JR埼京線へのホームドアの設置はこれから進むのだろうか。首都圏の中でも混雑が激しい路線として有名であるが、線路へ転落する人は決して少ない数には収まっていない。高架区間が多いのが特徴であるとはいえ、少ないのは踏切事故程度である。
埼京線の人身事故がゼロに近いわけではない。誤って駅ホーム上から線路に落ちてしまって、しかも電車にはねられて死亡するという事故もある。
近年は可動式ホームドアがそれらの事故を防止できるということで大きな関心を集めているが、コストがかなりかかるという理由から実際に導入へ踏み切っている鉄道会社は少ない。
そもそもなぜ開業時に作らなかったのか?
JR埼京線が開業したのは1985年のことであり、まだできてから30年くらいしか経っていないので新しいといえる。
近年開業した路線はすべて安全対策としてホームドアを設置するケースがほとんどである。では、どうして埼京線には取りくけられなかったのか。
ホームドアが日本で初めて作られたのは1974年の東海道新幹線の熱海駅である。在来線で本格的に導入されたのは1991年の営団地下鉄南北線(現在の東京メトロ)であるが、これは埼京線ができてから6年後のことである。
当時はまたホーム上の安全対策が今のように重要視されてはいなかった。そのため、従来の形式と同じく何もない崖っぷちの状態に作られることとなったのだ。
ホームドアは実現する?
もしホームドアの設置費用が今よりも安くなれば、埼京線でもホームドアの整備が進む可能性は大いにある。現時点では1駅で20億円くらい要するため、設けられるのは10万人以上の利用者があってしかも早急な対策が必要な駅のみになっている。
コストが大きいため最重点とされている駅以外には導入見込みが経っていないのは確かだが、値段が下がればそれだけ導入障壁も下がるため、容易につけることができるようになると思われる。
山手線では全駅にホームドアが作られる予定となっていたり、東京メトロでも可能な限り多くの路線へホームドアを設置してワンマン運転を実施しようとしている。埼京線もその番がくる日はそう遠くはない未来かもしれない。