子供を連れて通勤ラッシュの満員電車に乗るのは物理的に不可能に近い。親子が不利益を被ったり、他の乗客に迷惑がかかるようなことがあり、さらに他人との思わぬトラブルの元にもなりかねない。
赤ちゃんから幼稚園児、小学生では同じ子どもという括りでも事情が異なってくる。しかし、いずれでも満員電車に乗るのは可能な限り避けるのがベストである。
目次
子連れで満員電車に乗ることで生じる問題
主な問題点 | 詳細な内容 |
---|---|
押しつぶされる | 満員電車で乗客同士が押し合うほどの混雑では、赤ちゃんや幼稚園児なら押されてしまいケガしたり身体的苦痛を受けることになる。 |
迷子になる | 幼稚園児や小学生を中心に、大人が身動きが取れない中、どこかへ行ってしまう可能性がある。降車する際に行方不明になることも。 |
泣き声、はしゃぐことでうるさい | 赤ちゃんの泣き声、幼児がはしゃぐ行動は他の乗客にとって迷惑。罵声を浴びさせられる事例も。 |
他人とぶつかる | 他の乗客にぶつかることで、相手から罵声を浴びさせられることも。食べ物や飲み物を持っていると相手の服を汚して損害賠償される例も。 |
ベビーカーを満員電車に持ち込む是非をめぐっても賛否両論がある中、子どもが自分自身で歩けたとしても混み合った鉄道を利用することに否定的な見方もある。
権利的な面で言えば全く問題ないものの、現実的なリスクを考えると、どうしても難しい部分は存在する。
押しつぶされる
乗客同士が押し合うような状態なほどの満員電車では、子どもだと押しつぶされてしまう可能性がある。死なないほどであってもケガすることは大いにあり得る。
押されるこどで身体的な苦痛を味わうことも考えられる。
大人なら耐えられる圧力でも、子どもには厳しい状態が予想される。
中でも首都圏のトップクラスの混雑率を誇る路線で、午前8時頃や午後6時頃の電車に乗るのは危険。
迷子になる
ベビーカーに乗っている赤ちゃんでない限り迷子になるリスクがある。自分で歩ける子どもは電車に乗車中にはぐれてしまうことも考えられる。
走行中は問題ないかもしれない。しかし、駅で停車中に乗客が入れ替わるタイミングで親子がはぐれてしまうことがある。
さらに、乗車する際や降車する際にはぐれてしまうこともあり得る。
自分で歩ける子どもは親について行こうとしても、親と子の間に他の人々が入ってくることで、子どもが親を見失うケースがよくある。
満員電車になる通勤ラッシュは駅のホーム上も人でいっぱいになる。子どもが行方不明になる環境が完全に整っているのは否定できない。
子どもがうるさいと迷惑に
子どもが電車内で泣いたり、はしゃいだりすることでその声が「うるさい」として他の乗客に迷惑がかかってしまう。
最近は「子どもの声は騒音」とまで言われるほど世の中が小さい子へ不寛容な社会になっている。
子どもが声を発しただけでも保護者に対して怒鳴る人もいる。罵声を浴びさせられる光景はレアなケースとは言えないほどまでに増えていると感じる。
子どもがうるさいとしてトラブルが起こることもあるという点も、満員電車の乗るのが現実的に難しい理由である。
他人とぶつかる
他人とぶつかっただけで暴力を振るわれたり罵声を浴びさせられる事件も最近はよく見かける。
大人なら注意して歩いていればある程度は避けられる。
仮にぶつかったとしても「すみません」や「ごめんなさい」の一言で解決するものであり、大事にはなりにくい。
しかし、子どもだとまだ注意力が不足する。歩いていて他の人にぶつかってしまうことも確率的に大きい。
そんな中で「すみません」や「ごめんなさい」が言える子どもであれば問題にはならない。しかし、これが口にできる子は実際には少ない。
大抵は黙ってその場を立ち去ることになる。そして、これが相手の怒りを買ってしまう原因になる。
このような可能性も人が多い通勤ラッシュでは確率的に高くなるため、子連れは避けたいところである。
子ども×満員電車はNG
子どもを連れて混雑する満員電車の乗りこむのは、OK・NGかと問われればNGだろう。
どうしても不利益を被ったり、他人に迷惑がかかるトラブルが生じやすい時間帯のため、やむを得ない場合を除いては避けるのが好ましい。
<子どもがいると避けたい時間帯>
- 朝=7:00~9:00
- 夕方・夜=17:30~19:00
どうしてもこの時間帯に電車に乗らないといけない場合は乗ってもOKだが、そんな場合はいつもより子どもに細心の注意を払うことが必要。
なお、通勤ラッシュでも満員電車にはなりにくい方向へ向かう電車ならそれほど問題ではない。
朝の下り、夕方の上りは比較的空いている。子連れでも乗車可能なレベルにとどまりやすい。
赤ちゃん(乳児)の場合
在来線普通列車も乳児を連れて乗車することは、JRの旅客営業規則上では全く問題ない。「何歳以上」といった制限は一切ない。
それでも実際問題として、鉄道をはじめとする公共交通機関に一緒に乗ることは赤ちゃんの体力、親の負担の大きさ、さらには周囲の乗客への迷惑度で厳しいところがある。
状況ごとの可否の目安
車内の混雑状況 | 赤ちゃんの乗車可否 | 詳細な内容 |
---|---|---|
朝夕の通勤ラッシュ | × | 混雑した電車では赤ちゃんが乗れるような環境ではない。満員電車で誰もがストレス感じるためちょっとしたことで大きなトラブルにも。 |
若干混雑した電車 | △ | 泣き叫んだ時などに難点あり。座れずに立っている人がいる状態もできれば避けたい。 |
空席が多い閑散期 | ○ | 泣き声が周囲に迷惑になることを除いては大きな支障はない。座席に座れるため親の身体的な負担も少ない。 |
※上記はあくまでも目安。都市部の鉄道全般を基準に解説。 |
赤ちゃんを連れて電車に乗ること自体はOK。
鉄道事業者においてもベビーカーの優先スペースの利用を推奨していたり、他の乗客に対して子連れの乗客に配慮を求めるアナウンスがされるなどしている。
ただし、実際にところは朝夕の通勤ラッシュに限っては厳しいと言わざるを得ない。
鉄道事業者による違いはない。どの路線にも共通する。
朝夕の通勤ラッシュは論外
赤ちゃんを連れて電車に乗る場合でも、平日の朝夕の通勤ラッシュの時間帯ではもはや論外といえるレベル。
赤ちゃんを連れて電車に乗るのは不可能に近い。ベビーカーでも、抱っこした状態でも厳しい。
ベビーカーのスペースの問題は有名だが、そもそも赤ちゃん自身が押しつぶされてしまう危険性がある。安全な状態ではまったくない。
泣き叫んだ時にも対処不能
閑散とした時間帯であれば、もし赤ちゃんが電車内で泣き叫んでしまった場合は、途中駅で一旦降りて泣き止むまで様子をみるという行動が取れる。
しかし、満員電車ではそもそも途中駅で降りられないほどの混み具合であることが多い。
乗客の間を無理矢理切り分けて進路を進もうとしても、大人が問題なくても赤ちゃんが押しつぶされてしまうかもしれない。
このようなリスクを考えるとまず避けなければならない。
ベビーカーの持ち込み難しい
満席の電車では、ベビーカーの持ち込みも難しいことがほとんど。
最近では電車内に「優先スペース」が設置されているケースが増えていて、ベビーカーを乗せられる場所がある。
しかし、朝夕の通勤ラッシュではそんなスペースも人で埋まっている。
折り畳んで乗ったとしても、それを置く場所がない可能性が残る。
ドア付近にて乗客同士が押し合うような場面では、大人自身は電車に乗り切れたとしても、赤ちゃんとベビーカーは積み残しになってしまうこともあり得る。
こうした点から、朝夕の通勤ラッシュの電車に赤ちゃんとベビーカーとともに乗車するのは無理がある。
乗客同士のトラブルの元
閑散期であれば電車内マナーに関しても多数の乗客は比較的寛容的。
電車内にて赤ちゃんが泣き叫んでいたとしても、それを責めるケースは少ない。
少なくとも、それを必死に止めようとする親を見ると、それに対して不平不満を口にしたり罵声を浴びさせる人など皆無。
一方の朝夕の通勤ラッシュだと不寛容な世界が充満。
赤ちゃんが泣き叫んでいたり、便を漏らしてしまったりした場合には、周囲の乗客が怒りの言葉を口にしたり、激しく罵声を浴びせることがよくある話。
満員電車ではどうしても誰もがストレスを感じる場面になる。これによって、乗客たちが不寛容になる。
思いやりに欠けやすいところに変化するため、赤ちゃんを連れて朝夕の通勤ラッシュの電車に乗るのは現実的に難しいと言わざるを得ない。
昼間の空いている時間帯なら可
昼間の閑散期の電車なら
- 空席が多くて座れる
- ベビーカーを乗せられるスペースが豊富
- 他の乗客たちも子連れに寛容
空席が多少なりとも残っている場合であれば、赤ちゃんを連れて新幹線に乗ることは不可能まではいかない。
さらに、電車内の乗客全員が座れるほど空いている昼間であれば、赤ちゃんを連れて電車に乗ることは特に支障はない。
途中で泣き叫んだり、便を漏らしてしまったりした場合には途中駅で一旦電車を降りて処置を講じることができる。
電車内にて赤ちゃんが泣き叫んでいたとしても、周囲の乗客とトラブルになる可能性はかなり小さい。
他の乗客たちが寛容
赤ちゃんを連れて電車に乗る場合は「優先席」に座る権利があるものの、実際に満員電車に乗るとそもそも優先席のある場所にさえ移動できないことが多い。
さらに、赤ちゃんを連れて乗ることに不寛容な人が多くなりやすい。満員電車は誰もが大きなストレスを感じるところのため、ちょっとした泣き声がトラブルにつながることが目立つ。
日本は特に朝夕の通勤ラッシュの鉄道は「通勤通学客が優先」という考えが根強い。
実際に赤ちゃんを連れて電車に乗ると、他の乗客とトラブルになるまでには至らなくても、「舌打ちをされた」とか「鋭い目でにらまれた」という事例はよくあること。
一方の昼間の時間帯は多くが寛容。
電車内で泣き叫んだとしても、乗車率が低い状態では他の乗客のストレス度が全体的に低いため、許容してもらえることが多い。
鉄道利用という点では同じでも、時間帯ごとの違うは全く別物と考えてよい。
満員電車での赤ちゃん乗車に関するトラブルの例
ところで、赤ちゃんを連れて電車へ乗車した際のよくあるトラブルの事例については以下が多い。
主な内容 | 詳細 | 重症度 |
---|---|---|
泣き声 | 赤ちゃんの泣き叫んだために、周囲の乗客から舌打ちをされたり、強く睨まれた。「うるさい」と怒鳴られることも。 | ★★★ |
ベビーカー | ベビーカーは面積を取るため、周囲から邪魔がられることがある。舌打ちや「邪魔くさい」と言われることも。 | ★★★ |
咳やくしゃみ | 咳やくしゃみによって唾液が周囲の乗客にかかることでトラブルに。服が汚れたなどで損害賠償の話もあり得る。 | ★★★★★ |
泣き声やベビーカーの問題は全国的に公共交通機関でよくあるケースだが、まだ社会的には容認はされている。
一方の咳やくしゃみによって唾液がほかの乗客にかかることは内容としては少し厄介になりやすい。
「服が汚れたから弁償しろ」といった損害賠償の問題に発展することもある。
満員電車ではこのようなトラブルのリスクがあるため、赤ちゃんを連れて電車に乗るのは可能な限り避けたい。
もしどうしても通勤通学の時間帯に赤ちゃんを連れて電車に乗らなければならない場合は、このような点にはかなり敏感にならざるを得ないのは今の現状と言える。