なぜJR東海は「みどりの窓口」の名前を使わない!? 理由は3つ

JR東海のみどりの窓口(JR全線きっぷうりば)

JR東海の駅の切符売り場では「みどりの窓口」という名前が使用されていない。代わりに「JR全線きっぷうりば」という案内板を用いている。

名古屋駅やJR東海管轄エリアの東京駅、品川駅、新大阪駅などでもJR全線きっぷうりばという案内にしている。

なぜこのようにJR東海だけが「みどりの窓口」という名称を使わないのか。理由は意外と単純。


JR東海だけみどりの窓口ではない理由

主な理由 詳細な内容
指定席券は窓口ならどこでも発券可能だから かつて指定席券を発売できたのは専用のコンピューターがある駅(みどりの窓口)に限られていたが、現在では窓口がある駅すべてでできるようになったことが背景。
他社JRと区別するため 東京駅、品川駅、京都駅、新大阪駅などは他社JRと窓口が分かれている。JR東海とそれ以外の区別がつくようにすることも理由の1つ。
わかりやすくするため みどりの窓口よりもJR全線きっぷうりばの方が多くの人々に分かりやすいという配慮があったのも要因。

JR東海で「みどりの窓口」とい名称を使うのをやめて「JR全線きっぷうりば」に切り替えた背景には、これら3つの事情がある。

参照:みどりの窓口とは? 取扱業務の詳細と一覧

みどりの窓口以外でも指定席券の発売が可能

「みどりの窓口」以外でも指定席券の発売が今日では可能なため、あえてこの名称を使う理由がない。

JR東海のみならず、みどりの窓口ではない駅であっても駅係員が切符を発売しているところでは指定席券の予約と発券が可能。

旅行会社のカウンターでも同じことができる。

あえて区別する必要がないことが、JR東海がみどりの窓口という名称を使わずにJR全線きっぷうりばとした理由の1つになる。

そもそも何でみどりの窓口という名前?

かつては指定席券を発売できたのはみどりの窓口だけだった。

まだコンピューターが普及していかなった時代、特急などの指定席のある列車の予約は駅の係員が指定席管理センターへ電話して押さえてもらうという方法をとっていた。

台帳管理方式というもので、列車の始発駅にはその駅始発のすべての列車の指定席の予約データを管理する場所が設けられていた。

コンピューターシステムの技術がやや向上した1965年になると、指定席予約のデータをコンピューターで一元的に管理するシステムが登場した。これは「マルス端末」と呼ばれる。

そして、その予約システムにアクセスできる端末が用意されている駅の窓口を「みどりの窓口」とした。

当時は国鉄で全国共通の鉄道事業主体たったため、全国のマルス端末が置かれてある駅の窓口は「みどりの窓口」に統一されていた。

なお、このマルス端末というコンピューターシステムが登場した当時、発券する切符の色がみどり(グリーン)だったことが、みどりの窓口という名前に決まった理由である。

他社JRの窓口と区別するため

みどりの窓口

東京駅のみどりの窓口(JR東日本が担当)

JR東海の在来線区間は基本的に駅の管轄が他社同士で重複していない。東海道本線を例にすると、熱海駅はJR東日本(新幹線改札口はJR東海)、米原駅はJR西日本がそれぞれ管理している。

いずれもみどりの窓口が設置されているが、それぞれJR東日本、JR西日本が運営している。JR東海の窓口はない。

しかし、新幹線の駅になると同じJRグループでも他社の窓口が混在している。

これに該当するのが東京駅、品川駅、小田原駅(在来線がJR東日本のため)、米原駅、京都駅、新大阪駅(在来線がJR西日本のため)である。

どちらがJR東海の窓口でどれが他社JRの窓口なのかで区別するためにも「JR全線きっぷうりば」という形で分かりやすく案内している。

東京駅、品川駅、小田原駅の場合

  • みどりの窓口=JR東日本の管轄
  • JR全線きっぷうりば=JR東海の管轄

米原駅、京都駅、新大阪駅の場合

  • みどりの窓口=JR西日本の管轄
  • JR全線きっぷうりば=JR東海の管轄

すなわち、東京駅や品川駅で「みどりの窓口」と書かれてある切符販売の有人窓口はJR東日本の管理下、京都駅や新大阪駅で「みどりの窓口」と書かれてあればJR西日本の管理下であると判断できる。

そもそもみどりの窓口が何かわかりにくい

かつての国鉄時代なら「みどりの窓口」という意味は全国的に知名度があって知られていた。しかし、JR化後は赤字の路線が第三セクターへ移譲されたため、JR線が広範囲にわたってない地域が出てくるようになった。

みどりの窓口という名称も聞いたことがない人が増え、これが有人窓口の切符売り場であることを知らない人が出てきた。

「みどりの窓口=切符販売の有人窓口」であることをもっとわかりやすく説明するためこそ「JR全線きっぷうりば」という表記に変更した背景もある。

なお、英語表記ではいずれのJRグループでも「Ticket Counter」という表示になっている。みどりの窓口でも「Green Counter」などとは言わない。

したがって、外国人観光客向けではそれほど問題は生じなく、あくまでもJRになじみのない日本人が混乱する可能性がある。

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