面へ乗り入れる車両には必ずトイレが設置されている。
一方の名張駅または青山町駅発着またはそれより以西のみの区間を走る電車は種別に関係なくトイレ無しが多い。
近鉄大阪線のトイレの設置状況
~近鉄大阪線の区間ごとのトイレの有無~
- 大阪上本町駅 – 五十鈴川駅・宇治山田駅・伊勢中川駅間:全列車トイレあり
- 大阪上本町駅 – 名張駅・青山町駅間:一部トイレ無し
近鉄大阪線の運転区間ごとのトイレの設置状況は上のようになる。
長距離にわたって運転される列車ではトイレ有の車両が優先的に割り当てられている。
一方の近距離区間の運転ではトイレの有無で編成は割り当てられていない。
五十鈴川・宇治山田・松坂・伊勢中川発着
近鉄大阪線を走る車内トイレありの車両 | ||
車両 | トイレの種類 | 概要 |
---|---|---|
5200系 | 洋式 | 転換クロスシート車=トイレ有
ロングシート車=トイレ無しが多数 |
5800系 | 洋式 | |
5200系 | 洋式 | |
2610系 | 洋式 | |
1400系 | 洋式 | |
2800系 | 洋式 | |
※いずれも大阪線所属の一部編成のみトイレ有 |
近鉄大阪線の急行および快速急行の中でも大阪上本町駅と青山町駅より東側まで乗り入れる列車にはトイレ有の編成で運用される。
該当する車両は上の通りである。
車内トイレはいずれにも設置されている。タイプはすべて洋式トイレ。
かつては和式トイレが主流だったものの、各車両ともに老朽化が進んだ結果、設備の更新が近年相次いで実施された。
これにより、近鉄大阪線の車内トイレも改造されて、和式便器から洋式便器へ変更された。
ただし、同じ型式の車両でもすべての編成でトイレがあるわけではない。あくまでも座席が転換クロスシートで長距離向けの列車の内装を施したものに限られる。
例えば、5800系でも長距離向けと近距離向けの2パターンがある。
>>近鉄名古屋線のトイレの有無 ー 急行はすべて付いている!?
名張・青山町発着
~発着駅ごとの車内トイレの有無~
- 大和八木駅発着:トイレ無し多数
- 名張駅発着:トイレ無し多数
- 青山町駅発着:一部でトイレ無し
名張駅または青山町駅発着の急行、快速急行では基本的に使われる車両は準急などの停車型の種別との区別は行われていない。
特に名張駅以西のみの運転となる電車では、トイレ無しの車両が多数派を占めるとみられる。
座席タイプも「ロングシート」と呼ばれる、進行方向に対して横向きに座るタイプのもの。
近距離輸送に特化した車両ということもあって、最初からトイレ無しで製造された経緯がある。
近鉄奈良線や京都線でもトイレ無しの車両で運転されているが、大阪線の近距離向け電車もこれと同じ。
特急列車の場合はトイレが例外なく付いているものの、車両による違いがあるのが急行・快速急行というわけだ。
>>近鉄の特急券の運賃はなぜ高い!? 乗車券のみの急行以下の2倍超に!
準急、区間準急、各停はトイレ無しが基本
~その他の種別のトイレの有無~
- 準急:トイレ無し多数
- 区間準急:トイレ無し多数
- 各駅停車:トイレ無し多数
基本的に準急、区間準急、各駅停車の種別ではトイレ無しの車両が割り当てられる。
名張駅以西のみの運転となる急行・快速急行と比べてもさらにトイレ無しの確率が大きい。
乗客の層を見ても、これらの準急以下の種別は近距離のみの利用者がほとんどを占める。
朝や夕方・夜の通勤ラッシュの時間帯でも、大阪市内と奈良県内を行き来する人は急行以上の種別を選ぶ。
ただし、ダイヤの乱れが生じた時はこの限りではない。車両の割当てが混乱してしまうことから、ダイヤ復旧時にはランダムで車両の割当てが行われる。