東急東横線と湘南新宿ラインを徹底的に比較してみた。東京の渋谷と横浜を結んでいて、京浜間の鉄道路線としてともに競合する関係となっている。
所要時間や本数、混雑、定時運行の面でそれぞれどちらが優勢に立っているのか。
東急東横線は渋谷~横浜間を走る路線である。2013年からは東京メトロ副都心線と相互直通運転を行っている。
渋谷駅は決して終点ではなく、電車1本で新宿や池袋まで乗り入れられている。
競合する東急東横線と湘南新宿ライン
東横線単独では、特急・急行・各駅停車の3つの種別が主流となっている。みなとみらい線と一体的に運転されている。
JR湘南新宿ラインは、大宮駅から池袋、新宿、渋谷などを経て横浜や大船まで乗り入れている。東海道線、横須賀線、宇都宮線、高崎線へ直通運転を実施している。
所要時間なら湘南新宿ラインが優勢
渋谷→横浜 | 新宿→横浜 | |
東急東横線 | 27分(特急) | 34分(特急+急行) |
湘南新宿ライン | 24分(快速)
28分(普通) |
29分(快速)
33分(普通) |
渋谷~横浜間の場合、湘南新宿ラインだと特別快速または快速で最速24分となっている。横須賀線系統の普通列車でも28分となっている。
一方の東急東横線の場合、最速の特急でも27分となっている。ほとんど同じ所要時間であるが、若干JR側が早いという結果だ。
新宿~横浜間だとさらに湘南新宿ラインの方が優勢となっている。JRだと最速で29分で結んでいる。対する東急東横線については、特急で副都心線内は急行となる列車で最速34分となっている。
日中の時間帯は「Fライナー」として、東横線内も副都心線内も最速の優等列車として運転されているが、それでもJR側が所要時間が早い。
運賃は東急東横線が圧勝
運賃については、東急東横線の方が圧倒的に安い。東京メトロ副都心線を同時に利用した場合でも、JR側より安い料金となっている。
渋谷~横浜の場合、東急東横線経由だと270円となっている。一方のJR経由だと390円に設定されている。東急電鉄の方がJRより120円安いことがわかる。
新宿~横浜でも東急東横線+副都心線を経由した場合は440円に設定されている。JRだと550円かかる。こちらでも、東急と地下鉄でJRよりも110円安い。
鉄道会社を2社使うことから、渋谷起点と比べると若干差は縮まっている。だが、それでも湘南新宿ラインの運賃の方が高い料金になっている点は変わらない。
交通費を節約したいのであれば、湘南新宿ラインを使うよりも東急東横線や副都心線を使って移動するのがよいだろう。
なお、JRの場合は湘南新宿ラインのみならず、山手線や埼京線、横須賀線、東海道線などのどの路線を使った場合でも途中で改札を出ない限り、運賃は変わらない。
本数自体は東急が多い
電車の本数そのものは、東急東横線の方が多い。特急・急行・各駅停車の3つの種類が運転されている。合計すると、日中でも1時間当たり14本も走っている。
湘南新宿ラインの場合、日中は1時間当たり4本しか走っていない。
東海道線・高崎線系統の特別快速と快速が合わせて2本、横須賀線・宇都宮線系統の普通電車が2本運転されている程度に限られている。
ダイヤも均等にはなっていない。間隔があくと25分程度電車が来ないこともある。東横線は概ね等間隔で運転されている。特急でも15分間隔で走っている。
東横線では、特急が最速列車である。停車駅が少なく、京浜間を移動する際には狙って乗りたい。急行も優等列車であることは事実だが、停車駅が多いのがネック。
後続の特急には追い抜かれないものの、やや所要時間が長くなってしまう。各停はあくまでも小さな駅を乗り降りするための電車ととらえるのがよい。京浜間の移動にはまったく向いていない。