JR西日本の神戸線・京都線を走る新快速であるが、なぜ芦屋と高槻に停車するのか。いずれも乗換駅ではなく乗降客数もそれほど多いものではない。以前はそもそも止まらなかった。
新快速といえば、京阪神を結ぶ速達電車であり、しかも停車駅が非常に少なくてスピードを出す列車であるというイメージが強い。関西地区のJRを代表する電車でもあり、並行する阪急の特急よりも所要時間が短い。最高速度は130km/hと在来線では最速だ。
新快速という種別が登場したのは国鉄時代の1970年である。当時は大阪~三ノ宮、大阪~京都はノンストップであった。今は尼崎・芦屋・新大阪・高槻に止まっているが、昔は一切通過していた。
どうして近年になってからこれらの駅にも止まるようになったのか。
芦屋と高槻は緩急接続のため!
芦屋駅と高槻駅ではほとんどのダイヤで新快速と各駅停車が接続を行う。新快速から各停に乗り換えたり、その逆で各停から新快速の電車に乗り移るという人は多い。駅の改札を出る人はそれほどの数ではないが、緩急接続のためにホームに降りる人はかなり多い。
もしこれらの駅に止まらなかった場合、新快速に乗れるのはかなり遠距離ユーザーしかいなくなる。そうなれば、JR線を使う人は大阪から近い距離に住んでいたり用事がある人はいなくなり、みんな阪急や阪神、京阪などの私鉄に移ってしまう。
1人でも多くの乗客を確保するために、JR西日本としては芦屋と高槻に新快速を停車させて緩急接続を行い、より便利な時刻表を提供しているものと考えられる。
なお、所要時間に関しては国鉄ノンストップ時代と全く変わらない。それは、車両の性能が大幅に向上したからだ。
現在はすべて223系または225系という新しい車両で運行されている。JR西日本ではいまだに多くの国鉄時代に製造されたものが走っているが、新快速ではまったく走っていない。すべてJR化後に製造されたものに置き換えられている。
最高速度は130km/hであり、国鉄時代が最高で100km/hであったことに比べるとかなりスピードアップしていることがわかる。停車駅一覧だけを見る限りはグレードダウンしたように思えるが、実際にはまったくしていないのが京阪神地区を走る新快速である。