【阪急宝塚線】なぜ急行は遅いのか!? 通過駅が少ない理由とは?

阪急宝塚線のほとんどの時間帯の最速列車といえば「急行」である。優等列車として通過駅の設定があるが、実際に飛ばす駅は少なく遅いのが現状。各駅停車が急行を待避するケースもほとんどなく、先行する電車が逃げ切るようなダイヤとなっている。

急行が止まらずに通過するのは、中津・三国・庄内・服部天神・曽根・岡町の6駅のみである。豊中駅~宝塚間では各駅に停車する。中津駅付近は徐行運転を余儀なくされるため、実際に急行運転するのは十三~豊中の区間だけといえる。

阪急宝塚線の急行

なぜこれほど停車駅が多く設定されていて所要時間が遅いのか。阪急宝塚線の急行のデメリットといえる理由がある。


特急・快速急行が代表だった時代もある

阪急宝塚線の看板列車は長年急行が担ってきたが、一時期は特急や快速急行も運転されていた。しかし、その停車駅は時代とともに大きく変化して現在に至る。

かつては、急行は今は停車している豊中駅と蛍池駅は通過していた。十三~石橋間はノンストップとなっていた。

それが、当時の最速列車である特急が1997年に豊中駅に、特急そのものが廃止された2003年には最速の急行蛍池駅に停車するようになった。

一方で1995年には特急が日中の時間帯に20分間隔で運転されていた。2000年のダイヤ改正の時点では、停車駅は十三・豊中・石橋・池田・川西能勢口・山本であった。しかし、その特急も2003年のダイヤ改正では快速急行にすべて格下げとなった。

その快速急行も2006年には廃止されることとなり、急行が最速列車として再び阪急宝塚線の代表的なものとなった。この時、阪急宝塚線の速達列車が豊中~宝塚は各駅に止まるという形が完成した。

カーブが多くて線形が悪い

背景にあるのは、通過駅を多くしても所要時間があまり短縮できなかったという結果が挙げられる。

今の急行の梅田~宝塚間の所要時間は約35分となっているが、特急が運転されていた2000年当時でも約31分かかっていた。最速でも29分台要していた。停車駅が大幅に少なく設定されていた割にはあまり所要時間が変わらないことがわかる。

そして、その理由というのがカーブの多さである。阪急宝塚線は全線に渡って速度制限がかかるカーブが非常に多い。路線の最高速度は100km/hとされているが、実際にそこまで出せる区間はかなり少ない。

特に川西能勢口~宝塚間はほとんど直線が存在しない。出せるスピードはせいぜい60~70km/hほどである。かつて特急や快速急行が通過していた駅がある箇所だが、この線形の悪さが所要時間の短縮ができなかった理由となっている。

こうした特徴から、阪急宝塚線の急行は十三~豊中間だけを中心に通過しているのである。遅い原因はカーブの多さにあるわけだ。

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