なぜ常磐緩行線だけ「発車メロディ」が廃止に!? 理由を考察

常磐緩行線

JR常磐緩行線(各駅停車)では2018年8月より発車メロディが廃止になった。代わりに車両から流れる「乗降促進メロディ」を使用しているが、駅ごとに異なる音源が使用するメロディーが消滅した。

なぜ発車メロディが終了したのが常磐緩行線に限られているのか。その理由について今回は考察。

同じJR東日本でも、他の路線では発車メロディは使用している曲によっては沿線の自治体との協議の上で使っていたり、通勤ラッシュ時の混雑が激しくて駅構内のスピーカーから流れる大音量の発車メロディでないと乗客の乗り降りがスムーズに行かないなどの要因がある。


常磐緩行線のみ発車メロディが終了した理由

JR東日本では首都圏の全路線にて発車メロディが原則として導入されている。完全に廃止となって使用が終了した事例はこれまではまったくなかった。

その最初のケースになったのが常磐線の亀有~取手の各駅停車。

<常磐緩行線のみ発車メロディが廃止された背景>
主な理由 詳細な内容
停車時間が短い 常磐緩行線は各駅での停車時間が短く、発車メロディを十分鳴らせる余裕がない駅がほとんど。
ご当地メロディーの存在 ご当地メロディーは地元自治体との協議で使用しているが、常磐緩行線は汎用型のみ使用していて、自治体との話し合いで採用していた音源がなかった。
乗降促進の必要性の低さ 常磐緩行線は朝ラッシュでも首都圏の中では比較的空いている。速やかな乗り降りを促す発車メロディの必要性が他の路線よりは低い。
乗降促進メロディ搭載車のみ乗り入れ 常磐緩行線への乗り入れ全車両に乗降促進メロディを流す設備が搭載しているから。車外スピーカーからメロディーを流せる機能が付いている。

※対象は常磐線のうちの「各駅停車」のみ。「快速(普通列車含む)」は従来通り発車メロディを引き続き使用。

>>常磐線の駅ごとの「発車メロディ」の一覧!

主な理由は上記の通り。

発車メロディが乗客の駆け込み乗車の要因になっていたという見方から、実験的に駅スピーカーから流す音源の使用を取りやめた経緯がある。

ただ、「なぜ常磐線が選ばれたのか?」という点では他の路線よりも簡単に実践できた面が大きい。

参照:【路線別】JR東日本の発車メロディーの一覧

同じJR東日本の他の路線では、常磐線のように簡単に発車メロディの使用をすぐに廃止させることができない事情がある。

停車時間が短い駅がほとんど

JR東日本の路線では近郊路線(中距離電車)を中心に停車時間が30秒以上ある駅が多い。

しかし、常磐緩行線は旧国電の区間のため、停車時間はほとんどが20~25秒。発車メロディをフルで鳴らせる余裕はない。

フルで鳴らせるのは乗降時間が長くなりやすい朝ラッシュのみという背景もあった。

発車メロディをフルで鳴らす時間としては短いために、「途中切り」されてしまうことで駆け込み乗車を誘発していた点も否定できない。

発車メロディの使用に元々向いていないダイヤのために廃止になった可能性がこの点から大いに考えられる。

ご当地メロディーが1駅もない

ご当地メロディー(発車メロディ)

特定の駅の所在地にゆかりのある曲を使用している「ご当地メロディー」が1駅もない点にある。

音楽会社から直接仕入れている汎用メロディーなら、JR東日本だけで独自に音源を選定して使用している。これなら使用開始も停止もJR東日本で勝手に決定できる。

一方の「ご当地メロディー」の方はそうではない。

ご当地メロディーの導入はJR東日本と地元自治体の協議の上で成立している事例が多く、音源の制作費用も市町村などの自治体が負担しているケースが大半である。

地域の活性化のために、PR目的で自治体がJR東日本に要望してご当地メロディーが実現したところも多い。

このため、鉄道事業者側が一方的に使用中止を断行すれば自治体からの反発は必須。

JR東日本が一方的に使用停止にするのは現実的に難しい。

常磐緩行線の場合はそもそもご当地メロディーがなかったため、JR東日本の都合で簡単に使用停止になったのが主要な理由だろう。

乗降促進の必要性の低さ

常磐緩行線の朝ラッシュの混雑

出典:www.youtube.com/watch?v=g2oyz4lCW9o

発車メロディには「乗降促進」の役割もある。

音源を鳴らすことで、電車がすぐに出発することを乗客に意識させることで乗り降りを速やかに行わせる効果がある。

特に朝ラッシュの混雑が激しい路線では威力を発揮する。

常磐緩行線も朝の時間帯は混雑するものの、首都圏の他の路線の中では空いている方に分類される。

発車メロディを廃止にしたところで、乗り降りのスムーズさが失われる可能性が薄かったことも影響しているだろう。

全車両に乗降促進メロディを搭載

乗降促進メロディ付車両

常磐緩行線に乗り入れる車両は、JR東日本のE233系のみならず、東京メトロ所属の16000系、小田急電鉄所属の4000形がある。

いずれも新型車両に該当し、車外スピーカーからは「乗降促進メロディ」を流せるシステムを搭載している。

駅構内のスピーカーから流れる発車メロディを使用しなくても、電車の発車を知らせる共通メロディーを流せる手段があることも影響しているだろう。

常磐快速線の場合だと、E531系もE231系も乗降促進メロディが付いていない。

緩行線で発車メロディの使用が終了した一方、快速線では引き続き使用している理由はここにある。

かつての駅ごとの発車メロディの一覧

導入駅 曲名 補足
綾瀬駅 閃緑
市松模様
雨が上がったよ
プリティ・タウン
東京メトロが駅を管理
千代田線仕様の発車メロディ
亀有駅
せせらぎ
金町駅 SF22-29ロングver
SF2
松戸駅
せせらぎ
SF10-31
SF22-14
北松戸駅 春 トレモロver
せせらぎ
馬橋駅 せせらぎ
春 トレモロver
新松戸駅 Twilight
Sunny Islands
せせらぎ
北小金駅 牧場の朝
ムーンリバー
いずれも1分以上のロング
南柏駅
せせらぎ
柏駅 SF10-31
SF22-29
北柏駅 春 トレモロver
せせらぎ
我孫子駅 せせらぎ
Twilight
光と風と
天王台駅 春 トレモロver
せせらぎ
取手駅 ML-24
旧ひかりチャイム

ところで、2018年8月まで使用されていた駅ごとの発車メロディは上記になる。

いずれも「汎用メロディー」でJR東日本が独自に仕入れている音源。

綾瀬駅・北千住駅は別扱い

綾瀬駅に関しては、駅を管理しているのが東京メトロのため、JR東日本スタイルの発車メロディはそもそも導入されていない。

ただし、JR東日本の発車メロディ廃止区間の対象外でもあるため、綾瀬駅は引き続きメロディーが流れている。

北千住駅も、常磐緩行線は地下鉄千代田線の共用区間に該当するものの、千代田線ホームと駅の管理は東京メトロで、しかも綾瀬~北千住の列車の運転も東京メトロが全面的に行っていて、正式にも千代田線の扱いになっている関係から、JR東日本の方針が影響されていない部分になる。

ただし、それでもJR東日本との共同区間であることには変わりないなどして、北千住駅ではメトロ式の発車メロディは導入されていなく、以前からの「営団ブザー」が使われている。

地上にある常磐快速線ホームは完全にJR東日本の管轄であるため、JR東日本の発車メロディが使用されている。

他の路線の発車メロディの導入状況

<JR東日本の路線毎の発車メロディ>
地域 発車メロディ導入の路線
東京エリア 山手線京浜東北線根岸線含む)、中央線快速中央総武緩行線
神奈川方面 東海道線横須賀線南武線横浜線
千葉方面 総武線快速京葉線武蔵野線
埼玉方面 宇都宮線高崎線埼京線
茨城方面 常磐線快速

JR東日本の他の路線の各駅の発車メロディの一覧とその選定背景について取り上げる。



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