115系の完全引退はそろそろ!? 廃車と置き換えが始まる時期が来る!

国鉄時代の車両である115系が完全引退する時期はそろそろ来るのか。新型車両への置き換えと廃車がすべて実施されるのはいつなのか考察する。

115系が登場したのは1963年。国鉄の直流区間で1960~70年代で大量の投入された近郊型電車である。JR化以後も多くの路線で使われてきた。

しかし、新型車両の登場で115系は置き換えられてほとんどの路線ですでに引退済み。残っているのはJR西日本の山陽本線などの岡山・広島・山口のエリアである。


115系の引退する時期

115系の引退する時期に関しては、2020~2030年にはほぼ100%実施されると思われる。

未だに115系が現役で使用されているのは、以下の路線である。

鉄道事業者 路線 置き換え車両
JR東日本 信越本線、越後線、弥彦線 E129系
JR東海 なし 311系、313系
JR西日本 山陽本線(岡山・山口)、伯備線、福塩線、山陰本線、本四備讃線・予讃線、宇野線、土讃線、呉線・可部線 211系、223系、227系
しなの鉄道 しなの鉄道線 不明

JR東日本では新潟地区にて115系が現役で使用されている。直流電化区間である信越本線、越後線、弥彦線にて使われている。

JR西日本は岡山地区、広島地区、山口地区の広範囲で使用されている。つまり、近畿地区の「アーバンネットワーク」以外の直流区間で広く使われている。

第三セクターのしなの鉄道でもJR東日本から譲渡された115系を使用している。

いずれも2030年ごろには寿命が来る可能性が大きい。そのころにはすべて引退せざるを得ないことが考えられる。

JR東日本

JR東日本の115系

JR東日本は新潟地区だけが115系が現役で使用されている地域である。首都圏などでは早い時期からJR化後の新型車両に置き換えられてきた。

東海道線、宇都宮線、高崎線などでは2003年までに完全引退した。この時期はE231系に置き換えられた。

両毛線、長野地区の中央本線、篠ノ井線などでも211系に置き換えられた。

直流が主流の新潟県は首都圏とは違って新型車両が導入されてこなかった。しかし、2014年からはE129系が新潟地区の各路線に導入され始めている。

今後は新潟地区ではすべての115系をE129系に置き換えることを予定している。

さらに、国鉄時代の車両だけでなく、JR化後に登場した車両の引退も予想される。209系やE217系がその代表。

>>209系の引退はそろそろ!? 廃車と置き換えが始まる時期が来る!

JR西日本

JR西日本の115系

JR西日本は他のJR各社と比べて115系などの旧式の車両が未だに多く使用されている。

関西の京阪神地区「アーバンネットワーク」を構成する各線では221系、223系、225系に置き換えられてきた。

近距離電車は103系や201系などが使われているものの、中距離電車は主要幹線では211系以降の型式に置き換えられている。

しかし、岡山地区、広島地区、山口地区の各線ではまだまだ115系が現役かつ主力車両という位置付けとなっている。

主要な幹線である山陽本線でも227系に置き換えが完了した広島地区以外では115系が113系とともに主力車両である。

岡山地区や山口地区にも227系が投入される可能性は残る。

ただ、必要となる車両数が多いこと、京阪神地区の「アーバンネットワーク」の区域内でも211系などさえ老朽化が進んでいるため、新車でなく中古車が回ってくることも予想される。

>>JR西日本の車両が古いのはなぜ? 国鉄からの電車が多い!

しなの鉄道

115系を使っている第三セクターがしなの鉄道である。長野県内の長野新幹線(現北陸新幹線)が開業した1997年に信越本線が経営分離された部分がしなの鉄道へ転換した。

車両は当時のJR東日本が使っていた車両が譲渡された。それが今の115系である。

JR各社とは違って、しなの鉄道は車両の置き換えが難しい。単独で最新型の車両を投入するのは不可能。財政的に難しいからである。

JR東日本などのほか鉄道事業者から車両を新たに譲渡してもらうしかない。

しかし、今の115系は年々老朽化が進んでいるため、やはり引退する日はそう遠くはないだろう。

なぜ115系がまだ使われ続けているのか?

115系という国鉄時代の古い車両が未だに使い続けられている理由とは、具体的には以下が挙げられる。

  • 新型車両を投入する資金的な余力がない
  • 運行本数が少ないため支障が少ない
  • 最高速度が低い

115系では老朽化だけでなく、電車の運行そのものに問題が生じる路線では早くから引退が進んできた。

115系使用路線 置き換え済み路線
運行本数が少ない地方の路線 都市部ならではの高頻度運転
採算が良い路線ではない 利用者数が多くて大幅な黒字
普通列車の最高速度が100km/hまで 最高速度が110~130km/h

115系が今の運転されている路線は、老朽化は進んでいても更新工事を行ってまで新型車両の投入ほどコストをかけなくても良いエリアである。

運行本数が少ない地方の路線なら、115系の性能でも問題は生じにくい。

一方の都市部の高頻度で運転される路線では115系は「足を引っ張る」存在になる。今の電車は高加速、高速化が進んでいる。私鉄との競合や過密ダイヤに対応するためには、新型車両の性能でないと支障が出る。

さらに、運転本数が多ければ電力コストも気になる。旧式の115系は消費電力が高く、環境にやさしいとは言えない。エネルギー効率を考えると、都市部は115系では問題がある。

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