西武池袋線の複々線化工事は、連続立体交差事業による線路の高架化と並行して行われた。一連の工事は2015年初頭に完了したが、今後延伸する見込みはあるのか。
複々線化の工事は練馬駅~石神井公園駅間にて実施された。急行線と緩行線がそれぞれ別々の線路に切り替わったことで、朝ラッシュの時間帯では電車の増発が可能となった。
池袋~練馬間は単なる複線だが、この区間では地下鉄有楽町線・副都心線と並行して走り、練馬駅で合流するという形となっているため、実質的に複々線となっている。
連続立体交差事業も練馬駅~大泉学園駅間で行われた。これまで地上を走っていた線路が高架化されたことで、開かずの踏切が大幅に解消された。
一方、まだ地上を走る区間については、開かずの踏切が残っている。ほとんどの道路とは踏切で交差しているため、迂回ルートも少ない。
保谷駅まで複々線化&高架化の予定だった
もともと西武池袋線での複々線化事業と連続立体交差事業は、練馬駅から保谷駅まで行われる予定だった。
しかし、予算の都合により石神井公園駅までに短縮された経緯がある。どうしても石神井公園駅から都心側にて開かずの踏切や輸送力の少なさが問題となっていたため、対象区間が絞られて優先的に実施された形となった。
今後、首都圏でも長期的には少子高齢化が進んで鉄道利用者数も下がる見通しとなっている。
西武池袋線もその例外ではない。現在こそ朝夕は激しい混雑となっているものの、いずれは解消されるという見方が大きいようだ。
乗客の数が減れば、運賃による収入も下がることとなる。それを踏まえて、複々線化の区間が短縮された。
連続立体交差化は今後も実施可能性大
複々線化は今後も行われる可能性が低いものの、連続立体交差化は実施されることが期待できる。
西武池袋線内にはまだまだ開かずの踏切が数多く存在している。ひばりヶ丘駅や東久留米駅、清瀬駅付近には特に交通量が極めて多いが、道路が踏切で交差しているところがほとんど。
朝ラッシュの時間帯はほとんど開かないことでも知られている。これらを解消させることは、沿線の自治体では大きな課題として取り上げられている。
該当する市町村を中心に、西武池袋線の高架化が要望されている。
複々線化事業は鉄道会社主体で行われるが、連続立体交差事業は沿線の自治体が主体となって行われるプロジェクトとなっている。
東京都や西東京市、東久留米市、清瀬市が中心となって行うこととなる。これらの自治体の動向によるが、今後も西武池袋線の高架化される見込みは大きいだろう。