西武新宿線の特急小江戸(レッドアロー)号はいらないという意見が少なくないようである。停車駅は高田馬場・東村山・所沢・狭山市の4駅しかないため、かなり少ない。速達列車として一定の需要があるのは確か。
ただ、西武鉄道の特急は有料列車である。乗車券や定期券のほかに特急券が別途必要となるため、実際に乗るとなるとそれなりの金銭的な負担となる。
急行以下の普通電車に乗る人にとっては、あまり好ましい存在ではないのだろう。特急が運転されていれば、その分急行などの本数は少なくなる。
逆に特急が廃止されれば、その分急行などが増発される。コストを抑えたい人にとっては、とてもありがたい話になるかもしれない。
特急が迷惑だと感じる?
特急の停車駅が少ないということは、途中でいくつもの電車をどこかで追い抜くということである。
無料列車では最速の「急行」も、特に本川越方面と行き来している列車を中心に特急の通過待ちがある。鷺ノ宮・東村山・新所沢のいずれかで、特急にぬかされる。そのため、停車時間が3~5分程度と長くなる。
優等列車の待避がある場合、それに乗る乗客にとっては実に迷惑なことであるのは確かだろう。所要時間が待避時間分長くなり、目的駅への到着が遅くなる。
急行に至っては、長い距離を移動する乗客が乗る電車ということもあり、なぜ特急に追い抜かれることに違和感を感じてしまうかもしれない。
しかも、西武新宿線では急行でも通過駅がある区間は高田馬場~田無の部分だけである。そこから先の本川越側は各駅停車と同じになる。すべての駅に止まるため、速達列車ではまったくない。
それでも、特急は有料列車で追加料金が求められるため、やむを得ず急行に乗る人も決して少なくはない。定期券利用者のように毎日西武新宿線を使う人なら、急行以下の電車に乗るしかないだろう。
特急は空いている
特急はすべて指定席となっていて自由席はない。それでも、空席には余裕があることがほとんどである。満席になってそれ以上は乗れないというケースは稀である。
特急は空いているが、急行は混雑しているというケースも多い。朝や夕方の時間帯では、このような現象が目立つ。丁度通勤通学の時間帯になるため、定期券利用者が多く電車に乗る時間帯だ。
ここでも、「わざわざ利用者が少ない特急を走らせる意味はあるのか?」と感じるところだろう。混雑緩和のためにもっと普通電車を増やすべきだという意見が出てくる要因の1つ。
確実に座れる特急レッドアローは、お金がある人にとってはありがたい存在なのは間違いないだろう。一方のそうではない利用者にとっては、いらない存在となっているのも確かのようだ。