国道23号線「名四国道」は名古屋都市圏でも渋滞が激しい道路である。国道1号線のバイパスとはいえ、毎日のように激しく混雑している。
名古屋市内でも桑名市、四日市市内でも至るところで渋滞が起きている。なぜこれほど激しくて、しかも長年にわたってまったく解消されない状態が続いているのか。
大きな要因の1つは信号機の多さである。大高インター以西の区間は平面区間が続く。港区内には高架化された部分があるものの、名豊道路のように完全な立体化が続くバイパスではない。
その一方で、車の通行量は中京圏でも屈指のおおさを誇る。渋滞が起きる原因は目に見えている。
名四国道の渋滞の解消は無理か?
今起きている渋滞を解消させる方法としては、交通量そのものを下げるか、道路自体を高規格にする、あるいは新しいバイパスをさらに建設するという手段がある。
車社会が定着した現代において、大動脈である国道23号線の交通量を少なくするのははっきり言って不可能である。
そこで、残された方法は以下の通りとなるだろう。
- 立体交差化して信号機の平面交差点を解消
- もう1本バイパス道路を新規に建設
- 高速道路の無料化または値下げ
物理的に交通容量を増やすためには、既存の平面の交差点を立体化して本線を高架化または地下化する必要がある。
国道23号線「名四国道」の高架化の拡大、行われる予定はあるか!?
しかし、名四国道の周囲を見ると、交差点を立体化できるほど土地に余裕がない。連続の地下化も予算の都合上かなり難しいだろう。
国道1号線「北勢バイパス」で渋滞解消?
2つ目は、新規でもう1本バイパス道路を建設するという案である。こちらは、実際に一部実施に移されている。それが、国道1号線「北勢バイパス」である。
伊勢湾岸自動車道のみえ川越インター付近から四日市まで新たに建設される予定となっている。目的は言うまでもなく、既存の国道23号線の名四国道の渋滞解消である。
現在でも一部の区間は開通している。暫定2車線となっているものの、半分くらいは出来上がっている。
北勢バイパスが全線開通すると、三重県内の国道23号線はやや混雑が解消されると思われる。
さらに、新名神高速道路の未開通部分ができることで、これまでの東名阪道の激しい渋滞が解消されて、一般道路ユーザーの一部が高速道路へ移ることも期待できる。
伊勢湾岸道が名四国道のバイパス?
ただし、これは三重県内の区間に限った話である。名古屋市内に関しては、未だに渋滞が解消される見込みが立っていない。
三重県内のように新しいバイパス道路を作る計画もない。今のような激しい渋滞は今後も続くだろう。
とはいえ、かつては第二の名四国道の建設計画が存在していた。そして、それが結果的には伊勢湾岸自動車道となった歴史がある。
残念ながら伊勢湾岸道は高速道路ということで有料道路である、無料のルートを選ぶ人は依然として国道23号線を走る。
高速道路の無料化や値下げが実施されれば、今の名四国道の渋滞は和らぐだろう。でも、これが実行される可能性が薄い。高速道路へのシフトは現実的に低い。