満員電車でスマホを操作するのはマナー上OKなのか、それともNGで避けるべきなのか。他の乗客の迷惑にならないか、混雑率ごとに考察してみた。
鉄道会社としても、車内が混み合っている状態であってもスマートフォンそのものの利用を控えるように呼び掛けるアナウンス等は一切ない。
とはいえ、乗客同士で体が接するほどの超満員電車の状態になればスマホを操作できるほどのスペースすらない状態になることも。こんな時はさすがに邪魔になってしまう。
混雑率ごとのスマホ操作の可否
電車の車内がどれくらい混雑しているのかを表す指標に「混雑率」というものがある。
輸送可能人員に対する実際の乗車人員から割り出した数値であり、乗車率ともほぼ近い存在。
朝夕の通勤ラッシュになると、特に首都圏の鉄道路線ではこれがどこも高い数値を記録している。そして、混雑率ごとのスマホの可否は次のようになる。
<混雑率ごとのスマホ使用のOK・NGの目安> | ||
混雑率 | スマホ使用の可否 | 感想 |
100% | 可 | 全く問題なし |
120% | 可 | 特に問題なし |
150% | 微妙 | ドア付近だと邪魔で迷惑に |
180% | 不可 | 他人に当たって迷惑に |
200% | 不可 | そもそも物理的に不可能 |
電車内でリュックを背負ったまま乗れるか乗れないかの基準とも似ている。ただ、スマホは占領するスペースが狭いため、ある程度の混雑までは許容できる。
>>【満員電車】リュックはどうすればいい? 下に置けば邪魔にならない!?
ところで、電車内のアナウンスで「優先席付近では混雑時はスマートフォンや携帯電話の電源をお切りください」の「混雑時」の基準の目安は混雑率100%当たりが目安になる。
120~150%は比較的OK
混雑率が120~150%程度の数値であれば、満員電車の状態であってもまだスマートフォンの使用は特に問題視はされないだろう。
車内奥で立っていても、ドア付近で立っていても他の乗客と荷物が接する程度のレベルではない。スマホを操作しても、それが他の乗客に当たることもないはず。
周囲の乗客を見ても、120~150%の混雑率になる路線の電車でもスマホを操作している人を多く見かける。
イヤホンからの音漏れなどは確かに他の人にとって騒音となって迷惑になることもあるが、ただ画面をタッチするくらいなら全然いける範囲にとどまる。
首都圏以外の地域の鉄道路線はほぼすべてで混雑率が150%を下回っているため、このレベルに該当する。
混雑率150%からは微妙に
混雑率が150%以上になってくると、いよいよ最混雑の時間帯にて電車内でスマホを操作するのは難しくなる。
車内奥ならまだ空間に余裕があることが多いものの、ドア付近だと体の一部または荷物がほかの乗客と触れることが出てくる。
スマホを操作できるほどスペースに余裕はない。強引にやろうとすると、他の人に当たってしまって迷惑になる可能性が否定できない。
したがって、混雑率が150%を超える路線でスマホを使うのは、朝夕の通勤ラッシュの混雑区間では避けるのが好ましい。
首都圏では主要路線は多くが混雑率150%を突破する。周囲とのスペースの有無には十分注意したい。
混雑率180%からはスマホ使用不可
混雑率が180%以上になると、最混雑の時間帯では完全に電車内でスマホを操作するのは不可能な状況となる。
ドア付近はもはや100%完全にスマホの操作はできない。車内奥でも空間に余裕が残っていない。体の一部または荷物がほかの乗客と触れるレベルに到達しているのが180%という数値だ。
スマホを操作できるほどスペースは完全にゼロのため、強引にやれば他の人に当たってしまって迷惑になる。
したがって、朝夕の通勤ラッシュで混雑率が180%を超える路線でスマホを使うのはNGと判断する。
首都圏のトップクラスの混雑率を誇る路線では180%以上の数値を出す。さらに、各駅停車では空いていても、快速や急行といった通過駅のある優等列車では超満員になる事例も結構見られる。
この場合、各停はスマホOKでも、快速・急行などではスマホNGという感じになる。
混雑率200%
混雑率が200%まだはそれに近い状態になる路線は数少ないものの、一応存在するのも確か。
スマホの操作はもはや完全に不可能になる。他の人と体が接するレベルを超えている。電車内でスマホを操作するという発送はそもそも生まれてこない。
早朝や日中、夜遅い時間帯であれば混み具合は下がるため、スマホを電車内で操作することができる範囲に収まるが、ラッシュのピーク時は絶対不可能。
スマホの使用がOKかNGかの判断に迷うレベルを通り越している。
スマホの操作が他人に嫌がられる事例
ところで、電車内でスマホを操作する人が他の乗客に嫌がられる事例とはどんな場合なのか。
混雑時では、以下のようなケースがこれに該当する。
- スマホに集中して、電車を降りる人がいてもどかない
- 画面のタッチ音がうるさい
- 写真や動画を撮影する
- スマホ本体やそれを操作することで腕などが他人へ触れる
最も多いと感じるのが、スマホの操作に集中しすぎているあまり周囲の乗客への配慮に欠ける行動を取る事例ではないか。
ドア付近に立っていて、停車駅で降りる人がいるのにそれに気が付かずにどかないという例がその代表になる。
周囲から見ると「気が利かなくて突っ立っている」存在と見られてしまう。
さらに、イヤホンをしている人だと周囲が「すみません」と一言声掛けをしても聞こえずに無視することになってしまいやすい。
電車内でスマホの操作をすること自体は問題ではないが、他の乗客への配慮が薄れることはやはり避けたい。
スーツケース・キャリーバッグなどの大きな荷物などの持ち込みの問題とも似ている。
参照:満員電車へのスーツケース、キャリーバッグの持ち込みの是非