【JR琵琶湖線】新快速の滋賀県内の停車駅が多い、それはなぜ!?

新快速(琵琶湖線)

JR西日本の在来線の代表的な存在である「新快速」について、琵琶湖線の区間の停車駅が多いと感じたことはないだろうか。滋賀県内に入ると途端にこまめに止まるようになる。どうしてここだけ通過駅が少ないのか。それには理由がある。


新快速の停車駅の推移

新快速は、誕生した1970年当初は西明石~京都だけを走っていた。滋賀県内の東海道線(今は琵琶湖線という名称)までは運行されていなかった。

翌1971年には草津駅まで延伸した。この時の途中の停車駅は大津と石山であった。

そして、1988年に彦根まで、1989年に米原駅まで乗り入れるようになった。途中の駅は守山・野洲・近江八幡・能登川であり、今と変わらない。

琵琶湖線区間の新快速の停車駅での変更は2011年の南草津駅への停車くらいである。昔とほとんど変わっていないといえる。

では、なぜ昔から滋賀県内では新快速の停車駅が多かったのだろうか。

JR独占区間だから!

一番の理由は、並行する私鉄が存在しないからだといえる。

京都~大阪~神戸~姫路の西側の区間では私鉄と並行している。沿線の鉄道利用者を競い合って獲得している構図になっているため、JR側は速達性で勝負している。

阪急電車

京都~大阪は京阪と阪急電車が並行して走っている。大阪~神戸は阪急と阪神が走っている。しかも、JRの線路からそれほど離れていない。

神戸~姫路は山陽電車が並行している。いずれの私鉄も「特急」という種別の速達列車を走らせていて、JR線と対抗している。

さらに、私鉄側は運賃がJRよりも安い。赤字ローカル線を持たず全線に渡って黒字になっているということで、運賃の面で優位に立てている。

そんな競合相手の私鉄に対してJRが対抗できる方法はスピードしかない。

より多くの乗客を獲得するために「新快速」という電車を運行して対抗しているわけだ。当然ながわ、スピードを維持するために停車駅を極力減らしている。

しかし、滋賀県内には競合対象となる私鉄がいない。京都~大津の区間では京阪京津線が走っているが、カーブが多くて速度が遅かったり一部区間で路面電車に変わったりするということで、競合対象とはなっていない。

速達性を求めるよりも単純に乗降客数に応じて停車・通過を決めることができている。そうした結果、需要がある駅には新快速を止めるため、他の区間よりもこまめに駅に停車している。