JR常磐線の特急ときわ号の混雑状況について、時間帯ごとに調査した。平日と土日祝それぞれ満席で空席がゼロに近い状態になるのはいつなのか。
同じ常磐線の特急ひたち号と比べるとときわ号は全体的に空いている。停車駅が多いタイプのため、客層は中距離利用者が中心。
参照:特急ひたちの混雑状況を時間帯ごとに調査! 乗車率の目安とは?
全車指定席制となっているが、予約なしの「座席未指定特急券」であっても座れる確率が高い列車である。
土日祝の混み具合
<上野駅で調査> | ||
下り | 上り | |
始発-9:00 | ★★★ | ★★★★★ |
9:00-12:00 | ★★★ | ★★★★ |
12:00-14:00 | ★ | ★ |
14:00-16:00 | ★★ | ★ |
16:00-18:00 | ★★★★ | ★★ |
18:00-20:00 | ★★★★★ | ★★★ |
20:00以降 | ★★★★ | ★★★ |
特急ときわ号の土日祝の混雑に関しては、乗車率の変化はひたち号と一致する。しかし、満席になるほど混み合うケースが少ない。
7~10時台の上り列車が最混雑
休日の1日の中でピークとなるのは午前中の上り列車である。特に7~10時台は乗車率が80%を超えるような感じがする。
時間帯ごとの特急列車の乗車率に関する公式のデータがないため、正確な数値はわからないものの、目視で確認したところはちょうど8時半~10時頃に上野駅に到着するときわ号が最も混雑していた。
特に連休初日に当たる土曜日の午前中の混雑が最も激しい印象だ。日帰り・泊まり問わず土曜日に出かける人が多数派となっている。
こうした社会的な現象から、特急ときわ号の休日ダイヤの混雑のピークは土曜日の午前中いっぱいと結論付けられる。
18~20時発の下り列車も
下り列車の混雑のピークは18~20時に上野駅を発車する列車である。つまり、夕方と夜の境目に東京都心を出る列車をつかって自宅へ帰る人が多いというわけだ。
帰宅時間帯に関しては、基本的に平日の通勤ラッシュと変わらない。18時過ぎがピークであり、20時頃まで混雑している状態が続く。
全車指定席のため、自由席のように座れずに立っている乗客はほとんどいない。座席未指定券で乗る人もいるが、かつて存在していた自由席特急券のように指定席券より料金が安いわけではないため、ほとんどの乗客は予約する。
この点ではひたち号もときわ号も同じである。夕方から夜にかけては満席になる可能性が上がることで、わざわざ座席未指定券で乗るのは避けたい。
ただし、ひたち号ほど乗車率は高くない。特に土浦行の特急はあまり利用者が多くない。土日は平日よりもさらに少ない。
平日の混み具合
<上野駅で調査> | ||
下り | 上り | |
始発-9:00 | ★★ | ★★★★★ |
9:00-12:00 | ★★ | ★★ |
12:00-14:00 | ★ | ★ |
14:00-16:00 | ★★ | ★★ |
16:00-18:00 | ★★★★ | ★★ |
18:00-20:00 | ★★★★★ | ★★★ |
20:00以降 | ★★★★ | ★★ |
ときわ号の活躍時期は平日であるといっても過言ではない。特に夕方かた夜にかけての帰宅ラッシュの時間帯になると、通勤客で列車が混み合う。
特急と聞くとJR線の場合は長距離移動のためのものだというイメージが強い。プライベートであれば旅行、ビジネスでは出張というイメージがある。
特急ときわ号の場合は、夕方以降の下りは通勤客が使う手段となる。性質的には、普通列車のグリーン車代わりのような存在ともいえる。
18~21時は大混雑
ときわ号の18~21時に上野駅を発車する列車はどれも混雑が激しい。完全な満席になることは少ないものの、乗車率は70%は軽く超えると思われる。
この時間帯はちょうど帰宅ラッシュにあたる。職場や学校から自宅へ戻る人が集中する。普通列車はどれも満員電車で、当然ながら途中駅から乗るとまったく座れない。
特急列車は全車指定席のため、座れないということはない。座席未指定券の場合だと座れないかもしれないが、そもそも値段が指定席券と同じため、わざわざ座席指定しないメリットがない。
自由席のシステムとは全く異なる。したがって、特急ときわ号には満員電車という概念がない。
なぜ平日夜は特急ときわ号が混雑する?
通勤客で職場から自宅へ帰る人で混雑する。朝は普通列車を使うが、帰りは時々特急列車を使うという人も結構いる。
近中距離利用者が主流である。取手~土浦の間の駅で降りていく人が多い印象だ。勝田以北まで運転する列車でも、過半数は土浦駅以南で降りていく。
営業キロ | 50キロまで | 100キロまで | 150キロまで | 200キロまで | 300キロまで | |
指定席特急料金 | 事前料金 | 750円 | 1,000円 | 1,550円 | 2,200円 | 2,500円 |
車内料金 | 1,010円 | 1,260円 | 1,810円 | 2,460円 | 2,760円 | |
「えきねっとチケットレス割引」料金 | 650円 | 900円 | 1,450円 | 2,100円 | 2,400円 |
料金に関しても、近距離利用の場合は特急券の値段はそれなりにお手頃価格である。50キロまでは750円、51~100キロは1,000円となっている。
「えきねっとチケットレスサービス」だと割安になり、50キロまでは650円、51~100キロは900円に設定されている。
普通列車グリーン車を使うよりも安い。そのため、座りたい人でそれなりの距離を乗り続ける人は特急ときわ号を好む。
平日の夜だけが本数が多いのに混雑する理由はここにある。