【グリーン車】なぜ埼京線にはない!? 普通車だけの理由とは?

JR埼京線にはグリーン車が連結されていない。10両編成の普通車しか存在しない理由とは何か。

並行する湘南新宿ラインにはグリーン車が整っている。池袋~大崎までは同じ線路と停車駅で同じホームを使う2つの路線であるが、埼京線に関しては従来の車両しか連結されていない。

2階建てのグリーン車を連結している電車は1編成もない。距離的にはけっして短いとは言えない。りんかい線や川越線と直通運転していることを考えると総運転距離は結構長いといえる。また、郊外に延びている路線といえるかもしれない。

グリーン車

出典:wikipedia

しかし、使用されている列車は完全に都市型の電車であり近郊型のものではない。そのため、グリーン車だけでなくトイレもついていない。


郊外でも短距離

埼京線

photozou.jpより

JR埼京線は東北新幹線ができたのと同時に開業した新しい路線である。その役割は東北本線(宇都宮・高崎・京浜東北線)の代替手段である。

東北本線はもともと利用者数がかなり多く、高度経済成長期にはラッシュ時の混雑は度を超えていた。複々線であるとはいえ、沿線の人口がかなり多かったため輸送能力は限界に達していた。

また、東北新幹線の高架橋周辺では建設反対の声が上がっていた。国鉄はそんな反対する住民への身返りとして新しい通勤路線を建設することを確約し、それが今日の埼京線となった。

つまり、埼京線は新宿や渋谷などの都心部と東北本線の大宮以南の沿線の地域を結ぶというのが役目であった。これにより、近郊型よりも通勤型の路線となり、グリーン車やトイレのついていない鉄道車両を使うこととなった。かつて走っていた103系や205系にもトイレはなく、山手線や京浜東北線と同じ車両が使われていた。

そもそも10両編成がMAX!

ところで、グリーン車が連結されている路線では最大15両編成で運行されている。上野東京ライン・湘南新宿ライン、総武線快速・横須賀線はいずれも15両編成で電車が走っている。そのうち、4・5号車がグリーン車となっている。

一方の埼京線の場合はすべて10両編成で運行されている。ホームの長さも10両編成が限界であり、これ以上は連結車両数を増やせない設計になっている。

仮に埼京線においてグリーン車の需要があったとしても実現はかなり難しい。しかも、直通先である東京臨海高速鉄道りんかい線内でもホーム延長の工事が必要となるため、鉄道会社間での調整も必要となる。

今後も埼京線は普通車のみの10両編成で運転され続けるだろう。

参照:埼京線の混雑の時間帯とは!? 通勤ラッシュのピークと乗車率を調査

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