iPhoneにはすべてGPS機能が付いている。現在値の位置情報を知るために使うときにはかなり便利なツールだが、地下に入ると正確に測定できない。都会の人が密集する場所であってもうまく反応しないのが現状となっている。
iPhoneに限らず、スマートフォンに搭載されているGPS機能は残念ながら地上でしか測定できない。そもそもGPSは地球の上空を飛んでいる人工衛星からの電波によって位置を測定する仕組みになっている。地上出ない限り正確に測るのは難しい。
なぜ地下ではGPSがつながらない?
全地球測位システムという名称のGPSの精度は年々向上している。同じiPhoneであっても「iPhone 5」と「iPhone 7」では後者の方が圧倒的に精度は高い。
現時点では、地上で周辺に高い建物などの電波を遮る障害物がないところであれば最大で10メートルほどの誤差がある程度であり、性能としてはかなり良い。ポケモンGOのようなGPSをフルに使うゲームであっても性能は十分である。
しかし、人工衛星からの電波が届きにくい地下のエリアとなってしまうと精度が極端に悪化する。電波が地表を通過できないためである。地面の下にある地下にも電波を届くとしても、それは地上からの入り口を通って届く。
GPSの仕組みそのものが地上にだけ対応したものであって地下にはまったく向いていない。このため、いくらiPhoneのGPSの性能が向上しても、地下に入れば位置測定ができないというわけだ。
公衆Wi-Fiを使って地下でも現在値がわかる?
近年は地下に設置されている既存の公衆Wi-Fiの設備を使ってiPhoneなどのスマートフォンで現在値を把握できるようにするシステムが実験段階に入りつつある。国土交通省が中心となって東京都心の一部のエリアで試験運用を始めている。
今あるWi-Fiを有効活用して地下の中でも位置情報がわかるようになれば、通常のGPS自体の電波が入らないところであってもグーグルマップなどで今自分がいる場所を把握できるようになると期待されている。
ポケモンGOのようなGPSを使ったゲームをする人も、この公衆Wi-Fiを利用した位置情報サービスが実用段階に入ればプレイできるようになる可能性が非常に高い。
インターネットとGPSを組み合わせたビジネスも活発化することが予想されている。iPhoneから地下でWi-Fiを用いたGPSを使って最寄りの小売店や飲食店、電車の時刻表などを検索できるようになるとして期待されている。