みどりの窓口が次々と廃止される理由! 3つの事情を分析

みどりの窓口

みどりの窓口が相次いで廃止されたり営業時間が短縮されている理由とは、座席指定券のネット予約の増加、それらのオンラインサービス更なる利用の促進、人件費の高騰の3つ。

JRグループ各社や地域によっても事情はやや異なる点があるものの、次々と閉鎖されている原因は概ね同じである。

経営状態が悪化しているわけではないものの、有人窓口を設置していることによりデメリットがある。将来的にはみどりの窓口が大規模な駅にだけ設置ありとなる可能性も否定できない。



なぜみどりの窓口が閉鎖/営業時間短縮?

みどりの窓口の廃止/時間短縮の背景
主な理由 詳細な内容
自動券売機の性能向上 自動券売機は以前は近距離の乗車券のみしか取り扱いがない駅が多かったが、機械の性能向上で座席指定券の発券もできるようになり、窓口の需要が低迷。
座席指定券のネット予約の普及 座席指定券のネット予約が可能になったため、中小規模のえきを中心に利用者数が減少。スマホの普及効果が大きい。
人件費の高騰 正規雇用のみならずパート社員のような非正規雇用の人件費が近年高騰している。有人窓口にかかるコストを削減するため。
オンラインサービスの利用推進 みどりの窓口よりもえきねっと、e5489などのオンラインサービスを利用してもらうように誘導する狙いも。

みどりの窓口の廃止や営業時間の短縮は2015年ごろから急速に進んでいる。

それまでは、ある程度乗降客数がある駅では「みどりの窓口」が設置されていた。

現在では大規模な駅での設置がほとんどで、中小規模の駅には券売機のみがある例が主流。

>>みどりの窓口の混雑状況を曜日・時間帯ごとに調査

自動券売機、ネット予約の普及

1990年代まで=座席指定券の予約は駅の窓口(みどりの窓口)
2000年代=自動券売機が主流に
2010年代=スマホ普及でネット予約が増加

インターネットが一般人に広く普及する前は、座席指定券の予約方法といえば、駅の窓口に並ぶという方法が主体だった。

自動券売機とネット予約の登場が窓口の必要性を減らすきっかけとなった。

みどりの券売機の普及

みどりの券売機

みどりの券売機

インターネットが一般家庭に開通するようになった2000年代前半になると少しずつ新幹線や在来線特急の切符をネットで購入する手段が出てきた。

同時に駅の自動券売機の性能も向上し、「みどりの券売機」のように新幹線や在来線特急の座席指定ができる券売機が多くの駅に設置された。

切符の購入方法は有人窓口ではなく自動券売機を選ぶ人が増えた。

駅でも自動券売機「みどりの券売機」が登場し、機械による座席指定ができるようになった。

列の待ち時間もみどりの窓口よりも券売機の方が短いこともが多く、特に理由がない人は券売機を選ぶようになった。

スマホ普及

そして、現在ではスマホが普及したことによってインターネット上で予約する方法を選ぶ人がかなり多くなった。

自動券売機が主流になったこととスマホの普及効果がみどりの窓口を閉鎖したり営業時間を短縮しても支障が少なくなった最大の理由といえる。

ネット予約のメリットは窓口の順番待ちの列に並ばなくて良いという点だけではない。事前購入が条件の切符を中心に割引サービスがあるものが多い点もある。

スマホからJRの会員ページにログインして新幹線・特急の指定席を予約する方法ができ、対照的に有人窓口を利用する人が減った。

みどりの窓口を存続させる理由が薄くなったのは間違いない。

人件費の高騰

人件費の高騰はどこの業界でも懸念されている材料であるが、鉄道会社もまたその例外ではない。

みどりの窓口を存続させるためには多額のコストを費やして従業員を配置する必要がある。

みどりの窓口は正社員だけでなくパート社員などの非正規雇用者も配置しているが、その非正規でも人件費が上がっている。

しかも早朝から営業しているところ、深夜まで営業しているみどりの窓口では、そうではない駅より人件費がかかる。

赤字の路線を多く抱えているJRであるほど人件費によるコストの出費の負担は懸念材料になる。

オンラインサービスの利用推進

みどりの窓口が閉鎖されたり営業時間が短くなっている理由は利用者の減少や人件費の高騰だけではない。

ネット予約に誘導する目的もあるようだ。これまではみどりの窓口を利用していた人をJR各社のオンラインサービスを利用するように推進したい思惑だ。

JR各社にはそれぞれ次のオンラインサービスがある。

鉄道事業者 ネット予約サービス
JR東日本 えきねっと (JR北海道含む)
JR東海 エクスプレス予約、スマートEX (山陽新幹線含む)
JR西日本 e5489 (JR四国、JR九州含む)
JR九州 ネット予約

みどりの窓口を利用するのではなく、これらのネット予約のオンラインサービスを使ってもらいたいというのがJRグループ各社の本音だろう。

例えば、JR東日本では「えきねっと」を促進したいという狙いがある。JR西日本もe5489を使ってもらいたいという狙いがある。

ネット予約はクレジットカードしか使えないサービスもある。それにより、JRグループが運営しているクレジットカード会社も広めることができる。

JR東日本ならビューカード、JR西日本ならJ-WESTカードがこれに当たる。

みどりの窓口を廃止したり時間短縮をすることで、間接的にクレジットカードユーザーを増やせるというメリットがあるわけだ。

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