名鉄の特急と快速には特別車と一般車(自由席)の2種類の車両が連結されている。追加料金がかかるのは指定席となっている特別車のみである。一般車の方は乗車券のみで誰でも乗れる。無料のため特急券は不要である。
JRの特急といえば、乗るだけで追加料金がかかる。自由席であれば自由席特急券が必要になり、運賃は「乗車券+特急券」になることで知られている。
そんなこともあって、名鉄の初めて乗る人はJRと同じように特急や快速特急に乗るだけで追加料金がかかるのではないかと考えている例が少なくない。
しかし、名鉄はJRとはまた別のシステムになっている。別途料金がかかるのは座席指定をする場合と全車指定席の「ミュースカイ」のみである。どちらかというと、指定席制のグリーン車のような存在といえる。
特別車は1人360円かかる
すべての特急・快速特急の列車は6両編成または8両編成で運転されているが、豊橋寄り・中部国際空港寄りの2両は特別車となっている。転換クロスシートとなっていて、座席指定制となっている。
「ミューチケット」という座席指定券を購入すれば「確実に座れる」という保証が付く。そのため、混雑時などに立っているのが嫌な人はこの特別車を利用するという人が多い。
特別車に乗る際には1人360円の料金がかかる。乗車する区間による価格差はない。距離に関係なく一律360円に設定されている。時間帯による違いや平日・休日による違いもない。
例えば、名鉄名古屋~中部国際空港の区間を乗る場合にかかるミューチケットの料金は360円であり、名鉄岐阜~豊橋間を利用した場合も同じく360円である。
また、駅の券売機で買っても車内で買っても値段は同じ。JR東日本のグリーン車のように車内販売だと割高になるということはない。車掌による切符拝見の際に購入しても何の問題もない。
一般車=自由席、無料で乗れる
一般車については、乗車券だけで乗れる車両である。各駅停車や急行のように追加料金がまったくかからない。着席保障はないが、経済的であるのは間違いない。無料で乗れるということで、毎日の通勤通学で乗る人が多い。
簡単に言えば自由席といえるだろう。座席は先着順に座れる一方、朝と夕方のラッシュの時間帯は途中駅から乗るとまず座れないことが多い。
朝は多数の乗客が降りていく名鉄名古屋駅や金山駅をすぎないと座れない。夕方のラッシュでは名古屋市内方面へ行く電車は座れたとしても、そこを超えると一気に混雑度が増して座れなくなる。
「どうしても座りたい」
このように考えている人にとっての便利なサービスこそが特別車である。追加で360円支払えば絶対に座れる。長距離を乗る人から大きな需要があるのは確か。