【なぜ】東葉高速鉄道の運賃は黒字なのに超高い! どんな理由があるのか?

東葉高速鉄道

出典:東葉高速鉄道公式HP

東葉高速鉄道の運賃はかなり高いとして有名であるが、これはなぜなのか。沿線の鉄道利用者が多いため営業利益は黒字であるため、理由がなかなか思いつかない。だが実際に乗ってみると、距離に対して割高なのが明らかに感じる。




初乗り運賃は210円(ICカード:206円)と、並行するJRや京成線と比べてもはるかに高い。都市圏の鉄道としては最高位クラスであり、北総鉄道並みの料金となっている。

東葉高速鉄道の運賃が高い原因

主な理由 背景
建設費の借金返済 新規開業が新しい
公的支援の不足 自治体からの無利子融資なし
建設費の上昇 バブル期と工事期間が重なる
類似例:北総鉄道、埼玉高速鉄道

東葉高速鉄道には建設に要した借金の返済が残っている。その返済には旅客収入、つまり乗客が支払う運賃を充てるしかない。

公企業ではないため、税金の投入はできない。しかも、建設にかかったコストも有利子融資によって賄われた。

つくばエクスプレスのように沿線の自治体からの無利子融資がなく、公的支援に乏しかったのも運賃が今のようにかなり高水準になっている原因ともいえる。

債務超過が理由だった!

東葉高速鉄道の運賃

東葉高速鉄道の運賃が高い理由は借金の多さにある。営業収支はプラスであって利益が出ているものの、経常収支は赤字になっている。建設費に借りた借金を返済しなければならない状況に陥っているからである。

鉄道事業で得られた売り上げに対して、借金の返済で発生する利息の支払い額が大きいためだ。

建設時の出た債務の利息の支払いをすると、経費と加えた金額が運賃収入を上回っているため、乗客から取る料金を高く設定せざるを得ないのが現状となっている。

東葉高速鉄道の建設計画が出された当初は建設費は安く済むはずであった。1960、70年代の建設であれば、確かにコストは近年と比べてかなり低水準に収まった。

しかし、トンネル工事での陥没事故やバブルによる地価の高騰により、建設費は膨大な金額へと膨れ上がった。

これにより、多額の借金を抱えることとなった。さらに、当時は鉄道建設の際の助成金制度もあまり整備されていなかったこともあって、債務には高い利子がつけられることとなった。未だに返済に苦しんでいる理由はここにある。

近年は沿線の不動産開発が進んだこともあって利用者数が伸び、以前よりは債務超過の大きさが小さくなるつつある。2011年3月の決算からは経常収支もわずかではあるが黒字に転換している。

しかし、それでも依然として多額の債務を抱えていることには変わりはない。今後も運賃が値下げされる可能性は低いのが現状だ。




なぜ東京メトロ東西線とは別路線なのか?

ところで、東葉高速鉄道線はもともと営団地下鉄(現在の東京メトロ)が建設して運営する予定であった。東西線の延伸区間として、当初は営団勝田台線と呼ばれていた。また、京成本線のバイパス路線という位置づけとなる計画でもあった。

東葉高速鉄道へ乗り入れる東京メトロ東西線

しかし、1973年のオイルショックによって京成電鉄が不動産開発で少なくない損失を出したことや、成田空港の住民の反対運動で建設が遅れたことにより、東葉高速鉄道線建設は一時的に凍結された。

このような出来事から、営団地下鉄も新規開業には消極的になるようになり、運輸省に対する申請を取り下げた。

やむを得ず、沿線自治体は第三セクター鉄道として建設することを決めた。

こうした経緯から、現在でも東京メトロではなく東葉高速鉄道という別会社が運行しているのである。

東京メトロ東西線への併合の可能性は?

<東葉高速鉄道がメトロへ合併したら>
乗客へのメリット 東京メトロへのメリット
合併後 運賃が安くなる 新たな沿線開発が可能に
現状維持 なし 負債を持たずに済む

乗客にとっては東京メトロと同一体系の料金制度になるため、金銭的な負担が減るというメリットがある。今の東葉高速線の高い運賃とはさようならになる。

しかし、東京メトロ東西線への併合についてであるが、この可能性としてはかなり低い。

建設費の返済額が大きく膨大な累積赤字が残っていることを考えると、黒字で儲かっている東京メトロが吸収するメリットがない。

赤字の負債

もし東葉高速鉄道線を東京メトロの管轄にすると、建設費の借金返済という多額の負債を抱えることとなる。

新たな沿線開発がしやすくなるというメリットがあるのは確か。東葉高速鉄道の沿線は住宅地が広がるが、まだまだ開発の余力はある。

しかし、負債という大きな問題がある以上、東京メトロが獲得できるメリットは小さい。

よって、今後も鉄道事業者は分離されたままの状態が続くと思われる。

おすすめ記事