優先席付近でのスマホや携帯電話の使用ルールOK/NGのルールの基準

優先席付近でのスマホの可否

電車・バスのような公共交通機関の優先席およびその付近でのスマホ・携帯電話の使用ルールについて。

電源OFFにしなければならない基準は「混雑時」と案内されているが、それは具体的にどれくらいの乗客が乗っている時を指すのか。

スマホをめぐっては優先席での乗客同士のトラブルもたまに見かけるが、使用のOK・NGの基準はどこなのか詳しく解説する。


公式のルール

車内環境 電源(操作) 通話の可否 タブレット端末
通常時 ON × 言及無し
混雑時 OFF ×
※混雑時とは、座っている人よりも立っている人の方が多い状態が目安。

かつては、「優先席付近では携帯電話の電源をお切りください。」と案内されていた。

総務省が2015年8月に心臓ペースメーカーが携帯電源から3cm以上離れれば影響が出ないと認め、さらに携帯電話の電波の出力を最大限に上げた状態で行った調査時とは違って一般生活で調査条件と同じ状況になる可能性は非常に低いとも認めた。

これにより、鉄道の優先席付近における電源OFFのルールも大幅に緩和するきっかけになった。

普段は電源ONで問題無し

優先席とその付近のスペースにおいても、今では通常時なら携帯電話やスマートフォンの電源をONにしておいても問題ないとどんな鉄道事業者でも認めている。

あくまでも「ご遠慮下さい」と案内されているのは音声通話だけである。

3G、4G回線によるインターネットにアクセスしたり、ゲームを行ったり、LINEやメール、その他SNSのためにスマホを使う分にはまったく問題ない。

優先席とは言え、あくまでも座席だけが高齢者や身体障害者などの体の不自由な乗客へ譲ることが求められるに過ぎない。

全国のほとんどの鉄道路線では、混雑が激しいのが朝夕の通勤ラッシュの時間帯くらいに限られる。

早朝、日中の昼間、夜遅い時間では優先席付近であっても携帯電話やスマートフォンの電源をONしておけるほどの「通常時」を満たすと解釈できる。

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電源OFFは混雑時

優先席およびその付近で携帯電話やスマートフォンの電源をOFFにして切ることが求められるのは電車内が混雑している時である。

車内アナウンスでも「優先席付近では混雑時には携帯電話やスマートフォンの電源をお切りください。」と案内されている。

ところで、混雑している状態の具体的な基準とは何か。これの目安になるのが以下になると考える。

  • リュックを背負って乗るのが困難な状態
  • 乗客同士の間隔が15cm以内
  • 立っている人の方が座っている人よりも多い

そもそも電源OFFは心臓ペースメーカーを使用している人に対する配慮からできたルールである。

携帯電話からの電波が干渉して誤作動を起こす可能性が過去にあったため、これが優先席ルールとしてできた経緯がある。

現在ではそんな干渉の心配はほとんどないようで、総務省でも心臓ペースメーカーと携帯電話の間隔が3cm以上離れていてば問題と認めている。

もっとも、公式には2013年より15cm以上は離れているのがベストとも発表している。

これにより、電車内が混雑して乗客同士の間隔が15cm以内になるほど混み合っている時が優先席付近で電源OFFにするのがルールになると解釈される。

優先席の電源OFFルールの現状

車内環境 電源(操作) 通話の可否 タブレット端末
通常時 ON ×
混雑時 ON ×
※優先席およびその付近でもスマホを操作している人が多数。

一方で、実際の乗客の行動を見てみると、優先席付近であっても通常の座席付近であっても違いは特にない。

つまり、混雑した電車内の優先席付近でもスマホの電源をOFFにするどころか、いつも通り操作している人が見られる。

優先席にて途中駅からどうしても座らないと苦痛を伴う足の不自由な人、高齢者、妊婦がいても座席を譲らないマナーの悪い乗客はいるものの、割合的にみれば少ない。

しかし、混雑した車内でもスマホを優先席付近で使っている人はむしろ多数派である。

物理的にスマホの操作ができないほど乗客が押し合う状態の超満員電車を除いては、優先席付近の電源OFFルールが浸透していない。

実際にはOKなのか?

満員電車の優先席付近でも誰もスマホや携帯電話の電源をOFFにしない理由は、そもそも科学的な根拠に乏しい点、迷惑がかかる人がほぼいない点があげられる。

心臓ペースメーカーへの電波の干渉が懸念されるという意見があるものの、それはあくまでも過去の話。旧式のペースメーカーの危機だとそんなリスクもゼロではない。

少なくとも最近のペースメーカーならまったく問題ない。

すなわち、電車内の優先席付近でスマホの電源をONにしていても不利益を被る人がいないというわけだ。

鉄道事業者では建前として「優先席付近では混雑時は携帯電話やスマートフォンの電源をお切りください」と啓発しているものの、黙認している状態に等しい。

スマホを操作しているからといって、鉄道事業者の職員から厳重注意されるようなことは考えにくい。

タブレットは優先席付近でも常に電源ON?

優先席付近で混雑した満員電車の時の電源OFFのルールはあくまでもスマホと携帯電話(ガラケー)に限られている。

同じようにSIMカードを使ってデータ通信するタブレット端末に関しては特に言及はされていない。

何も言われていないということで、混雑した電車内でもタブレットはルール的にOKになると解釈できる。

明文化されていないモラルの面では問題ないと断定できないものの、完全に禁止ではない。

電源OFFのルールが適用されるのは、スマホ・携帯電話に限られ、タブレットは対象外になることを考えると、このルールの目的は矛盾点を含んだ内容であることが否定できない。


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