東京臨海高速鉄道りんかい線とJR東日本はどのような関係にあるのか。将来的に買収される予定が大きいという報道もあり、「JRりんかい線」になるかもしれない。今は別の会社となっているが、どんな違いがあるのか。
りんかい線とは、大崎~新木場間を走る路線である。お台場や大井町を結ぶ路線である。運賃が高い路線として広く知られている。
運行している会社は東京臨海高速鉄道という企業だが、これはJR東日本グループの一員となっている。ICカードもPASMOではなくSuicaを採用している。「りんかい線Suica」という独自の種類を取り扱っている。
ただし、完全にJR東日本というわけではない。会社自体は独立している。電車の運行業務もりんかい線とJR東日本の各線では別々となっている。
なぜ別々で違う会社となっているのか?
東京臨海高速鉄道そのものはJR東日本のグループに入っているのは確かだが、100%完全子会社というわけではない。第三セクターであり、東京都が主要な株主となっている。
官民一体で運営されている会社ということで、違う会社の状態が続いている。なぜ、JR東日本に完全に吸収されていないのか。
それは、建設コストに高い費用がかかったことが理由に挙げられる。1980~90年代に建設され、多くの区間は地下で通すこととなった。
当初は貨物線として使用される予定だった京葉線の一部として、新木場駅から東京貨物ターミナルへつながる線路として作られた。
その後、貨物列車の需要が大幅に減少したことで、りんかい線として利用されることとなった。しかし、JR単独では運営が難しいほどコストが高くなったため、JRの自社路線とはしなかった。
JR東日本に買収される予定か
現在、東京臨海高速鉄道はJR東日本に完全に買収される可能性が高いと言わられている。将来的には、「JRりんかい線」となるかもしれない。
JRがりんかい線を買い取りたい理由の1つとして、羽田空港へのアクセスがあるようだ。りんかい線を有効活用すれば、新線を建設する区間が少なくて済むというJR側の考えがある。
りんかい線の車庫は東京貨物ターミナルの中にあるが、ここから羽田空港までは距離が短い。車庫へアクセスする線路をさらに伸ばせば羽田空港へつながる。
そして、JR東日本が東京臨海高速鉄道を完全に買収すれば、りんかい線を経由して自社の羽田空港への路線を作れる。しかも、他の会社とのダイヤや車両の調整を行う必要もない。
羽田空港へ直結路線ができれば、JRは大きな収益を得られる可能性が高い。だからこそ、将来的に東京臨海高速鉄道がJR東日本に買収される可能性が大きいのである。